土浦協同病院(土浦市真鍋新町)の手術ミスでつくば市下広岡の中根通夫さん(当時65歳)が死亡したとして、遺族が病院を経営する県厚生農業協同組合連合会に約6930万円の損害賠償を求めた訴訟で、病院側が2500万円を支払うことで先月、水戸地裁(坂口公一裁判長)で和解していたことが分かった。
訴状などによると、中根さんは03年10月、同病院で骨折した右足を固定する手術を受け、麻酔をかけられた直後に意識不明になった。医師は肺塞栓(そくせん)とみてカテーテルで血栓を砕いたが、回復せず多臓器不全で死亡した。遺族側は「医師が誤ってカテーテルで心臓を傷つけたことが死因の一つだ」と主張したが病院側は否定していた。
中根さんの長男剛さん(35)は「実質的な勝訴と受け止めている。ただ、病院側が最後まで真実を明らかにしようとせず憤りを覚える」と話した。病院側は「早期解決を目指して和解に応じたが、責任を認めたわけではない」とコメントした。【原田啓之】
毎日新聞 2008年2月27日