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救急車からネット中継で容体把握 国循などが実用試験へ

2008年02月28日

 救急車から患者の容体や映像をリアルタイムで病院に送るシステムの試験運用を、厚生労働省の研究班が3月から大阪府吹田市内で始める。2年間の研究期間に市内の6台の全救急車に搭載する。市内にあり、研究班の中心となる国立循環器病センターの倫理委員会が28日承認した。

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 救急車には、患者の様子を映す小型カメラや心電図計、血圧計などを載せる。高速通信ができる携帯電話とインターネットの通信網を使って患者の情報を国循センターのパソコンに送る。医師は、パソコンの画面から、脳卒中や心筋梗塞(こうそく)の患者の容体を早くつかみ、救急隊に音声で適切な処置などを助言し、治療にも備えることができる。

 試験運用では、情報は国循センターだけに送るが、将来は多くの病院への普及が見込め、消防指令や各病院の医師が同時に患者の容体や重症度を把握できる。また、病院の医師が相互に会話するテレビ会議機能も備えている。

 救急隊員と医師らが個別に電話でやりとりするいまの方法だと、患者の容体が十分に伝わらず、受け入れ先の病院決定に時間がかかる原因になっている。国循センターの野々木宏・緊急部長は「システムの導入で救命率の向上だけでなく、救急患者の受け入れ不能問題の改善にもつながる」と話している。

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