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バイオ燃料 てんぷら油原料に/北海道・JAえんゆう 4月から本格生産
掲載日:08-02-26
北海道上湧別町のJAえんゆうは、使用済みてんぷら油を原料に、バイオディーゼル燃料(BDF)の生産を4月から本格的に始める。JAの石田静夫会長は「BDF生産は、道内のJA単位で小規模で行うことが大切。環境に優しく、急がれる取り組みだ」と意気込みを語る。JA単独の取り組みは道内でほとんど例がなく、注目される。
JAは油の回収ボックスを独自に作り、上湧別町と遠軽町のAコープ店、JA直営のコンビニ、レストランなど11カ所に設置。行政へのBDF生産の届け出も済ませた。上湧別町から指導を受ける一方、町、JAが一体となり回収体制づくりも確立しつつあるという。
回収した油の加工は、同町の北見農協連施設に委託し、町公用車やJAのフォークリフトで使う。年間を通して使用可能かなど、JAエコ推進委員会が調査する。BDF燃料は、気温が低下する冬は粘着力が強まるため、当面は夏場に使う計画だ。
またJAは、昨年9月に管内の農家に1ヘクタールのナタネ栽培を委託し、食用油の生産加工も合わせた栽培・採取の実証試験を始めた。収穫したナタネから食用油を作る菜種搾油機の導入を、新年度事業で計画している。
JAの吉田農夫雄組合長は「地球温暖化防止と、遺伝子組み換えの心配がない菜種油を供給したい」と語っている。