俺こと小野マトペ(22)が、大学生活と折り合いをつけつつショートアニメを制作していく事に関する制作日誌でしたが、今はグダグダです。始まりは9/11から。旧HP(廃棄)
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2008年02月27日 水曜日
■[web]美談について

文章に何が書いてあるのか分かるんだけど、文脈まで引いて見た時に何が書いてあるのか分からない文章だと思った。
脳内でまとまりそうも無いけど書く。
ニートの19歳女の子を札幌『紀伊国屋』に連れてったら泣かれて改心した話*ホームページを作る人のネタ帳
「事実か創作かは関係ない」か?
klovさんは
「水からの伝言」などの似非科学を用いた論法と同一視する人も居るけれど、それも若干違うと思う。似非科学の非難されるべき点は、科学という既に体系だった正統性を隠れ蓑のように装うことで自論の根拠としたことであり、「水からの伝言」という物語の正統性を、「科学」という物語の「外」に求め、かつその「外」との整合性を持っていない点で非難されるのである。
一方でこの19歳のニートの女の子の話は何か既存の正統性を装うことはしていない。この「物語」の正統性は、この物語の中にしか見出せず、物語の「外」に根拠を求めているわけではない。
事実か創作か、リアルかネットか - No Hedge!
と言うけど、俺は、全く同じロジックで19歳ニート少女の物語は非難に足ると思っている。確かに『ニート少女を紀伊国屋に連れて行って泣かれた』というストーリーは、外部に根拠を求めるような事はしていない。だけど、このエントリーの本来の*1目的は、「リアル(書店)にはネットにはない素晴らしさがある」という主張の陳列だ。そして、Yamada氏はその主張の強化に、ニート女子の美談を利用している。
Yamada氏は、この主張の根拠を「19歳ニート少女の美談」という外部に求め、かつその「外」との整合性を取れていない。
議論の混乱について
厄介なのは、Yamada氏の「美談」+「自説の開陳」という(問題のある)組み合わせによって、
- 主張の妥当性
- 美談への感動
がごっちゃに語られている事。というか、そう語らざるを得ない状況に読者が誘導されている事。このエントリーのコメント欄が顕著だ。
「感動しました!」
「良い話しです!」
「朝から素晴らしい話を読ませて頂きました」
…完全に論理が美談性に流されている。
Yamada氏は非常にうまく、巧妙に議論を混乱させたと思う。そして「リアル(書店)はネットにない素晴らしさがある。引きこもりだってその素晴らしさにはイチコロさ」という主張自体はきわめて一般的なばかりでなく道徳的で耳障りのよい題目だ。「いい話しなんだから野暮な事言うなよ!空気読めよ!」という人が出てくることになった。(弾さんはまあ、趣旨があんまり関係ないからいいけど)
BLOG15.NET : やっぱネガコメは自重するべき - livedoor Blog(ブログ)
404 Blog Not Found:NEET = Network-based Education, Employment, and Training
これでは議論にならない。Yamada氏は、もしドキュメントを伝えるのだったら、主張の喧伝を抑えるべきだった。妥当な主張を展開したいのだったら美談は省くべきだった。情報のデザインに理解があるのなら、余計な主張は説得力を損なう事が分かっていた筈だ。
ではなぜYamada氏は、敢えて主張を前面に押し出したのか。
それは、このお話がYamada氏が自分の主張を強化する為に作り上げた全くのフィクションだからじゃないの?という疑念を持ってる。
フィクションの可能性について。
このエントリー、3行読んだ時点で「何かおかしい」と直感するんだけど、何がおかしいのか分からないんですよね。なんとなくうさんくさい。全編に渡ってご都合主義が貫かれているように読める。でもそんな印象論じゃ話しにならないので、エントリーを何度も読み返してみた。以下に既にWeb上で指摘されている点を挙げる。
そしてセカンドライフで10万稼ぎ、googleを使いこなすという「バカじゃない少女」、一種の萌えポイントをアピール。
そしていちいちヒッキーとしてのベタな反応をする少女、あげく買った本はjavascriptとこれまたかわいげというかけなげさアピール。
(これがマニアックなプログラミングの本だとオタになってしまいだめ。HP作成本とかだとバカっぽいからダメ。
