企画特集:「竹島」
【グラフ 波頭を越えて 韓国編】「竹島リポート 第2部」を終えて
したたかに−この国の“熱”
連載「波頭を越えて 竹島リポート」第2部(16〜20日付朝刊1面)では、わが国固有の領土、竹島(韓国名・独島)が韓国に実効支配されている実態と、その歴史をたどった。竹島の西に位置する鬱陵島で取材班が見たものを写真でさらに紹介し、竹島問題の深刻さを伝えたい。(竹島問題取材班)
乗りさえすれば、竹島に上陸できる−。鬱陵島で港に係留された竹島行きの船をただ眺めるしかないのは、何とももどかしかった。
竹島を不法に実効支配している韓国から、韓国企業が運行する船で竹島へ渡れば、「領有権を主張している日本のマスコミも韓国領と認めた」という口実を韓国に与えかねず、領有権主張の論拠にもされかねない。日本の報道機関としては、渡るわけには行かない。
島根県が「竹島の日」条例を制定した2年前、韓国では反日感情が過熱し、船は日本人の乗船を拒否した。現在は一転、「誰でもどうぞ」という。過ぎた反日は国際社会での評価を下げると気づいた韓国政府が沈静化に努めた“成果”だ。「竹島」と「独島」の両方の単語に敏感に反応し「どんな記事を書くつもりか」としつこく聞く政府関係者の姿は、日本側の対応を警戒する韓国の姿を雄弁に物語っていた。
日本では「センシティブな問題を刺激する」と、領有権主張の声を小さくしようという人も多い。そういう人にこそ、よく見てほしい。日本が黙すれば、これは国際法上“有効”な実効支配になるのだ。