21日、長年インスタントカメラの代名詞と言われたポラロイドを販売してきた日本ポラロイドが、自社のウェブサイトで「この夏までにポラロイドカメラ用のインスタントフィルムの生産を終了する」と発表しました。
ポラロイド、歴史に終止符(撮影:森直央) 昨年6月、三田典玄記者は、同社のピンホールカメラについての記事を書かれた際、「アナログ方式カメラの生産・修理受付の終了」について書いておられましたが、使えなくなる時が近づいていることをお嘆きのユーザーもいらっしゃることでしょう。 ポラロイドのインスタントフィルムは1990年代後半から2000年代前半がピークでしたが、同社がフィルムの生産打ち切りをこの時期まで先送りした理由には、それなりの需要がありました。医療や顕微鏡用カメラ、警察の捜査証拠など、ありのままの画像を必要とする分野での需要があったからです。 ただ、デジタルカメラが完全に写真の主導権を得た今、ポラロイド社はある試みを具体化しようとしています。それは、システムそのもののデジタル化でした。 ポラロイド社はアメリカ生まれですが、そのアメリカ法人の創業者であるエドウィン・ハーバード・ランド氏は、「将来のインスタントカメラのデジタル化を想定していた」と言われています。 この夏には北米市場向けに、「インクなしで出力出来るプリンター」を内蔵したデジタルカメラを発売する予定といいます。言うなれば、「デジタルポラロイド」ですね。早く日本市場にも登場してもらいたいものです。 写真の主導権を握るとされるデジタルカメラの場合でも、別売プリンターで出力したり、銀塩カメラのように記録媒体をカメラ屋さんや写真屋さんに持っていって現像してもらったりなどの手間が掛かっていることは事実です。 インスタントカメラのデジタル化が、デジタル写真を簡単に撮影できる機会を増やしてくれればと思います。 |