イージス艦「あたご」就役
最新のシステム搭載
高度な防空能力誇る 後甲板にヘリ格も
3護群に編入、舞鶴に配備
舞鶴に向け出港する「あたご」。最新のイージスシステムとヘリ格納庫を備えている(3月15日、三菱重工業長崎造船所で)
艦旗授与式で「あたご」を背に整列、壇上の大前政務官に栄誉礼を行う隊員(3月15日)
平成14年度計画7700トン型護衛艦(DDG)「あたご」(艦長・船渡健1佐以下約300人)の引き渡し、自衛艦旗授与式が3月15日、三菱重工業長崎造船所本工場で行われた。
式には防衛庁から大前政務官、吉川海幕長、横山装備本部長、執行者の香田佐世保総監ら、三菱側から佃和夫社長以下造船所関係者など約600人が出席。引き渡し式に続いて大前政務官から船渡艦長に自衛艦旗が手渡された。
乗員に続いて船渡艦長が乗艦し、ヘリ甲板に真新しい自衛艦旗を掲揚。続いて乗艦した大前政務官が「本艦『あたご』は本日をもって3護群に編入される。隊員諸官が訓練に全力を尽くし、1日も早く護衛艦隊の第一線で活躍することを期待してやまない。一致団結、任務に精励し、よき伝統を築いてほしい」と訓示した。
「あたご」は「こんごう」型護衛艦4隻に次ぐ5隻目のイージス艦で、最新のベースライン7を採用したイージスシステムを装備、「こんごう」型以上の高度な防空能力を有するほか、将来的な艦載ヘリの運用に備え、後甲板にヘリ格納庫を設けている。「こんごう」型は弾道ミサイル防衛(MD)計画に基づき、高高度用の迎撃ミサイルSM3を順次搭載予定だが、現時点で「あたご」には弾道ミサイル迎撃能力はない。海自のイージス艦は、来年3月就役予定の「あたご」型2番艦「あしがら」を含め、6隻体制となる。
「あたご」は引き渡しの後、工場関係者らの見送りを受け、配備先となる舞鶴に向けて出港した。
◇「あたご」主要目▽基準排水量7700トン▽全長165メートル▽全幅21メートル▽深さ12メート
ル▽主機ガスタービン4基2軸▽10万馬力▽最大速力30ノット▽主要装備=イージス装置一式、VLS装置一式、対艦ミサイルSSM装置一式、62口径5インチ砲1基、水上発射管2基、高性能20ミリ機関砲2基▽乗員約300人。