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【ゆうゆうLife】医療 看取る家族への支援策(上)宿泊サービス (2/2ページ)
このニュースのトピックス:病気・医療
ふだん利用しているデイサービスセンターで宿泊できるのは、家族にとっては安心だが、錦織所長は「スペースや看護師の確保、それに見合う報酬がつくかどうかが課題だ」と指摘する。
宿泊については、まだ厚生労働省の研究事業の位置づけ。しかし、がんや難病などで在宅療養をする患者を対象にしたデイサービス事業は平成18年度に、「療養通所介護制度」として始まっている。
しかし、「療養通所介護推進ネットワーク」の調べによると、実施事業所は各都道府県で平均1、2カ所にとどまる。
理由について、同ネットの当間麻子代表は「受け入れ人数分のスペースと看護師が必要。訪問看護事業所が行うのが効率的だが、訪問看護事業所にはそれだけの場所がない」とする。
介護報酬は、送迎つきで利用者1人につき1万〜1万5000円(自己負担は1割)。しかし、錦織所長は「送迎のノウハウは訪問看護事業所にはない。介護事業所が連携することが必要だ」とする。場所を新たに設け、看護師を確保し、介護職と連携するには報酬が低いのではないかというわけだ。
「療養通所介護」については、ケアタウン小平デイサービスセンターでも、場所や人員配置が十分でなく、実施できていない。しかし、センターにベッドを設置し、通常のデイサービス事業として重症患者も受け入れている。
山崎院長は「自宅への往診や訪問看護と、一時預かりのサービスがつながってこそ、家族は心おきなく患者を託し、休息を取ることができる。こうした仕組みは、地域の各施設が連携すれば可能だ」。
冒頭で紹介した土井さんは「夫のように、予断を許さない状況では、預けるのも命がけ。夫の病状はもちろん、家族がどの程度、介護できているかを知っている施設だから、安心して任せることができる」と話している。