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楽屋ばなし:中村芝翫 9年ぶり「鈴ケ森」の白井権八

 ◇中村芝翫(しかん)

 3月の東京・歌舞伎座の夜の部で「鈴ケ森」の白井権八(ごんぱち)を演じる。逃亡を続ける美しい若衆で、雲助相手に立ち回った末、駕籠(かご)で通りかかった幡随院(ばんずいいん)長兵衛(中村富十郎)と出会う。

 1952年の夏の巡業で初演。99年に久々に演じ、今回はそれ以来となる。師匠である六代目尾上菊五郎に教えを受け、今回もその通りにつとめる。

 「『年をとったときに若く化けようとすると、かえって老けて見えるものだ』とおやじ(六代目)に教えられました。自然に演じたいですね」。六代目はひわ色の着付けだったが、今回は黒を着る。「『おまえとおれとは体形が違うんだから』と言っていました。私には黒の方が合うかと思います」

 襲いかかる雲助を次々と倒す、おかしみのある立ち回りも見どころ。「理屈なしに華やかにいたします」。公演中の11日に80歳になる。「体が弱くて病気ばかりしていた人間が、よくここまでこられたと思います」。3月2日から26日まで。問い合わせは03・5565・6000へ。【小玉祥子】

毎日新聞 2008年2月27日 東京夕刊

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