米軍キャンプ・フォスターとキャンプ・コートニーの海兵隊憲兵の日本人警備隊員延べ59人が、今月11日と12日の2日間、憲兵隊司令官の指示で拳銃を携行したまま施設外の民間地に出ていたことが26日、分かった。下地幹郎衆院議員(国民新党・そうぞう・無所属の会)が衆院安全保障委員会で質問。外務省の小松一郎国際局長は「日本人警備員が銃砲等を施設区域外で携行することは禁止されている」と述べ、米軍の規定に違反するとの見解を示した。基地問題や日米地位協定に詳しい本間浩法政大教授は「日本人警備隊が拳銃を携行し基地外にでることは、日本の銃刀法違反にあたる」と指摘した。隊員の一部は今回の問題を県警にも相談している。
関係者によると、隊員らは8日、小隊長から「日米の合意事項の変更で隣接する施設には拳銃を持ったまま移動できるようになった。この指示は司令官の公式な指示で、もし拒むなら行政処分、懲戒処分の対象になる。司令官は拳銃を携帯していない者を見ることを望まない」とする憲兵隊司令官名の指示書を見せられたという。
隊員らは指示に従い、11日の午前7時から12日の昼勤午後零時半までの間、拳銃を携行したままで国道や市街地を移動した。ゲート勤務員は各配置へ向かうため、移動巡視員はゲート勤務員のトイレ、昼食休憩時の交代やパトロールなどのため移動。拳銃には弾丸が装てんされたままで、移動は車のほか、徒歩でも行われた。移動距離はキャンプ・コートニーからキャンプ・マクトリアスまでの約2キロや、国道を横切るだけの短い距離までさまざまだった。
12日昼に、日本人のスーパーバイザーから「日米間で話がつまっていないので、延期する」と口頭で指示があり、拳銃の携行は一時中断されている。拳銃を携行して施設外に出た隊員は、11日がフォスター35人、コートニー8人、12日がフォスター12人、コートニー4人。関係者によると、通常は米軍憲兵隊員がマガジン(弾倉)を外して拳銃を箱に入れ、隊員とは別の車で施設間を移動するという。
(2/27 9:52)