さらに数冊の中から一生懸命選んでる姿で幼女のようなかわいさアピール)
http://e0166.blog89.fc2.com/blog-entry-408.html
不自然なほど都合の良すぎる設定だという指摘。確かに、行動もキャラクターも不自然で全くリアリティを感じない。出来の悪いケータイ小説レベルだ。
「ネット書店とリアル書店は別物だ」っていう主旨(ちがう?)には同意だけど、これほんとに実話? 「図書券」っていま売ってないし。
はてなブックマーク - The Bookmarks according to takanofumio / 2008年02月26日
少女が図書券を送ってきたという描写への指摘。このコメントに対し、つじつまが合うように本文に追記が行われた。この描写に関しては、「本を買ってくれた目上の人に対して5000円の図書券を送るって意味分からない」という意見も見られた。そう思う。
月13万稼いでる。外に出て無いのに口座はどうしてる?Amazonでの買い物はどうやってる?クレカなら紀伊国屋で使えるのでは?代引きなら何でお金持っていない?(「立て替え」じゃなくて「借りる?」
はてなブックマーク - glcsのブックマーク / 2008年02月26日
お支払いの場面での疑問。確かにここでお金に不自由するのはおかしい気がする。クレジットカードを持ってきていなかったんでしょうかね。
「 2900 円の JavaScript の本が残りました。なかなか高くて私も泣きそうだ。」こいつ全然技術書買ってねぇな。
はてなブックマーク - babieのブックマーク / 2008年02月26日
ほんとうに。
SecondLifeで月13万。
文中ではさらっと流されていて気付きにくいけど、毎月13万を稼ぎだすという彼女のセカンドライフビジネスに関する記述が妙だ。
セカンドライフの話を聞くと、土地販売以外にも、お金を出して、様々な投資をし、そこからデザインしたアバターを他人に生産してもらい、その生産品を販売すると言う。
…うん、ごめん。全然わかんない。とりあえず土地販売とアバターデザイン・販売をしているらしい事は分かるけど、「様々な投資をし、そこからデザインした」てのが意味分かんないし(投資からデザインするって何?)、わざわざ「他人に生産してもらい」とあるけど、セカンドライフでデザイン・販売の他に「生産」に特別な人的コストが掛かるとは、聞いた事が無い。俺が一年前試したSecondLifeでは、一度作った商品は売却時にコピーが作られるから、コストの概念なんて無いし、「生産」なんて過程は存在しないよ。リアル世界じゃないんだから。
この文章を読んで「いい話しだな〜」って思っちゃった人は、ついでに「セカンドライフでは13万円も稼げるのか、大したモンだな」と思っちゃうと思うんだ。それって倫理的にまずくない?ビジネス上の参考にしちゃう人もいるんじゃない?ダメじゃない?悪質じゃない?これに関してはきちんと説明を求めたい。
「本題」について。
そんな感じで俺にはこの「19歳ニート女子」のストーリーがノンフィクションであるとはちょっと信じられないんだけど、まあそれはおいておくとして、本屋論の方。
この流れで何故かよくあるセレンディピティ賛美になるんですが、うーん、普通かなあ。かなりズレてるけど。まあ、本屋いいですよね。俺も技術的に何かの勉強を始める時は、3時間くらい本屋の技術書コーナーで立ち読みして概要を掴みますよ。というか手前味噌ですが、そこは俺は1年前にちょっとやったところでして。
小野マトペの業務日誌 Amazonのレビューをはてブ的に抽出するサイトを作ったよ。
Amazonの新着や人気のレビューが流れてくるというサービスで「知らない本との出会い」について考察と実装を行っているので、ご一読願えれば幸い。もちろんこのサービスがリアル書店並のセレンディピティを提供しているとは思っていないですが。UI的にも全然改良の余地アリですね。
俺の立場。
「全ての物語は政治である」という立場を取ったとしても、俺はこの物語はあまりにも杜撰で共感出来ないから、その旨を表明したかったよ。
自分のエントリーもかなり穴だらけだという事は(今回に関しては)自覚してるけどまあ今回はそんなに中立性にシビアにならなくていいかなという事でポスト
つーか論点ばらけすぎで語れない。
追記
例のエントリーの最後で何やら新しいブログの宣伝を載せていましたが、報告によると、たった一日でLDRへのRSS登録が100件を突破したそうです!
