厚生労働省は2月25日、入院や手術による治療が必要な患者の受け皿となる2次救急医療機関による都道府県ごとの受け入れ状況や、勤務医の労働実態などに関する分析を実施することを決めた。分析結果は、早ければ年度内にも各都道府県に情報提供する方針。
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救急の輪番、8割が「厳しい」 同省によると、都道府県ごとの2次救急による患者の受け入れ状況などついては現在でも毎年調査しているが、これまでは踏み込んだ分析や調査結果の公表などはせず、相談に応じて情報提供する程度だった。
しかし、医療機関から受け入れを断られて救急患者が死亡する「たらい回し」が国内で相次いでいるため、救急体制の整備を進める上で国として都道府県を支援する必要があると判断した。
具体的には、2次救急医療機関による受け入れ状況や勤務医の労働実態などを都道府県ごとに分析し、各都道府県が実態を客観的に把握できるよう、年度内にも情報提供する。場合によっては2次医療圏ごとの実態にまで踏み込んで分析するという。
厚労省は、25日に開いた都道府県担当者向けの会議で救急医療体制の整備について、「都道府県や市町村で対応していただくのが基本。私どもは(より重症な3次救急を受け入れる)救命救急センターの量と質という点では相当力を入れてやってきた」などと強調した。
一方で、2次救急医療機関における過重労働や、1次救急の機能低下に伴うしわ寄せが3次救急などに及んでいる可能性を指摘し、「階段をひとつ降りて、(救命救急センターだけでなく)2次救急医療機関の量や質の確保についても実態把握し、結果に応じて必要な措置を講じなければいけないと考えている」と説明した。
更新:2008/02/25 18:23 キャリアブレイン
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08/01/25配信
高次脳機能障害に向き合う 医師・ノンフィクションライター山田規畝子
医師の山田規畝子さんは、脳卒中に伴う高次脳機能障害により外科医としての道を絶たれました。しかし医師として[自分にしかできない仕事]も見えてきたようです。