KDDIがプリペイド携帯端末を無料配布していることが26日、分かった。同社は年度内にauブランドの携帯電話で3000万件の契約獲得を目指しており、契約者拡大が狙いとみられる。端末を0円で販売することは違法ではないが、総務省は「契約数を水増しするような販売方法は、市場競争の健全性を阻害する恐れがある」とし、対応を検討している。
KDDI関係者によると、契約獲得に向けた社員紹介キャンペーンで、500円分の通話ができるプリペイドカード付き携帯電話を端末代金も設定手数料(税込み4200円)も無料とする販売方法を導入した。先週には約1万5000人の社員全員が、知人や親戚(しんせき)へ斡旋(あっせん)するよう通知を受けたという。都内のあるauショップでも、プリペイド携帯に500円分のカードを付け、端末・手数料0円で提供していた。
これに対して、KDDI広報部では「社員紹介キャンペーンはauの携帯を試してもらうことが目的。auショップの販売政策は代理店が工夫して行っており、コメントできる立場にない」としている。
情報通信事業者協会が毎月集計している携帯電話の事業者別契約数によると、プリペイド携帯の契約数は各社ともおおむね減少を続けてきたが、昨年12月と今年1月はKDDIだけが急増に転じている。
プリペイド携帯は、カードを購入する形で通話料金を前払いして利用する仕組み。不正な転売や譲渡によって犯罪に悪用される例が相次ぎ、NTTドコモは平成17年3月にプリペイド端末販売を終了。KDDIとソフトバンクは本人確認を徹底して販売を続けている。
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