全盲を装った男が生活保護不正受給で逮捕 まだ余罪の疑惑あり


 
当て逃げされたと被害届けを提出、車の特徴に言及して御用に。
全盲の視覚障害者を装い生活保護費の一部を騙し取ったとして、25日、札幌南署に詐欺容疑で逮捕された同市南区在住の丸山伸一容疑者(50)。
南区役所の大内滋保護課長は、「昨年の夏前頃、『当て逃げをされた』と丸山容疑者から何度も被害届が出ていること、(全盲のはずが)当て逃げした車の特徴を話していたことなどを南署から伝えられ、警察と協議を重ねてきた。丸山容疑者に関しては以前から(視力の度合いに)疑惑があった。1月7日、南署から昨年10月に運転免許を更新したことを伝えられ、2月15日に不正受給の被害届を出した」と説明する。
札幌市の2006年度の生活保護世帯数は3万4,465世帯。24世帯に1世帯、36人に1人の市民が生活保護受給者の勘定だ。同年度の生活保護費不正受給件数は320件。総額約2億7,000万円にのぼり、1件あたり85万5,000円が不正受給された。
昨年は、滝川市の生活保護世帯の夫婦が、通院時の介護タクシー代など2億円超の通院費をだまし取ったとして逮捕されるなど、生活保護制度を悪用したケースが事件化している。
丸山容疑者は、1999年4月に「視神経炎、全盲」と診断され、市から視力障害1級の認定を受け、03年10月から生活保護を受給した。保護費には、障害者加算(2万6,850円)と1級認定者に加算される重度障害者加算(1万4,380円)も上乗せされていた。
南署の調べにより、丸山容疑者が昨年10月に運転免許を更新した際、視力検査で両眼あわせて「0.7」以上視力があったことが判明した。市はそれ以後の昨年11月から今年2月までに受給した障害者加算と重度障害者加算の総額16万4,920円が不正受給にあたるとして、被害届けを出した。
ところが、丸山容疑者は02年にも運転免許を更新していた。
大内課長は「今後の警察の調べで、02年の免許更新時に視力があったことが認定されれば、(生活保護が開始された)03年までさかのぼって返還を求めることを考えている。その場合、返還を求める不正受給額は約123万円になる」と話す。
また、南区保健福祉課の小枝敏克介護障がい担当課長は、「(丸山容疑者は)視力障害1級の認定を受けてから、福祉パスや日常生活用具などのさまざまな自立支援を受けている。外出時に付き添うヘルパーは月に50時間利用している。障害者でなければ、これらの支援は受けられない。警察の調べで目が見えると立証されれば、その時点までさかのぼって返還してもらう。目が見えることが確定すれば被害届を出す予定。(生活保護費は)税金で出している部分なので厳格に対処したい」と話した。
福祉パスは、2級以上の重度と認定された障害者に支給され、市内の交通機関をすべて無料で利用できるカード。南区保健福祉課では福祉パスの利用金額も返還請求する考えだが、使用履歴などはカードに記憶されないため、金額の特定は難しいという。










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