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「JTは受動喫煙リスクの告知義務怠った」禁煙タクシー第1号、咽頭癌の運転手がJT提訴
2008年02月29日08時10分
1月7日に都内のタクシーが禁煙となり、全国的に禁煙タクシー化の流れは定着したが、飲食店をはじめとする他の職場では、受動喫煙による健康被害を依然として受け続け、命を落とす人も多い。原因は、長年にわたり受動喫煙によるタバコ煙の被害を正確に告知することを怠ったJTにあるとして、「禁煙タクシー第1号」の運転手が、咽頭癌など健康被害に関する損害賠償1000万円や全国紙への謝罪広告などを求め提訴した。マスコミはJTの巨額の広告費に懐柔され報道しない。原告の安井幸一さんに、訴訟の目的や今後の取り組みを聞いた。
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【Digest】
◇JTのマナー広告を見て提訴を決意
◇不当な接客指導も告知義務違反
◇難しいが面白い訴訟
◇周囲の配慮を押し切り提訴
◇病をおして深夜勤務と裁判を続ける思い
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◇JTのマナー広告を見て提訴を決意
JT(日本たばこ産業株式会社)を訴えたのは東京都に住むタクシー運転手の安井幸一さん(74歳)だ。2月25日の午前、東京地方裁判所に訴状を提出し、受理された。
「提訴しようと思ったきっかけは、JTによるテレビのマナー広告で、バックにタクシーの座席を映していた場面を見たことでした。タバコを製造販売しているJTが当初からこういう宣伝をしていれば、行政の取り組みも今より早まり、私を含めた受動喫煙の被害も防げたはずだと考えたのです」
1953年に法人タクシーの乗務員となって以来、55年にわたってタクシー運転手一筋に業務を続けてきた。その間、生来の非喫煙者である安井さんは、職場であるタクシー車内において受動喫煙の被害を受けてきた。
1975年までの法人タクシー時代には、1乗務(隔日実働約20時間)で30〜40本の喫煙にさらされ、同時に3人以上の喫煙をされる場合もあったという。
特に、1969年に個人・法人を含めたタクシー運転手を管轄する行政機関である財団法人東京タクシー近代化センター(現・財団法人東京タクシーセンター)が設立されてからは、「喫煙を断ったら接客不良」という指導が強まり、運転手が窓を開けることも難しくなり、密閉された空間で、よりひどい受動喫煙を受け続けた。
その間、1980年前半から安井氏は東京タクシーセンターへタバコの害を訴え、さまざまな資料を提示してきたが、タクシーセンターは一介の運転手の言うことに耳を傾けることはなかったという。
その体験から、安井さんは長年にわたりタクシーの禁煙化に取り組み、1988年2月26日には運輸大臣から日本初の禁煙タクシーの認可を受けた。
しかし認可後も、タクシー内では喫煙は自由、との認識が利用者に行き渡っていたため、乗客とのトラブルを避けるために、日に2、3本は喫煙を容認せざるを得なかった。完全禁煙にできるようになったのは2001年頃からだという。
50年近くも密閉された職場空間で受動喫煙にさらされてきた安井さんの体は、1994年に狭心症にかかり、2000年には動脈硬化と椎間板ヘルニアを発症し、2006年にはついに喉頭癌の診断を受け、手術を行った。
これらの病気は現在も加療中であり、飲食店をはじめとする受動喫煙を受ける施設に行った場合、喉頭癌を患った部位に痛みを感じ、そのたびに命にかかわる恐怖を感じるという。そのため、受動喫煙のおそれのある場所には一切立ち入りができない生活を強いられている。
安井さんは現在、受動喫煙を強いる指導をしてきた東京タクシーセンターに対する損害賠償裁判を行い、2月14日に東京高裁で判決があり、敗訴したが、即日最高裁に上告している。(受動喫煙で咽頭がん・狭心症に 「禁煙タクシー第1号」の運転手、東京タクシーセンター提訴)
今回の裁判はこの裁判とのつながりの中で生まれてきた。
◇不当な接客指導も告知義務違反
「私がこのような受動喫煙による被害を受けたのは、東京タクシーセンターを代表とする行政が『喫煙を断ったら接客不良』と指導したためであり、そのような指導がなされたのは、行政が受動喫煙の害を知らされていなかったためです。
タバコ会社が受動喫煙の危険性を行政や社会に十分に知らせてこなかった、告知義務を果たさなかった不法行為に対して、損害賠償を請求しようと考えました」
安井さんが提訴する日を2008年2月25日と決めたのは、不法行為の時効が20年であり、1988年2月26日に禁煙タクシーの認可を受けた日から考えると、この日が時効の期限だったためだ。
