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妊婦さんも歯が命 口腔ケアで出産時のリスク軽減 (2/3ページ)
歯科治療が大事といっても、妊娠初期は流産の危険性や薬剤の影響も心配だ。宮川院長は「妊娠初期にたえられない症状があるときは応急処置のみをしてもらい、きちんとした治療は安定期に入ってから行った方がいい。歯科受診の際は、必ず妊娠していることを知らせ、治療のときに楽な体位で短時間ですむよう歯科医に頼むように」とアドバイスする。
産科と歯科の連携で、乳幼児の虫歯予防に効果を上げているところもある。
年間出生数1000人の産婦人科医院に併設するハロー歯科(岡山市)では、妊婦健診と同時期に妊婦歯科健診を実施し、治療やカウンセリングなどを行っている。また出産後も、母子の定期的な歯科健診を通して口腔ケアを指導している。
歯科疾患実態調査によると、3歳の虫歯経験者率は24・4%だが、同歯科の定期健診継続受診者は3・5歳で13・8%と全国平均の約半分だった。滝川雅之院長は「妊娠中の適切な口腔ケアは、丈夫な赤ちゃんの出産や子供の虫歯予防につながる。また子供の定期健診は予防が中心なので痛くなく、歯科恐怖も予防できる」と話す。
虫歯の原因となるミュータンス菌は、もともと赤ちゃんの口腔内にはおらず、家族、中でも母親の唾液(だえき)を介してうつることが多い。食べ物を噛み与えたり、スプーンを共有することが大きな要因になっている。
滝川院長は「口腔ケア習慣は母から子に伝達される。子供の歯を守るためにも、妊娠中からしっかりと口腔ケアに取り組んでほしい」と呼びかけている。