いわゆる救急患者の「たらい回し」について総務省が各都道府県に出していた調査要請を受け、府消防室は25日、救急搬送における医療機関の受け入れ状況をまとめた。07年中に搬送された重症患者の1割以上について、複数の医療機関への照会が必要になっていることが判明。最も多い患者で14回の照会をし、搬送に135分かかっていたことも分かった。
まとめによると、07年の搬送患者は8991人で、このうち少なくとも1043件について複数回の受け入れ照会をしていた。また、搬送先が決まらず救急隊員の現場滞在時間が60分を超えたケースも13件あった。
14回も照会していたのは、発熱やけん怠感を訴えた40歳男性で、断られた理由は医師不在が5カ所、満床が4カ所など。続いて照会回数が多かったのは、脳疾患のため風呂場で倒れた72歳女性の10回、脳内出血の64歳女性の8回だった。この3人はいずれも生命に別条はなかったという。【山本直】
毎日新聞 2008年2月26日