女性医師の再就職などを支援するため、昨年1月に開設された日本医師会(日医)の「女性医師バンク」の運用状況がまとまった。1年間で就業が成立したのは53件、再研修の紹介が4件だった。
同バンクは一昨年11月、日医が厚生労働省と「医師再就職支援事業」の委託契約を締結。日医内に「日本医師会女性医師バンク中央センター」を設け、昨年1月に業務を開始した。
業務開始から丸1年となる同バンクの登録状況では、求職登録者が256人、求人登録施設が715施設、求人登録が1,263件だった(今年1月29日現在)。その中で、就業成立は53件、再研修紹介が4件で、ほかに就業相談後に同バンクに登録がない医療機関に就業が決定したケースと現在の勤務先で就業継続につながったケースが合わせて8件あった。
また、登録時に就業中だった人の求職理由は、「非常勤勤務中であったが、時間・回数・内容の充実を求めた」、「非常勤勤務中であったが、常勤での勤務を求めた」、「常勤勤務中であったが、転居のため」などだった。
一方、登録時に未就業だった人の未就業理由は、「出産・育児」、「転居(結婚など家庭の事情)」、「本人の病気」の順に多かった。
出産・育児を理由に勤務を中断したケースが多いことなどについて、日医は「状況に応じて勤務を増やしていきたい女性医師のニーズが存在している」と指摘している。
さらに、就業・再研修決定者の現状に関しては、「継続中(常勤は全員)」が80.7%、「これから就業」が7.0%で、「中断」は12.3%に過ぎなかった。中断理由は、「常勤での就業が可能な他施設への変更」や「通勤(時間)に無理があったため」などで、日医は「ほとんどの就業決定者が就業を継続しており、今後も継続の意志を持っている」とし、「女性医師の就業継続に向けて、女性医師のモチベーションをいかに維持するかについて考慮することが必要」とみている。
更新:2008/02/28 12:27 キャリアブレイン
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08/01/25配信
高次脳機能障害に向き合う 医師・ノンフィクションライター山田規畝子
医師の山田規畝子さんは、脳卒中に伴う高次脳機能障害により外科医としての道を絶たれました。しかし医師として[自分にしかできない仕事]も見えてきたようです。