薬害C型肝炎訴訟で、東京訴訟の原告21人と国との和解が29日、東京高裁(小林克已裁判長)で成立した。東京訴訟での和解成立は初めて。これで全国の原告304人のうち108人が国と和解したことになる。
この日和解した原告は、青森、神奈川、新潟、沖縄など11府県に住む20~70代の男性5人、女性16人(うち2人は死亡し遺族が継承)。いずれも07年3月に東京地裁で一部原告勝訴の判決を受け、控訴審で係争中だった。
和解条項は、1月に成立した感染被害者救済法や和解基本合意書に基づき、原告が血液製剤による感染者と確認した上で、▽死亡、肝がん、肝硬変患者4000万円▽慢性肝炎患者2000万円▽無症状感染者1200万円--の給付金を支給する内容。支給総額は4億7600万円(弁護士費用除く)になる。
原告側は和解後も国と継続的に協議し被害拡大の検証や薬害の再発防止、一般的な肝炎対策を求めていく。田辺三菱製薬(大阪市)など製薬会社とは、3月中の和解基本合意を目指して協議を続けている。
これまでに大阪高・地裁、福岡高・地・簡裁で87人が国と和解。東京訴訟では、昨年末までに提訴した30人が3月28日に東京地裁で国との和解を成立させる予定。【北村和巳】
毎日新聞 2008年2月29日 12時14分 (最終更新時間 2月29日 12時42分)