何故、漁船は大型船の舳先を横切るのか
イージス艦事件なんだが、相変わらず2ちゃんころではネットウヨクが「ギョーザ事件を隠蔽しようという中国の陰謀で、漁船員はどこかに隠れている」とか「軍艦が優先でなきゃオカシイ」とか書き込んでいるんだが、大臣が漁協まで行ってアタマを下げているという状況ではさすがに「漁船が100パーセント悪い、軍艦は悪くない」とは言えなくなって、「いや、それでも漁船も悪いはずだ」論に変わってきているんだが、まぁ、アレだ、
マナーとしては、漁船が悪いというのはおいらも否定するつもりはないし、おいらたちヨット乗りがそんな乗り方しないというのも確かなんだけどね。で、今回は
何故、漁船は大型船の舳先を横切るのかという件について書いてみる
これについてもネットでは「漁船のあいだでは自衛艦の直前を横切ると大漁だという迷信がある」とか書かれているんだが、おいらはそんな話は聞いた事がないです。ただ、一般論として、小型船が大型船をかわす場合、実は
舳先を横切ってかわすのが一番安全だというのがあるわけだ。というのも、大型船と平行に近づいてしまうと、引き寄せられたりして危ない。ここんとこ、船舶免許の試験に出るので覚えておくように。また、後ろを通ると引き波で煽られて危ない。だからって直前を横切るのが安全だとは言えないが、少なくとも巨大船というのは急にスピードを上げる事も出来ないので、後ろを横切って二度も引き波で煽られるよりは安全なわけだ。
上の写真はコンテナ船なんだが、こういう船は異常にスピードが速くて、最高で30ノット近くも出るという話もある。海上で時速60kmといったら大変なものなんだが、おいらの帆船は暴風雨に近いような強風でフルセールにしてマストが折れそうにギシギシ鳴って、やっと8ノットくらいです。比較にならん。海上では常に、もっとも遅い船なので、いつも相手を待ってやり過ごします。漁船もエンジンが大きいので、20ノットくらいは平気で出せる。潰れた漁船のエンジンも1500万円だそうだが、「異常に高いんだが、工作船?」と書いてるヤツがいて笑ったんだが、漁船はエンジンでかいです。7トンの漁船で1500万円は普通です。で、イージス艦は軍事機密なので不明なんだが、まぁ、同じく20ノットくらいか? ただ、事故が起きた場所は東京湾の入口にあたり、商用大型船の船長でも慣れない人だと動けなくて停まってしまうくらい通行量が多い。時刻も、もっとも混雑する時間帯であり、まぁ、タンカーだとか巨大コンテナ船だったらスロースローで露払いに邪魔な船をどけさせながら、霧笛鳴らしながらソロソロと進行するという感じなんだが、自衛艦は自動操舵だったので、クルージング・スピードの10ノットくらい出していたらしい。ハーフスロットルだな。そのスピードって、どうだったのかね? という話もあるんだが、ここでまた問題が。
千葉県・房総半島沖で、海上自衛隊のイージス艦「あたご」が、マグロはえ縄漁船「清徳丸」に衝突した事故で、事故直前の速度や方位などを記録する航海情報記録装置(VDR)を、あたごが備えていなかったことが分かった。装備義務は三千トン以上の貨物船などに限られ、自衛艦に装備は義務付けられていない。専門家らは「装置に記録されている情報は原因究明に不可欠だ。捜査への影響もあるのではないか」と指摘する。
VDRは、二〇〇六年の船舶安全法の改正以降、国際航海に従事する三千トン以上の船に装備が義務化された。航空機事故の際、事故原因の解明に役立つフライトレコーダー(飛行記録装置)と同じように、事故直前の速度や方向、船内での会話などを記録する。
しかし、自衛艦の場合、船舶安全法が民間船を前提とし規定から除外されているため、VDRの装備は義務付けられていない。
民間だったら3000トンの船でも付けている航海情報記録装置を、イージス艦が搭載してない、という問題が出てきたわけだ。こないだ書いたように、
自衛艦は動く治外法権なので、民間で義務づけられているモノも装備してないわけだ。で、ネットでは漁船が国際VHFを装備してない、とか、救命筏が見あたらないとか、救命胴衣も付けてないとか言ってる人がいるんだが、どれも、義務付けられてない。おいらの帆船にはどれも装備しているし、大瀬崎より外に出る時は救命胴衣も付けるけど、法律的には必要ないのだ。救命胴衣は、ヨットや漁船のようにやたらロープ類が多い船だと、引っかかって危ないという事もあって、よほど海が荒れない限り着用しない人が多いね。
