憲法を歩く 施行60年
第4部は「貧困と労働」の現場ルポ
【社会】元養護学校長降格 都教委の懲戒取り消し 「裁量権違法」東京地裁判決性教育是非触れず2008年2月26日 07時12分 性教育の在り方をめぐり、東京都議会で一部議員から問題視された都立七生養護学校(日野市)の元校長金崎満さん(60)が、別件で停職一カ月とヒラ教諭への降格の処分を受けたのは不当だとして、都に処分取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は二十五日、処分の取り消しを命じた。 渡辺弘裁判長は「個別指導が必要な情緒障害児について、ほかの生徒の安全確保や情緒の安定化を図るため柔軟な学級運営を立案し、都教委も認めていた。直ちに虚偽報告だったとは言えず、懲戒理由の事実は見当たらない」と述べ、虚偽の学級編成を報告したとする都教委の処分理由を「事実誤認」と退けた。 金崎さんが校長の権限を越えて職員の休憩時間を割り振ったことは認めたが、「これらを理由としても処分は重きに失する。(都教委の処分は)裁量権の行使を誤っていて違法」と断じた。 金崎さんは「処分の本当の理由は同校で行われていた性教育にあり、都教委は『行き過ぎた性教育』として問題視していた。別件による処分だ」と主張していたが、判決は性教育の是非については言及しなかった。 判決後、記者会見した金崎さんは「都教委のずさんで強引な処分を厳しく断罪した」と判決を評価しながらも、「別件処分の違法性には触れず、判断を回避している」と不満を述べた。 さらに「都教委がマスコミに処分理由を発表した際、『不適切な性教育』を真っ先に挙げたのに、実際には性教育は処分の対象外だった。行政による公教育への不正介入を恐れたのだろう。姑息(こそく)なやり方だ」と痛烈に批判した。 同校の性教育は、二〇〇三年の都議会で一部都議が「世間の常識とかけ離れている」と批判したのを機に問題化した。 ■内容を確認し対応■ 東京都教育庁の話 大変遺憾だ。判決内容を確認して、今後の対応を検討していきたい。 (東京新聞)
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