ここから本文エリア 「県営プール存続を」2008年02月26日
◆利用者ら要望書 「ホテルありき」反発 老朽化した奈良市三条大路1丁目の県営プールを9月末で閉鎖し、その跡地に高級ホテルを誘致する意向を明らかにしたばかりの県。これに対し、プールの利用者らが25日、存続を求める要望書と約200人の署名を提出した。代替地はまだ決まっておらず、「移転する場所を確保するのが先決」「平城遷都1300年祭をにらんだホテルありきで、順序が逆ではないか」と反発。説明を求めた。 要望書を提出したのは、子どもを県営プールに通わせている親や利用者ら約10人。荒井正吾知事と矢和多忠一県教育長あてになっており、「突然で一方的な決定に大変困惑している」「新たな代替施設の建設場所や時期を明確にしない現状で老朽化を理由に撤去を行うことは、納得いかず断固反対」としている。 3人の子どもを県営プールに通わせている奈良市の主婦(42)は「子どもの通う中学には水泳部がない。遠くまで通わせるわけにもいかないし」と困り顔だ。 利用者の数は伸びている。昨年度は約5万人だったが、指定管理者制度の導入で営業日や遊泳時間が増えており、今年度は1月末ですでに6万5千人。県営プール支配人の藤本勲さんは、ドリームランドの閉園や民間プールの閉鎖なども影響しているのではないかと見る。 利用者側の代表を務める奈良市の無職、横田利孝さん(67)は「今後も署名活動を続け、3月中旬には改めて県に提出したい」と話している。 県は来年度中に新しいプールの整備計画を策定するとしているが、「オープンは2年先になるか3年先になるかわからない」(担当者)。 これまで開かれていた県の競技大会は、天理大学や橿原市営のプールで開くことができるよう調整している。水泳教室に通う約700人の今後の受講先については、県営プールを管理する民間会社などに紹介を依頼するという。 県営プールは74年にオープンした。日本水泳連盟公認で、広さ約1・9ヘクタールの県有地に屋外に50メートルと25メートルのプール、飛び込みプールと幼児用小プール、屋内に25メートル温水プールがある。年間を通じ、水泳教室や一般遊泳に利用されているほか、7、8月になると、県高校水泳大会や県中学総体などの競技大会に使われている。 マイタウン奈良
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