以上、船乗りだったら常識的な事なんだが、意外に知らない人も多くて、「何故、前を横切った」という書込みが多いので解説しておきます。
。
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下記アップしました。
初期報道のキャッシュまで消すことはないと思いますよ。イージス艦事故関連、漁民の声や哲大さんがホームレス支援してた話しとか。
http://yuhodo.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_dac5.html
投稿 SOBA | 2008/02/22 07:08
船舶免許を持っていない、取ろうとした事もない、知ったか連中が書いているということですな、2ちんこはw
投稿 四級 | 2008/02/22 07:17
あたしゃディンギー乗りですが、死にたくないのでライジャケ必須です。
動きづらいのは理解できます。安全基準通って無いけど動きやすいライジャケが人気だったりします。
けど、泳げない漁師ってのも笑うけど、それがライジャケ着てないって、風速トップで15mの時にジャイブに失敗して半沈こいて、無理やり起したらウィスカーが水すくってマストへし折れてたスナイプ乗りとしては信じられないです。
#学生当時の話。ちなみにレスキューボートに曳航されて帰りました。
「あいつら船に乗る資格無い」とか仲間の漁師が言ってたのが放映されましたが、泳げないくせにライジャケ着ないヤツはどうよ?それとも漁師はそれが常識?まさかライジャケ着るヤツはチキン野郎とかそういう事?と思ってしまいます。
投稿 七面鳥 | 2008/02/22 07:29
大型船ほどやたらとは転針しないので
その接近に気が付いていれば避けやすいです。
逆に小型漁船が針路を定めずにフラフラと
接近してくる状況が一番怖いですね。
館山には二度ほど渡った事がありますが、
航路を横断してくる沢山の漁船、
放射状に広がって航路を曲がってくる小型貨物船の群に
遭遇して、
どちらに避けたら良いのかパニックになりそうでした。
大型船はチョコマカ転針しないで、減速して真っすぐ進んでいるのが
他の船にとっては一番安心なのです。
漁船は横断の間合いを間違ったのだと思います。
愛宕の最大の落ち度は霧笛を鳴らさなかった事。
投稿 海坊主 | 2008/02/22 08:36
この件に関する野次馬さんの見識はすべて正しいですm(_ _)m
もし、わたしの漁師町で同じ事件が起きたら、当事者以外の町民はみんな、事故った漁船に対して「馬鹿だなぁ」ですね。
投稿 落書一郎 | 2008/02/22 09:10
あたごってガスタービン船でCOGAG
(Combined Gas turbine And Gas turbine)なのよ
同種または異種のガスタービンエンジンを複数組み合わせた推進方式のこと。主に艦船で使用される。
http://ja.wikipedia.org/wiki/COGAG
これでもまだましなシステムで
こんなシステムものあるのよ
COGOG(Combined Gas turbine Or Gas turbine)
になると余計むずかしいのよ
ガスタービンエンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
[編集] 船舶
[編集] 軍用艦艇
軍艦に於けるガスタービンエンジンは、航空用エンジンを舶用に転用したエンジンの採用が艦艇を中心に広まり、近年では高速性を重視する艦艇にも採用が進みつつある。
