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孤児訴訟終結 懇切丁寧な配慮忘れまい

 岡山、香川県の中国残留孤児二十七人が、帰国後の十分な自立支援策などを怠ったとして国家賠償を求めた訴訟で、孤児側は新たな支援策を盛り込んだ改正帰国者支援法の成立を受け、岡山地裁での訴えを取り下げた。これで四年間にわたる訴訟が終結した。

 新たな支援策では、これまで基準の三分の一程度しか支給されていなかった国民年金を、国が保険料を負担することで満額支給し、生活保護に代わる生活支援給付金を創設することなどが柱となる。全国で展開された残留孤児訴訟の大きな成果である。

 法律では日常生活、社会生活を円滑に営むことができるよう必要な配慮を「懇切丁寧に行う」ことも明記している。平均年齢が七十歳近い孤児たちにとっては約束が守られることが何より大切だ。

 孤児たちが訴えたのは、人間の尊厳の回復だった。戦前に旧満州(中国東北部)へ開拓団の一員として送り込まれ、終戦の混乱期の中で肉親と生き別れとなった。日中国交回復後にやっと帰国を果たしたものの、日本語が満足に話せないため、就職は困難だった。地域社会の中で外国人扱いされ、孤独や疎外感を味わいながら暮らしてきた。

 残留孤児への支援は、これからが本当のスタートだ。学校や社会教育の場で、孤児を生んだ歴史的背景などを教えることも必要となろう。二、三世への職業相談、充実した日本語教育、帰国者への心のケアなど家族を含めた生活全般への支援が求められる。地域では積極的に交流の場を設けて、孤立する人を出さない工夫も重要だ。

 安心できる老後を送ってもらい「日本に帰ってよかった」と実感できる環境づくりを地域で進めたい。



(2008年2月22日掲載)
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