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電動車いすの死亡事故多発で国交省などが研究会
高齢者に人気が高いスクータータイプの電動車いすの死亡事故が多発していることが27日、経済産業省所管の独立行政法人「製品評価技術基盤機構(NITE)」の調べで分かった。昭和61年5月から今年1月末までに発生した事故83件のうち、約5割が死亡事故だった。事態を重くみた経産省とNITEは安全基準づくりを目指し、29日に国交省や警察庁など関係省庁や関係団体を交えた研究会を発足させる。
NITEによると、スクータータイプは「ハンドル型」と呼ばれるもので、「気軽に外出できる」として高齢者に人気。普及とともに平成15〜16年ごろから事故が増え始めた。83件の事故のうち死亡が40件、重傷は9件あり、転落や転倒の事故が多いという。
重大な製品事故の報告・公表が始まった昨年5月以降、経産省のまとめでも6件発生、このうち5件は死亡事故だった。昨年11月には富山県朝日町で、70代女性が県道を走行中に2メートル下の土砂置き場へ転落、死亡している。
経産省などによると、事故は高齢者が単独で行動している際に起きていることが多く、ハンドル操作ミスなのか製品不良によるものかなど、詳しい状況・原因が特定されないケースも多いという。
こうした状況を受け、経産省は来月末をめどに、市販されている電動車いすの実車テストなどを行いながら安全性の課題を研究会で見極める。
検討結果を踏まえたうえで、消費者の生命・身体に被害を及ぼさないよう厳しい規制が課される消費生活用製品安全法(消安法)の「特定製品」の対象とすることも視野に入れている。