新ブログ一日でRSS登録者100超え。ありがとうございます。*ホームページを作る人のネタ帳
こちらの購読者が、おかげさまで公開1日目にして100を超えました!
(livedoorReaderユーザー数値)
こんな体験は初めてで、地味にブクマとは違う感動がありました。
これからも頑張りますのでよろしくお願い申し上げます。
おめでとうございます!!!!
■[web]追記。

なんかもう俺も疲れたしこのまま収束でいいかな、とも思ったんですが、ホームページを作る人のネタ帳の視野がものすごい大きかったので続ける。
あらすじ
今日の昼頃、ホームページを作る人のネタ帳の人からお返事エントリーを頂きました。ありがとうございます。
小野マトぺさんのセカンドライフの話がものすごい視野が小さいので返信します*ホームページを作る人のネタ帳
ですがなぜか、先ほど、エントリーがタイトルごとごっそり書き変わってしまいました。
でも、こんな事もあろうかと昼の時点でWeb魚拓を取っておいたので、今でも変更前の内容が閲覧出来ます。問題無し。
(cache)小野マトぺさんのセカンドライフの話がものすごい視野が小さいので返信します*ホームページを作る人のネタ帳
改変前のエントリーへのお返事
まず第一に、私のブログは『なるべく』記事の質を高めようと考えながら書いている。
その為、日常的にある事、例えば昨日はカレーを食べましたなどという話はしません。
当然、今回の話も、『美談』だから書いたわけで、『美談』に終わらなかったら書かなかったと思います。
http://e0166.blog89.fc2.com/blog-entry-411.html - 2008年2月27日 12:48 - ウェブ魚拓
彼女のような方を外に連れ出す事は別に美談でもなんでもありません。
http://e0166.blog89.fc2.com/blog-entry-411.html - 2008年2月27日 12:48 - ウェブ魚拓
どっちやねん
と、まあ揚げ足取りはこれくらいにして、肝心のSecondLifeの話。
彼女がとっている生産投資というのは、別に誰かにセカンドライフ内で生産してもらって、それを販売しているわけじゃないですよ。
私の説明不足は謝りますが、投資はセカンドライフにもしていますが、通常のネット内でのデザイナーや、エンジニアに対しての投資もあります。
この感覚はものすごい説明しにくいのですが、ネット=現実の彼女は、セカンドライフ=ネットという感覚を持っていると考える必要があるんです。
う〜ん。説明が下手でもうしわけない。
だから収益を上げているのも、簡単な仕組みではなく、緻密なんです。
よく分からない。元のエントリーもまとめると彼女の業態は以下のようなものらしい。
- SL内だけでなくSL外のデザイナーやエンジニアに対して「投資」もしている
- 「アバター」をデザインしている。(彼女が?外部の人間が?)