軽量大出力の艦艇用機関としてガスタービンエンジンを最初に採用したのはイギリス海軍で、1958年に進水したブレイブ級哨戒艇にブリストル・シドレイ社 (Bristol Siddeley) のプロチュース (Proteus) が採用されている。大型艦艇での採用は旧ソ連海軍とイギリス海軍が先鞭をつけた。1962年から建造が始まった旧ソ連海軍の満載排水量 4,510 トンの61型(カシン型)ミサイル駆逐艦は世界初のガスタービン推進の大型艦となった。イギリス海軍は1966年にブラックウッド級 14 型フリゲートの一艦をロールス・ロイス社のオリンパス TM1A とプロチュースによる COGOG 推進に改造して試験に共した。以後のイギリス海軍ではガスタービンと蒸気タービンとの組み合わせによる COSAG 推進艦を経て、1973年のアマゾン級 21 型フリゲートや1975年の 42 型駆逐艦でオール・ガスタービン化されている。1980年に竣工した満載排水量 20,500 トンのインヴィンシブル級航空母艦はオリンパス TM1B を4基用いた COGAG 推進艦で世界最大のガスタービン推進艦となった。
これらの国々に続いてアメリカ海軍では1973年に一番艦が竣工したスプルーアンス級駆逐艦や1976年に一番艦が竣工したオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートがジェネラル・エレクトリック社製の航空エンジンである CF6-50 を舶用に転用した LM2500 ガスタービンによる COGAG 推進を採用している。
海上自衛隊では、昭和29年度計画乙型駆潜艇はやぶさに防衛庁技術研究本部が開発し三菱長崎造船所が製造した MUK501 がディーゼルと組み合わされ (CODAG) 試験的に搭載された。その後、長らく蒸気タービンとディーゼルが主機に採用され続けたが、いしかり型護衛艦、ゆうばり型護衛艦が CODOG 推進艦として建造され、護衛艦の主機にロールス・ロイス社のエンジンが採用された。1982年に一番艦が竣工したはつゆき型護衛艦では巡航用にタイン RM1C を 2 基、高速用にオリンパス TM3B を 2 基使用する COGOG 推進が採用されている。エンジンは川崎重工業がライセンス生産した。続く1988年のあさぎり型護衛艦ではスペイ SM1A を 4 基組み合わせた COGAG 推進が採用された。エンジンは川崎重工業がライセンスをうけて生産した。1996年に一番艦が竣工したむらさめ型護衛艦とその改良型であるたかなみ型護衛艦はロールスロイス社のスペイ SM1C とジェネラル・エレクトリック社の LM2500 を採用した世界的にも珍しいメーカーの異なるガスタービンエンジンの組み合わせによる COGAG 推進艦である。このように現代の艦艇ではガスタービン主機が主流となっている。
旧ソ連海軍やイギリス海軍ではいずれも軽量大出力であること、従来の艦艇用主機に比べて整備性が良いこと、出力の増減が迅速に行える点が評価された。一方で、ガスタービンとスクリューではその回転数が極端に異なるため巨大な減速ギアボックスが必要なこと、およびガスタービン主機は燃費が悪く、運転条件によっては多量の燃料を消費するなどのマイナス面もある。過去にカシン型は日本海で燃料切れを起こして立ち往生する事故を起こしている。またガスタービンエンジン搭載艦は従来の蒸気タービン、ディーゼルエンジン搭載艦と比べると大量の給排気、高温の排気、小型軽量であるがゆえの重心上昇などの点を、艦艇の設計にあたって留意する必要があり艦容に大きな影響を与える。
アメリカ海軍では下部が軽くなった分を下部構造を強化して重くし上部構造を軽合金で製作するなどして補正した。ただし軽合金製上部構造はフォークランド紛争やアメリカ海軍の火災事故などでの被害拡大の要因となったとされ、護衛艦では鋼製に戻されている。大量の給排気は煙突と給気筒を大きくすることで対応する。このためガスタービン搭載艦の煙突は太く短い物が多い。高温の排気については煙突からの排気の下流に物を置かないなどの対処がとられる。また蒸気タービン搭載艦などに流行したマック(マスト+スタック(煙突)の造語。両者の機能を併せ持つ構造物)はガスタービン搭載艦では見られなくなっている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
ガスタービンは回転数が高いだろ ?
