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ドイツ・ベルリンでの記者会見を終えた中村勘三郎
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歌舞伎俳優の中村勘三郎(52)が率いる「平成中村座」が5月にドイツ・ルーマニア公演を行うことになり、会場となるベルリン市の「世界文化の家」で28日、記者会見した。勘三郎は、念願だった初の欧州公演に「こっちの人たちが歌舞伎に詳しいのよ。その厳しい目に応えるものにしないとね」と気合が入った。
会見場には70人を超える欧州メディアが集まった。2004年の米ニューヨーク公演を成功させた「平成中村座」の名前は、ドイツにもとどろいていた。演目は、その「夏祭浪花鑑」だ。
勘三郎は「取材の人たちがものすごく詳しいんだよね。クライマックスはどうなるとか、本当の水を使うのか、とかね。僕たちが来るのを待っていてくれたんだなと思うと感激だね。最後の見せ場は今思いついたけど、それは見てのお楽しみ」と言葉を弾ませた。
ベルリンは、中村屋にとってもゆかりの場所。父の十七代目勘三郎が、1965年にこの地で「俊寛」を演じたことがある。「実はきょう年配の女性の記者が、“私はあなたのお父さんの舞台を見ました。そのお父さんに何か言いたいことはありますか”なんて、質問されてね。驚いたよ。思わず生きていたら喜んでくれたでしょうねって。みんな爆笑してた」とノリノリだ。
ベルリン公演の次はルーマニア。さまざまな演劇、パフォーマンスが集う「シビウ国際演劇祭」に招聘(しょうへい)された。「今まで一度も行ったことがないから楽しみですね。とにかく、目が肥えている人が多いでしょうから、それに応えられる質の高い舞台をお見せしたい」と力を込めた。
共演は中村橋之助、扇雀、勘太郎、七之助ら。ベルリンは「世界文化の家」で5月14日から21日まで8公演、ルーマニアはシビウ市内の特設舞台で同29日から6月1日まで4公演を予定。
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