現在位置:asahi.com>ニュース特集>イージス艦衝突> 記事 「適切でなかった」 防衛相、海保に無断の聴取認める2008年02月27日11時44分 海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」と漁船清徳丸の衝突事故当日の19日午前、海上幕僚監部があたごの航海長をヘリコプターで防衛省内に呼び寄せ、事情を聴いていた問題で、石破防衛相は27日午前の衆院予算委員会分科会で、海上保安庁に無断で行ったことを認めた。聴取は石破氏と吉川栄治海上幕僚長ら首脳が大臣室で行っていたことも新たに判明した。これまでの同省の説明では無断聴取を否定していたが、捜査を受ける側が「密室」で捜査当局に無断で聴取を行っていたことになり、石破氏らの対応への批判が高まりそうだ。 分科会で、高鳥修一氏(自民)が、航海長をヘリコプターで呼び寄せて事故当時の状況を聞いた経過を質問。石破氏は「結果論となるが、海保の了解を得ないで乗組員の聴取を行っていたことは、内部的な調査であったとしても、必ずしも適切ではなかった」と述べ、これまでの防衛省側の説明を翻した。 これまでの防衛省の説明では、海上幕僚監部があたごの衝突事故から約6時間後の19日午前10時前、航海長をヘリで東京に呼んで事情を聴き、石破防衛相にも直接報告させていた。同省幹部によると、航海長が同省に到着した後、石破氏は大臣室で海自トップの吉川海上幕僚長ら首脳とともに直接事情を聴いたという。 この経緯について同省は「航海長をヘリに乗せる前に、横須賀地方総監部が横須賀海上保安部に通報した」としていた。 さらに、防衛省は19日午後4時過ぎ、あたごに戻った航海長に、今度は電話で事実確認の問い合わせをし、このことも海保に断っていなかった。防衛省・海幕は「新たに何かを聞いたわけではない」と釈明したが、第3管区海上保安本部の幹部は「事実ならば、捜査機関としては望ましくない」。海上保安庁を所管する冬柴国土交通相は閣議後会見で「捜査権限がある私どもの了解を得てやるのが筋だ」と不快感を示していた。 一方、3管が調べたところ、出先機関を含め防衛省側からの事前連絡を受けた部署の確認はできなかった。19日午後、事後報告という形で防衛省から海上保安庁本庁に報告が入っていたことが分かったという。 また防衛省が、あたごの航海長の移送後に、海上保安庁に対し、「けが人搬送のためにヘリを飛ばした」と説明していたことも、海保関係者の話で明らかになった。 この事後報告の内容について、海保関係者は「防衛省側から、けが人搬送のためにヘリを飛ばしたという話があった」としたうえで、本当にけが人を運んだかどうかは不明としている。 PR情報この記事の関連情報イージス艦衝突
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