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海保「事前連絡ない」 海自説明と食い違い 航海長聴取

2008年02月27日01時24分

 海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」と漁船清徳丸の衝突事故で、防衛省が事故当日の19日午前、あたごの航海長をヘリコプターで同省内に呼んで事情聴取していた問題で、「海上保安庁側に事前に連絡した」とする防衛省の説明と、海保側の認識が食い違っていることが26日、わかった。第3管区海上保安本部は「事前連絡があったという確認はできず、19日午後に海保本庁に事後報告があった」「事前に連絡してほしかった」としている。

 19日午前の防衛省での聴取の際には、石破防衛相も航海長と会っていたことが新たに判明。19日夜には海上幕僚監部が3管側に連絡しないまま、あたごに戻った航海長らに電話で話を聴いたことがすでにわかっている。事情を聴かれた航海長は、衝突直前に交代した前任の当直士官。防衛省は2度にわたり捜査機関である海保に無断で、事故前の状況を知る責任者を呼び寄せたり、接触したりしていた疑いが出てきた。

 防衛省によると、海上幕僚監部が事故から約6時間後の午前10時前、航海長をヘリで海上から東京に呼んで事情を聴き、その後、石破防衛相にも直接報告させていた。同省は26日未明、「航海長をヘリに乗せる前に、横須賀地方総監部が海保側に通報した」と説明した。

 だが、これを聞いた3管が26日、横須賀海上保安部など出先機関を含めて調べたところ、防衛省側から事前に連絡を受けた部署は確認できず、19日午後になって防衛省から本庁に事後報告が入っていたことがわかったという。

 3管の幹部の一人は、「(防衛省には)組織としてつじつまを合わせ、隠蔽(いんぺい)や改ざんをした歴史がある。だから、よけいな心配を抱かせ、予断を許すという点では、きちんと報告してくれた方が良かった」と述べた。

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