人間に限らず、生き物のからだは、半年から1年もたつと、物理的な分子そのものは、新陳代謝して、まったく別のものに入れ替わっている。
つまり、分子のレベルでは1年もたつと、その人は「別人」ということになる。
なんだか不思議な感じがするが、人間という「固体」の中はそうやって大変なスピードで分子レベルでは「入れ替わって」いる。それが「生きている」という状態なのだ。
ということは、では「人間」とか「生き物」とか「自分」と呼んでいるものは、いったいなんなのだろう?確たる「固体」ではそれはないがゆえに、「生きている」わけだから。
たんぱく質の変化が常に起こって、入れ替わっているわけだから、人間というのは実は「人間」という固体ではなく「仕組み=システム」、あるいは「組み合わせ」という、抽象的なものにならざるを得ない。とりもなおさず、「自分」だと思っているものは、実は「自分」という固体ではなく、「自分」というたんぱく質の組み合わせ=システム、ということになる。
自分も、人間も、確たる「存在」とは、その抽象的なシンボルを組み合わせた「システム」である以上、非常に多くのシンボルが組み合わさった「抽象」以外ではない。
人間ってなんだろう?
生きているということは、いったいなんだろう?
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