減速機が大きいから推進力を得るには減速比を大きくせんといかんから
後進させる為には気をつけないと壊しちゃうわけよ
だから大型船のエンジンは燃費対策で2サイクルディーゼルで回転数が低いのでエンジン操作が楽なのよ。
船乗りなら当然知っていると思うが・・。
投稿 その筋さん | 2008/02/22 11:55
オイラは雲霞のごとく湧いたヨットに囲まれて身動き取れない亀甲縛りに3あったことがあるぉ。
どれもちっこいヨットで操船しているのが子供が多い、しかも、無風。
動くに動けないので、諦めて30分くらいタバコをすって待ったことがある。
まぁ、あれです。
片一方にでも常識あれば、衝突するなんてリスクは軽減できると思うのだけどね。
結局、どちらもDQNでOKでそ。そして片方だけを一方的に批難するのもDQNでそ。
投稿 , | 2008/02/22 12:28
”イージス艦は軍事機密なので不明なんだが、まぁ、同じく20ノットくらいか?”
軍艦なので30ノット以上でます、軍艦で20ノットと言えば、商船構造の補給艦とか輸送艦クラスです。
投稿 t_kon | 2008/02/22 13:47
私はよく海外でアイランドホッピングなんかで小型ボートに乗ることが多いんですが、大型船が近づいてくると何分か前から波がだんだん近づいてきて自分の船の周りがうねりになるようなことがよくあります。
亡くなった漁師のお父さんのほうは漁師歴50年とかでしょう。それならあんなイージス艦のような巨人みたいなのが来たら何分も前から大波が来て何と無く気配でわかるってことはなかったのでしょうか。しかも舵を切ったとかですが、衝突寸前で切ったなんて本当にプロの漁師なんでしょうか。海の専門知識と操縦技術って体で50年間覚えているものだと素人ですが、思うんですけど。どっちに避ける義務があったかどうか等の法律論云々あるでしょうが、素人目に見てもあんな巨大な船がきたら事前に余裕をもって避けないとひとたまりもないのは誰だってわかるものです。イージス艦の見張り体制やレーダーの性能はともかく、被害にあった小さい船から巨大なイージス艦が視界に入っていなかったのか不思議です。
しかも若い息子のほうは水泳が得意ではないのにライフジャケットをつけていなかったとか。
自衛隊側に突っ込みどころが満載なのはわかりますが、ことさらにお涙頂戴路線、亡くなった親子の一族郎党を出演させるメディアの報道や、防衛大臣辞任だ等の政治のかけひきにはうんざりしています。この事件の本質にホームレスに年2~3回お魚をプレゼントしていたかどうかなんて一切関係ないのにです。
投稿 素人ですが | 2008/02/22 14:00
海の三大DQN・・・・海上自衛隊、漁師、ジェットスキーですからねww
どれも近づかない方が良いのは常識ですよ。
自衛隊が問題なのはぶつかった後の対応ですよ。
いかにも公務員な対応。
大体、両方動いてて大きさが10倍も違えばスタボーもへったくれも無いですよ。小さい方が避けるしかないでしょ。
ホント偏向報道にはうんざりですよ。
投稿 海DQN | 2008/02/22 20:45
アメリカだと、こういう場合『ヒューマンエラー』として扱い、
事故の起こるメカニズムを追求するのだが、
日本の場合、『誰を吊るし上げるか』『誰に責任を取らせるか』が焦点になる
ましてや、自衛隊の事故だからなおさらだ。
駅前で、日教組と社民が、今回の批判を繰り返しているが、うるさくてかなわん
防衛庁が防衛省に格上げになった後の事故でよかった。
やはり、安倍さんはいい仕事をしていると改めて認識する次第である
投稿 冥土かふぇ | 2008/02/22 23:29
なんかその筋さんが考えているよりも
2ストロークディーゼルって手が掛かるようなんですけど
http://homepage2.nifty.com/go_tokyo/309f_lif.htm
それにあたごの推進器は可変ピッチプロペラですよね?
投稿 k | 2008/02/23 00:35
これがもしも「あたご」ではなくって親善訪問に寄港しに来た
外国の軍艦だったらどうなってたんでしょうね?
国際法では軍艦に優先権がありますからまっすぐに行っちゃうと思いますけど。
石破防衛相は「大きな船だから向こうが避けるだろう、では法令が順守されていることにならない」
って言えるのかな?
投稿 kkk | 2008/02/25 16:01
>国際法では軍艦に優先権がありますから
ないよw
そもそもレーダーでは軍艦かどうかは判らないw
肉眼で判別できるような距離から回避行動取ったのではもう遅いw
投稿 野次馬 | 2008/02/25 16:05