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【法廷から】飲酒で強制わいせつ致傷 婚約者「彼を信じている」 (1/2ページ)
女性にわいせつな行為をしてケガをさせたとして、強制わいせつ致傷の罪に問われた韓国籍の男性被告(27)の初公判と論告求刑公判を25、26日、東京地裁で傍聴した。公判前整理手続で、争点は被告は犯行時飲酒による心神耗弱状態にあったか−に絞られている。心神耗弱と認められれば、刑は軽減される。
起訴状によると、被告は平成19年10月2日夜、東京都港区のマンションの玄関ホールで、女性(34)の背後から抱きつき、その場に仰向けに押し倒してわいせつな行為をした。被害者は両肩打撲などの全治3週間のケガを負った。
罪状認否で被告は「記憶はないが、争うつもりは全くない」と述べた。弁護人は「心神耗弱を主張する。公訴事実は争わない」とした。
検察側の冒頭陳述によると、被告は被害者を押し倒して、約30秒の間、下半身を触っていたが、被害者が大声で抵抗したため、自分のバッグを拾って逃走した。被害者は被告を追跡し、途中で出会った男性2人の協力を得て、取り押さえた。
検察側は「被告には完全責任能力がある」と主張し、根拠として次の3点を挙げた。
第一に、帰宅する被害者にみだらな思いを抱くのは動機として十分に理解できる。第二に、周囲の状況を十分に理解して行動している。第三に、自分の行動が許されないとわかっていて、逮捕されまいと抵抗している。
被告は犯行当日の午後7時から、職場の上司と東京都品川区の居酒屋でビール1杯と韓国焼酎を720ミリリットル飲んでいた。その後、タクシーで東京都港区へ移動し、上司と別れた。犯行後約1時間の時点で、呼気1リットルあたり0・62ミリグラムのアルコールが検出されたという。
弁護人「酒は強い?」
被告「いいえ」
弁護人「どれくらい飲める?」
被告「ビールなら500ミリリットルで4杯。韓国焼酎なら360ミリリットル1本が限界です」
情状証人として、被告の勤めている会社の上司が証言台に立った。