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イージス艦事故:海保「けが人移送」も否定 虚偽上塗りか

 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故を巡り、石破茂防衛相らが海上保安庁の了解を得ずに航海長から事情を聴いた問題で、海保に「けが人と幹部をヘリで運ぶと事前に連絡した」とする増田好平事務次官の説明を、海保が否定していることが分かった。事実上の虚偽説明を釈明する次官の会見で、さらに虚偽を重ねた可能性があり、石破氏ら防衛省に対する批判が強まりそうだ。

 増田次官は27日の会見で、事故当日の19日午前、横須賀地方総監部から横須賀海上保安部に対し「救助活動で救命艇を下ろす際に負傷した乗組員1人と、部隊連絡のための幹部1人をヘリで搬送する」という連絡を行い、けが人は横須賀市へ、幹部は海幕へ、別のヘリで運んだと説明した。

 ところが、海保では、この連絡自体の確認ができず、19日午後、幹部1人(航海長)を搬送したとする事後説明については、海上保安庁が連絡を受けたことを認めたが、けが人の報告があったことは否定している。

 航海長の搬送については、実際には別々のヘリで行われていたにもかかわらず、海幕は当初、省内の幹部に対し「東京の医療施設に運ぶけが人の付き添いで航海長が同乗した」と説明し、この内容が報道されている。

 防衛省幹部の一人は「航海長を船から離れさせたことが露呈した当初、海幕は『航海長はけが人の付き添いだった』と正当化しようとした。実際には、けが人と航海長が別々のヘリだったため、報道された『同乗』という説明と矛盾が生じ、会見で増田次官が、けが人を運ぶ連絡もしたと主張せざるをえなかったのではないか」との見方を示している。

毎日新聞 2008年2月28日 15時00分 (最終更新時間 2月28日 15時12分)

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