- 「生産」はセカンドライフ外の委託業者が行うらしい。
- その生産品を販売している
これをまとめると、「彼女、若しくは他の人間がデザインしたアバターを「生産」し販売するお仕事」らしいという事が分かるけど…。アバターってSecondLifeのあのキャラクターの事だよね。あれをどう「生産」するのか分からない。安直に人形化するんだろうか??でも、SL外といってもどうやらリアルは関係なさそうな素振りなので、Webに展開するんだろうか。アバターのブログパーツかなにかだろうか?ともかく、SecondLifeのアバターをモチーフにしたグッズ展開らしい。同種のビジネスとしては、アバターのTシャツを実際に製造してくれる滋賀の会社( http://tinyurl.com/2a2t2q )が近いのかなあ。でも、アバターと言ってるからなあ。ちょっとここはSecondLifeに詳しい人の見解が聞きたいですね。
でも、ここでの説明では、「私たちには理解出来ないともかくすごい事をやっているんですよ」て事にして逃げ切ってしまいたいYamadaさんの姿勢しか伺えません。
リアル世界じゃないんだからという一方的な視点を持っている小野マトペさん。
セカンドライフで稼ぐ為に、セカンドライフ内で全てやるという視点から一度外れる必要があります。
確かに小野さんのように、現実とネット(セカンドライフ)とを比較対象として考えるのは、私もそれまで同じでしたから、何も間違ってはいません。
ですが、彼女にとっては、ネットがリアルであり、その中にセカンドライフという販売ラインを持っているという点において、実生活として外にでて仕事をしている人達との根本的基礎概念が違います。
(略)
この感覚はものすごい説明しにくいのですが、ネット=現実の彼女は、セカンドライフ=ネットという感覚を持っていると考える必要があるんです。
う〜ん。説明が下手でもうしわけない。
だから収益を上げているのも、簡単な仕組みではなく、緻密なんです。
うん。全然わかんない。そんなファジーな話しされても、僕が聞いてるのは感覚の話じゃなくてビジネスモデルの話ですから。理解出来ないのは、受け取る方に問題があるからだというこういった態度は、情報商材の売り文句のようとも感じます。(これは印象操作です。)
改変後のエントリーへのお返事
こちらは、引用だけにとどめますね。
実際に頑張ってる子ですよ彼女。
それをあなたの視点で儲からんから、『存在しない』といいきるのをやめて欲しかったわけですよ。
私のネタが嘘っぱちだとか、見るに値しないとか言われてもさほどカッとしません。
ただ、ブログで思い切り『存在』否定しちゃダメだって。人として。
[修正]小野マトペさんに返信*ホームページを作る人のネタ帳
……人として。
*1:というか主題がブレすぎで本来かどうか分かんないけど
ネガコメ論について論じる為に、その具体例として元エントリを利用しただけであって、元エントリそのものについて論じたわけではありません。私のエントリの主旨はネガコメ論です。
念のためコメントさせていただきました。失礼します。
SLの話は今現在SLにいる人に言及してもらえばいいと思いますよ。無理にダウトに結びつけることはないと思います。
あとは、Yamada氏が言いたいことが全然整理されてないからパスです。やっぱり空中戦になってしまっていて、何もかもものすごく気持ち悪い。
> 本を買ってくれた目上の人に対して5000円の図書券を〜
のくだりは、私のTwitterでの発言です(たぶん) > http://twitter.com/rikuo/statuses/758756642
「悪質」を補強する為の現実味の無い登場人物ではないので、念の為。
ちなみに、5000円の図書券と書いたのですが、元記事では5000円分でしたね。額面5000円だとまとめ買いにしか使えなさそう。
…少なくとも私は思いませんでしたけど。良い話だと思ちゃった人ですが。
あとはChaborinさんと同意見。
id:kzysさんはアレだけ書店にバカバカしいほど蔓延ってるSecond Life本の現状が見えていないのか……
頭蓋骨の前面に二つついてるのは節穴だったのか?
というより炎上させてアクセスを稼ぐという方法を紹介する記事がたしかあったはず。だとすればまんまと釣られたようですね。
反論があればその反論のエントリーを書く、いつものパターンですよ。