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2007年10月31日
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淡路島内の関係先にも波紋「順心会」虚偽登記

2007/07/06

 元理事長が、約十億円の債務保証をしたまま失そうした特定医療法人社団「順心会」。同会が母体の順心会看護医療大学(淡路市志筑)にも、動揺が広がり、影響は島内各方面に及んでいる。

 元理事長は、大学設立準備財団の理事長を務め、島内初の四年制大学である同大学の昨春開学に尽力した。同大学の学校法人理事長を昨年十月まで務め、解任された。

 同会のある職員は「理事会や職員の意見を聞き入れない人だった。ワンマン経営で、地域の病院、福祉施設や教育機関を担う資質に欠けていた」と振り返り「退任後は、法人はいい方向に向かっている」と強調した。

 同大学の柴田恭亮学長は「現在の大学幹部は全く関与していない問題。大学の経営や教育には影響がない。安心してほしいと、学生に呼びかけたい」とした。同大は六日、学生と教職員の不安解消のため、状況説明を行うとしている。

未払い賃金返済命令 地裁洲本支部
別業者が立て替え 元理事長の親族の会社

 順心会元理事長の親族が経営する介護関連会社「ウェルケア」が、立て替えた職員給料などを踏み倒したとして島内の企業が民事訴訟を起こし、神戸地裁洲本支部(達野ゆき裁判官)は五日までに、返済を命じる判決を出した。

 ウェルケアを訴えたのは、淡路市志筑新島で住宅型有料老人ホーム「高齢者安心住宅サザンクロス」(入居者約九十一人)を運営する「ナーブ」。

 訴状などによると、ウェルケアは、同住宅(七階建て)の一階の一部をナーブから借りて訪問介護事業所を開き、入居者に介護サービスを提供していた。

 しかし、今年二月、ウェルケアによる介護職員の賃金支払いの滞納が発覚。職員の賃金立て替えの要請に、ナーブは入居者への介護サービス確保のため応じたが二、三月分の返済はされなかった。また、二月分の賃料も未納のまま。ナーブは六月、ウェルケアに対し、賃金未返済分や未納賃料計八百六十二万円の支払いを求め、訴訟を起こしていた。

 判決では、ウェルケアに約八百六十二万円の支払いなどを命じた。

 ナーブの木下紘一社長は「(ウェルケアを)信頼できる相手先と思ってきたので、経営危機を聞いて驚いた」。二月末で契約は打ち切り、三月からナーブは職員を継続雇用して訪問看護事業所を運営。入居者に影響は出ていない。「入居者やご家族に心配をかけずにすんでほっとしている」と話している。

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