若手官僚らに「やる気」研修 人事院が08年度から2008年02月26日09時29分 官僚の皆さん、やる気を出して――。人事院は「キャリア」と呼ばれる1種採用の国家公務員を育成するため、08年度から新しい研修を始める。中堅職員を米国の行政機関に派遣する実務体験型研修と、若手職員対象のフォローアップ研修だ。民間企業の採用増や公務員の相次ぐ不祥事で、公務員の人気や士気が低下しかねないという危機感に駆られてのようだ。 実務体験型研修は、米連邦政府職員が日本の省庁で働く「マンスフィールド研修」の日本版。これまでの在外研修は研究や語学習得が目的だったが、初めて実際に米政府機関で働く。フォローアップ研修は入省3年目のキャリア約400人を対象に合宿形式で実施。省庁の垣根を越えて同期と議論し、理解を深める。 人事院がこうした研修を始めるのは「使命感に燃える優秀な人材が集まらなくなってきている」(06年度年次報告)との危機感がある。1種採用試験(行政・法律・経済区分)の受験者はバブル期後の「就職氷河期」は増加傾向にあったが、06年度はピーク時の96年度の約7割に。学生の志望先も法曹界や金融、シンクタンクなどが人気を集めているという。 社会保険庁の「消えた年金」問題や守屋武昌・前防衛事務次官の汚職など不祥事も絶えず、改めて公務員の使命や役割を認識してもらい、やる気を引き出す必要が生じた。 一方で、自らの役割をアピールしたい人事院の思惑ものぞく。人事院は22日には将来の幹部職員をキャリア以外から選抜するため、30代前半の職員45人が政策ディベートなどに取り組む2週間の合宿研修を報道機関に初公開し、PRに努めた。 PR情報この記事の関連情報政治
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