西北五地域医療を守る住民の会(津川信彦会長)など4団体は27日県に対し、鯵ケ沢町立中央病院の医師確保などで協力を要請した。「もはや自治体に医師確保は不可能」という団体側に対し県は「県と弘前大学への要請ではもはや足りない。町もわれわれと手を携え、取り組んでほしい」として、医師の勤務環境の整備や新たなルート開拓などにより踏み込んだ取り組みを促した。

 要望団体の苫米地宣廣県労働組合総連合議長が「自治体が(医師確保の)一義的な責任を取るのは不可能」と切り出すと、県側は「県と弘前へのお願いではもう足りない。われわれは県外に医師を求めて行っているが、(自治体側から)そういう話は聞こえてこない」と強い口調で返した。
 へき地医療支援、救急医療など幅広い役割を担う鯵ケ沢中央病院については「絶対残さなければならない」(県)という意見で要望団体と県は一致。県も弘大と協力の上で、町への助言や医師情報の提供、医師との個別交渉などを進めていると説明した。
 しかし、「医療については自治体は手の施しようがないのが現状ではないか」との団体側の主張に県が反発。医師確保のネックになる当直勤務についての工夫、県外への新たなルート開拓、うまくいっている県内外の事例の検証など、開設者が取り組める事項を挙げ、「医師と話し合う機会はわれわれが作れても、交渉は開設者がやる方が熱意が伝わる。ともにやりましょうと言っているわけです」と、自治体側により積極的な行動を求めた。
 団体側は、自治体に努力の余地があるとしても、県は全体の医師確保を考えるべきとして、開業医を取り込んだ協力態勢の構築などを要望した。