中国製ギョーザ中毒事件

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中国製ギョーザ:日中、証拠交換へ 警察庁・公安部が合意

 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、警察庁は、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」中毒の被害状況と検出結果を中国公安部に伝え、証拠の相互提供など日本の捜査に協力するよう要請した。公安部も了承した。国をまたがる事件であることから、日中警察当局は今後、外交ルートを通じて証拠の交換を行う予定にしている。

 警察庁が中国側に情報提供したのは、千葉、兵庫で発生した3件計10人の中毒症状と、「CO・OP手作り餃子」「中華deごちそう ひとくち餃子」の2製品から検出したメタミドホスの付着状況など。製品の袋に開いた微細な穴などの特徴も伝えたとみられる。

 日本の政府調査団によると、中国公安部はすでに製造元の「天洋食品」工場の勤務体制を記録する人事管理簿などの関係書類を押収し、捜査を進めている。

 警察庁は、天洋食品の工場従業員らの聴取記録やギョーザの成分分析結果などが捜査に不可欠とみており、日本国内の捜査の進展をにらみながら、中国側に証拠提供を求める。

 政府調査団に対し中国検疫当局から提供される予定の▽生産管理記録▽工場に残っていた千葉や兵庫事件と同じ製造日のギョーザ、包装紙の試験結果▽従業員、ドライバー、検査関係者への聞き取り調査の資料--などについても捜査の参考にする予定だ。

 日本側の捜査は千葉、兵庫県警が殺人未遂容疑などで共同捜査本部を設置。輸入業者らに対する聴取を進め、日本側流通ルートでの混入の有無を確認する。また、メタミドホスの成分を分析し、不純物の含有割合などの特徴から製造地域を割り出す方針。これまでの捜査で中国側工場で混入した可能性が高まっていることから、中国当局に要請して、現地で流通する殺虫剤を取り寄せることを検討している。【遠山和彦】

毎日新聞 2008年2月11日 2時30分

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