20億10万円の時計
しょうもない話を書きますが。
今日、またブルガリに行ってきたんですよ。そしたら、前に相手してもらったKさんというおばさまが「まあ、お久しぶりです。またいらしてくださるなんて思わなかったわ」と。私のこと覚えてくれていたようです。ハービスENTのブルガリは、やっぱり天井が高くて、明るくて、ステキ。このKさんも、すてきなおばさまです。
ところで、私はたぶん、娘にしてはかなりマザコンで、母親の言うことには、結構従います。言うことはきかなかったけれど、ドレスとか髪型とか、そういうキレイなものへの審美眼について、信頼を置いています。それは、私の祖母から脈々と受け継がれて来たものだと思いますが。だから、今回のドレスにせよ、なんにせよ、特にこだわりのない部分は母の言うとおりにします。
その母から「ななが婚約者からもらうのは、VVS1以上じゃないといやだあ」と言われていたので「VVS以上のダイヤ見せてください」と言いましたら、オーバルとラウンドが出てきました。
このオーバルが、とても大きく見えた。大きさはハリーのと0.08カラットしか変わらないのに、すごく大きく見えた。私の体調が良かったせいもあるかもしれませんが、マニキュアもせずに行ったのに、私に似合う感じ、というのでしょうか。運命のダイヤって感じがしました。EカラーVVS1のオーバル。298万円。
マリッジも見せてもらったら、オクタゴナルっていうのが、指にはめてみて良い感じ!Kさんも「オーバルの方がお似合いだ」と。セールストークかもしれないけど、指輪が「似合う」っていうの、よく分からなかったけれど、そういうのあるのかもしれないと思いました。
ここで比較対象になるのは、ハリーと大丸なのですが。
ハリーでエンゲージを買うとすると、ハリーのおそろいマリッジは彼があんまり乗り気でなかったので、別のところで買うことになります(マリッジが法外に高価だったし)。ブルガリなら、全部一度に買える。なんか、エンゲージとマリッジは、同じブランドの方がいいような気がしていて。ただ、ハリーは爪がかっこいい。細い二本の針金で留めているので、繊細な感じがします。
大丸は、一般的には、ファンシーカットより一割は高値で売買されるラウンドブリリアントで、同価格以下で買えます。が、買う場所が、デパートの中の、リフォームカウンターなわけです。エンゲージリングを買うという特別な思い出の時を、そんな舞台装置で迎えるのは、やっぱりいやだなあと思いました。それに、私はやっぱりラウンドがあんまり好きではない。オーバルの方が、ちょっと個性的で、私らしい気がしました。オーバルを買うなら、オーバルはカットの審査がありませんから、ブランドを信頼するしかありません。もとより、大丸はファンシーカットはほとんど扱っていませんが。
それで、上機嫌でブルガリを出て、隣のオメガに行きました。彼への婚約記念品を物色するためです。
そこで、ずらりと並んだ時計の中に、「ミュージアム・コレクション」というのがありました。
その中の、1945年のオメガの時計の復刻版「オフィサーズ」。世界で1945本だけの限定発売だそうです。茶色い革ベルトに、文字盤にはたっっくさんのメモリ。普通っぽいけどすごく個性的で、すごく気に入りました。
それに、第二次世界大戦の終戦の年の時計。以来日本は平和で、世界でも世界大戦は一度も起こっていません。家庭内の平和を祈る、こんなにぴったりな時計はないのではないか、と思ったわけです。値段、50万円。それぐらい、300万円の指輪買ってもらうんだから安いものだ、と思いました。この時計なら。
ただ、気になったのは、彼が「電波時計好き」なこと。革ベルトが嫌いなこと。手巻きなんて最悪だと思っていること。でも、そんなの無視したっていいくらい、私はこの時計が気に入りました。だから、この時計を取り置いて、パンフレットをもらい、彼にパンフを接写して送ったんです。「どお?」と。
