三菱トラック１３０台盗む　容疑で６人逮捕

　三菱ふそうトラック・バス製のトラック「キャンター」ばかりを狙って盗みを重ねたとして兵庫、岡山両県警は二十三日までに、窃盗の疑いで、住所不定、無職菅野茂樹容疑者（３１）ら六人＝いずれも一部起訴済み＝を逮捕した。駐車場や作業現場に止まっているトラックの鍵を壊してエンジンをかける手口で、両県内で約百三十台を盗んだとみられる。海外で人気のトラックといい、ナイジェリア国籍や韓国籍の男ら三人に一台十万円前後で売り渡していた。被害総額は約一億円に上り、近く最終送検する。

　ほかに逮捕されたのは、姫路市広畑区、自動車修理販売業児島孝彰（３８）▽同市夢前町、土木作業員小林健一（３５）▽神戸市西区、トラック運転手遠藤正男（３１）▽同、無職中嶌健一（３３）▽同、無職金谷豊弘（３３）の五容疑者。

　菅野、児島、小林の三容疑者と、遠藤、中嶌、金谷の三容疑者がそれぞれグループを組み、互いのグループに面識はなかった。大半が菅野グループの犯行で、遠藤グループは数件という。

　調べでは、菅野グループの三人は二〇〇六年十月から約一年間、姫路市やたつの市などの兵庫県西部と岡山県で、駐車場に止めてあるトラックの鍵をドライバーで壊すなどして盗んだ疑い。遠藤グループの三人も〇七年十月十四日未明、岡山県倉敷市の事業所から同様の手口でトラックを盗んだ疑い。

　盗んだトラックをナイジェリア国籍の男らが三木市内に借りた保管所に運び込み、一台五万-二十万円で売り渡していたという。

　買った側の韓国籍の自動車修理販売業の男は、盗んだ車と知りながら購入していたとして盗品等有償譲り受け容疑で逮捕。ナイジェリア国籍の二人は大麻所持などの容疑で逮捕されたが、トラック窃盗事件については、エンジン部分などを分解して自国にコンテナで送っていたことは認めたものの「盗品とは知らなかった」と話しているという。

(2/24 09:53)