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日銀同意人事、所信聴取を公開 民主要求通る

2008年02月26日00時02分

 日本銀行総裁の同意人事に向けた手続きが最終的に決まった。衆院の笹川尭、参院の西岡武夫両議院運営委員長が25日、国会内で会談して合意した。調整が残されていた候補者からの所信聴取については、衆参両院の議運委で公開で実施し、その後、非公開で質疑を行う。これを受け政府は、近く後任人事案を国会に提示する方向で調整に入る。

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日銀人事決定までのプロセス

 笹川、西岡両氏が交わした合意文書によると、所信聴取は総裁候補のほか、2人の副総裁候補にも実施。質疑は総裁候補に対し1時間、副総裁候補に対し30分ずつ、懇談形式で非公開で行う。所信聴取と質疑の議事録は「できるだけ速やかに各党に配布し、公表する」とした。このルールは人事院人事官(3人)、会計検査院検査官(3人)、公正取引委員会委員長にも適用する。

 これまでこうした人事では、議運委理事会で非公式に「所信聴取」が行われ、その内容も非公開だった。しかし、民主党などの要求でルール化され、冒頭発言は公開に。議事録も「任期満了後」としていた当初の与党案を撤回し、民主党の提案を受け入れた。

 政府は25日夜の福田首相の帰国を待って、後任人事案を最終的に確認する。公明党の北側一雄幹事長は同日、自民党が民主党側に武藤敏郎副総裁の昇格案を非公式に打診したことを念頭に「水面下でやっていたようだが、らちが明かない。時間もないので政府として(報道されている)案を提示することになった」と記者団に述べ、武藤氏昇格案を提示するとの見通しを示した。

 一方、民主党は正式に人事案の提示を受けてから、党内手続きに入る。所信聴取では、日銀の超低金利政策が長期化したことに対する評価などをただす意向だ。その結果を中心に、党同意人事検討小委員会が経歴や過去の言動なども検討し、適任かどうかを判断。小沢代表や鳩山由紀夫幹事長ら衆参の幹部12人で構成する国会役員会が、小委員会の報告を踏まえて最終決定する。

 小沢氏は25日の記者会見で「国会役員会で決める手続きなので、そこで最終的に決めたい。みんなで従わなければ、民主主義は成り立たない」と強調した。

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