そしたら、彼が怒り出した。「時計は正確なのが一番だ。電波時計が高いんだったら仕方ないけど、2日に一回、竜頭を巻かなくちゃいけないような時計、クオーツにも劣るのに、そんなものに50万円も払うなんて馬鹿げている。そんなもの買うんだったら、オレはエンゲージリングの予算から50万円削る」とまで言う。でも、予算は350万円だから、ブルガリのリングは買えるもんねーーーっと思いながら
「黙って買っちゃったらどうする?」と聞くと
「すごい怒る。そんな使えないもの、絶対だめ。時計はずっと動いてないと必ず故障する。オレの嫌いな革ベルトで、いつも付けられなくて、たまに付けることになったら壊れてるなんて、何の意味もない」と。そうなのか。知らなかった。でも、再度説得を試みます。
私「でも、終戦の年なんて、家庭平和を祈るものとしていいじゃない?」
彼「そんなもの、祈らなくても大丈夫だよ。オレがけんかしないから」
私「でも、これから一緒に二人で時を刻みたいと思わない?」
彼「そんなこと、ダイヤにさしとけばいい」
私「ダイヤは時を刻めないよ?」
彼「時なんか、クオーツでも刻めるから心配しなくていい」
私「限定版で、世界に1945本しかないんだって」
彼「1945本もあるんだったらいらないじゃない」
私「でもさあ、すごいステキなんだよ、あんな時計持ってる人、絶対いないし、聞かれたりしちゃうかもよ?」
彼「聞かれたくないからいい。考えてみ?43型のプラズマテレビより、14型のブラウン管テレビの方が高価で、ちっちゃくて重いのがいいんだよ、なんて言ってたらバカだとおもうでしょ?それと同じだよ。そんな不便で時間が正確じゃない時計をありがたがるなんておかしい。もう、絶対いらないったらいらない!!」
・・・・・・・・・・・・とまあ、こんな具合で、全然だめ。なだめすかしてもダメ。あんまり言い過ぎるとホントに怒りそうなぐらいだったので、まあ、要らないっていってるものを無理矢理買うこともあるまいと諦めるに至りました。ああ、明日、オメガに電話して、お取り置き解除しなくては・・・。
でも、すごいステキなのに。普通っぽいけど個性的で、カワイイのに。
仕方ないから、革ベルトは認めさせて、日本で一番高価な革ベルトの電波時計を買うことにしようと思います。10万円ぐらいでしょうか。彼は「国が20億円はかけて建てた電波塔を使って時間を教えてくれるんだから、20億10万円みたいなもんだ」とか言います。まあ、それも考えよう、なのかなあ。
ちょっと不快な日記でした。
今まで、日記見せてもらってて、素敵なダイア巡りされてるようでいいなぁ♪って思って見てたんですが。。。
今日の日記を見る限り、自分の欲しい物は欲しい。のに、彼の欲しい物はあげないの?って思ってしまいました。
嫌がる彼にしつこく勧めてるのがとっても不快で。思いやりのない人なんだなぁって思いました。
ななさんは金額やブランドにとてもこだわりがある方のようですが、それに見合った女性でいて欲しかったな
投稿: yuki | 2008年2月28日 (木) 09:49
たしかにななさんのこれまでの日記は、金額やブランドなどステイタスにこだわる感じがして
私はこんな細くてキャリアで高級な女なのという自己主張が強い気がしますよね。
私も最初はえっ?て思いましたがそれもななさんの持ち味ですよ。
これからも今までのような日記が読みたいです。
投稿: まみ | 2008年2月28日 (木) 12:31
こんにちは AYAです
仕事先からこっそりコメントしてます。
ちょっと実家に帰っていて、パソコンが無かったので、来週から復帰しようと思ってました。
でも、擁護派として参上しちゃいました。
私はななさんみたいなブログ好きなのですが。
自分が庶民なので、こういう(私から見て)セレブな感じの人の、素の姿が見れるブログって、面白いですよ。
ななさんも、別に自慢したいのではなく、事実を素直に書いている感じがして、そういうのが好きでした。
どこの誰とも知れぬ私のコメントを信用してくれて、一生懸命ダイヤを探している姿にも、好感を持ちます。(本当に、嬉しいです)
まぁ、感想は人それぞれなので、どういう受け止め方をするかは決められませんが、こういう意見もあるということで。
ブルガリの指輪良いですね。またコメントさせて下さい。
投稿: | 2008年2月28日 (木) 12:44