札幌市の産婦人科の救急医療を担う「札幌市産婦人科医会」(遠藤一行会長)が、現行の当番体制は負担が重く維持は困難だとして、市に改善を申し入れていたことが分かった。改善されなければ、9月にも当番体制を辞退する意向で、市の産婦人科の夜間救急体制が機能しなくなる恐れがある。
市の夜間、休日の救急は症状の軽重によって「初期」「2次」「3次」の3体制に分かれている。産婦人科に関しては、土・日曜午後5時までは、当番医が交代で初期救急を担当。夜間については市の夜間急病センター(中央区)に産婦人科がないため、産婦人科医会所属の市内9病院が2次救急のほか初期救急も担っている。
産婦人科医会によると、急患に備えて担当医を配置するため人件費負担が重く、04年4月以降、所属していた12病院から3病院が脱退、残った9病院の負担が大きくなった。
同医会は2次と初期救急を分離して負担を軽減しようと、夜間急病センターに産婦人科医の配置を要望したが、市が新年度予算への計上を見送ったため辞退の意向を通告。市は3月に医師や学識経験者らとの協議会を設置、改善を検討する。
産婦人科医会の野田健副会長は「9月までは何とかするので、初期救急は夜間急病センターで対応してほしい」と話している。【内藤陽】
2008年2月28日