受動喫煙の被害は、WHO(世界保健機構)などにより、30年以上前から報告されていた。またWHOは、1976年に日本を含む加盟国政府に対し、全ての形式のタバコの宣伝、広告を制限するか禁止する法令を制定するよう勧告している。
少なくともJT(当時は日本専売公社)はこの時点で受動喫煙の危険性を認識していたと思われる。
続きはMyNewsJapanで
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【Digest】
◇JTのマナー広告を見て提訴を決意
◇不当な接客指導も告知義務違反
◇難しいが面白い訴訟
◇周囲の配慮を押し切り提訴
◇病をおして深夜勤務と裁判を続ける思い
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◇JTのマナー広告を見て提訴を決意
JT(日本たばこ産業株式会社)を訴えたのは東京都に住むタクシー運転手の安井幸一さん(74歳)だ。2月25日の午前、東京地方裁判所に訴状を提出し、受理された。
「提訴しようと思ったきっかけは、JTによるテレビのマナー広告で、バックにタクシーの座席を映していた場面を見たことでした。タバコを製造販売しているJTが当初からこういう宣伝をしていれば、行政の取り組みも今より早まり、私を含めた受動喫煙の被害も防げたはずだと考えたのです」
1953年に法人タクシーの乗務員となって以来、55年にわたってタクシー運転手一筋に業務を続けてきた。その間、生来の非喫煙者である安井さんは、職場であるタクシー車内において受動喫煙の被害を受けてきた。
1975年までの法人タクシー時代には、1乗務(隔日実働約20時間)で30〜40本の喫煙にさらされ、同時に3人以上の喫煙をされる場合もあったという。
特に、1969年に個人・法人を含めたタクシー運転手を管轄する行政機関である財団法人東京タクシー近代化センター(現・財団法人東京タクシーセンター)が設立されてからは、「喫煙を断ったら接客不良」という指導が強まり、運転手が窓を開けることも難しくなり、密閉された空間で、よりひどい受動喫煙を受け続けた。
その間、1980年前半から安井氏は東京タクシーセンターへタバコの害を訴え、さまざまな資料を提示してきたが、タクシーセンターは一介の運転手の言うことに耳を傾けることはなかったという。
その体験から、安井さんは長年にわたりタクシーの禁煙化に取り組み、1988年2月26日には運輸大臣から日本初の禁煙タクシーの認可を受けた。
しかし認可後も、タクシー内では喫煙は自由、との認識が利用者に行き渡っていたため、乗客とのトラブルを避けるために、日に2、3本は喫煙を容認せざるを得なかった。完全禁煙にできるようになったのは2001年頃からだという。
50年近くも密閉された職場空間で受動喫煙にさらされてきた安井さんの体は、1994年に狭心症にかかり、2000年には動脈硬化と椎間板ヘルニアを発症し、2006年にはついに喉頭癌の診断を受け、手術を行った。
これらの病気は現在も加療中であり、飲食店をはじめとする受動喫煙を受ける施設に行った場合、喉頭癌を患った部位に痛みを感じ、そのたびに命にかかわる恐怖を感じるという。そのため、受動喫煙のおそれのある場所には一切立ち入りができない生活を強いられている。
安井さんは現在、受動喫煙を強いる指導をしてきた東京タクシーセンターに対する損害賠償裁判を行い、2月14日に東京高裁で判決があり、敗訴したが、即日最高裁に上告している。(受動喫煙で咽頭がん・狭心症に 「禁煙タクシー第1号」の運転手、東京タクシーセンター提訴)
今回の裁判はこの裁判とのつながりの中で生まれてきた。
◇不当な接客指導も告知義務違反
「私がこのような受動喫煙による被害を受けたのは、東京タクシーセンターを代表とする行政が『喫煙を断ったら接客不良』と指導したためであり、そのような指導がなされたのは、行政が受動喫煙の害を知らされていなかったためです。
タバコ会社が受動喫煙の危険性を行政や社会に十分に知らせてこなかった、告知義務を果たさなかった不法行為に対して、損害賠償を請求しようと考えました」
安井さんが提訴する日を2008年2月25日と決めたのは、不法行為の時効が20年であり、1988年2月26日に禁煙タクシーの認可を受けた日から考えると、この日が時効の期限だったためだ。
受動喫煙の被害は、WHO(世界保健機構)などにより、30年以上前から報告されていた。またWHOは、1976年に日本を含む加盟国政府に対し、全ての形式のタバコの宣伝、広告を制限するか禁止する法令を制定するよう勧告している。
少なくともJT(当時は日本専売公社)はこの時点で受動喫煙の危険性を認識していたと思われる。
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