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フィブリノゲン:投与患者3700人分情報も所持…製造元

 薬害C型肝炎を引き起こした血液製剤「フィブリノゲン」を巡り、製造元の旧ミドリ十字(現・田辺三菱製薬)が、医療機関から投与に伴う副作用報告を受けた418人のほかに、急性症状がなかった3700人分の患者情報を持っていることが分かった。C型肝炎は投与後に急性症状がなくても感染している可能性があり、田辺三菱は1月から医療機関に情報提供を始めた。

 同社によると、患者情報があるのは87~92年の投与分。87年から加熱フィブリノゲンの供給が始まり、安全性確認のために投与者の経過観察をしていた。3859人の情報が集まり、急性症状があったと報告を受けた159人は、418人の感染者リストに入っている。残り3700人についても、投与日や投与医師名、患者のイニシャルか個人名が分かるという。

 同社は01年、厚生労働省が肝炎問題の検証をする過程で関連資料の提出を求められ、418人のリストは提出したが、未発症者は人数しか報告していなかった。

 3700人の中にC型肝炎の感染者がいるかどうかは不明だが、薬害肝炎訴訟弁護団によると、熊本県内の原告1人と、近く追加提訴する患者1人は、急性症状がなく418人リストの該当者ではなかったが、今年に入り医療機関から投与を知らされたという。同社は「3700人の情報提供は自主的なものなので、公表しなかった」と説明している。【清水健二】

毎日新聞 2008年2月27日 12時02分

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