2008年2月28日 12時10分更新
救急搬送の患者がいくつもの病院に受け入れを断られるいわゆる「たらい回し」が全国で相次いでいることから、宮崎県が県内の消防本部を通じて救急搬送の実態を調べた結果、去年、都城市でぜんそくの患者が13の医療機関に受け入れを断られたケースがあったことがわかりました。
宮崎県は、県内に9つある消防本部を通じて去年1年間に行われた救急搬送の状況を初めて調べました。
それによりますと、去年4月、ぜんそくの発作を訴えた三股町の80歳の男性を搬送するため都城北消防署の救急車が出動した際、隣りの都城市内などの13の医療機関に受け入れを断られ、最終的に三股町の診療所に運ばれるまで通報からおよそ1時間半がかかったケースがあったことがわかりました。
都城市消防局によりますと男性は重症と診断されましたが、その後退院したということです。
このほか受け入れを7回にわたって断られたケースが2件あったということです。
病院が患者を受け入れなかった理由については消防本部の記録で確認できたおよそ480の重症患者の救急搬送のケースのうち▼「ベッドが空いていない」が23.2%で最も多く、次いで▼「医師が不在」が22%▼「別の患者に対応中」が18.2%でした。
宮崎県は、調査の結果を総務省などに報告するとともに、患者をすみやかに搬送する方策について医療機関や消防と連携して検討していきたいとしています。