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【ネットの話題】

利用者参加でネット地図 『オリジナル』の楽しみ

2008年2月25日

書き込むたびにポストが増えていく「ポストマップ」

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 ネット上で多くの人が参加して作る「オリジナル地図」が人気を集めている。「ポストマップ」「子供の遊び場地図」など、ありそうでなかった「便利地図」や「アイデア地図」が続々と生まれている。遊び心がいっぱいのネット地図の楽しみを探ってみた。 (ルポライター・黒田達明)

 さいたま市の会社員・吉田恭子さん(31)は、マイカーを運転中に見覚えのない郵便ポストを見かけると、車を止めてポストの場所や付近の目印をメモする。帰宅すると、さっそく「ポストマップ(ポストをひたすらマッピング)」のサイトにアクセスし、ポストの位置などを書き込む。偶然出合ったサイトだが、自宅近くや通勤途中に見つけたポストを投稿してから、やみつきに。「新しい趣味ができた。みんなで作っていく感覚が楽しい」という。

 「ポストマップ」には現在、全国で約十九万本設置されているというポストのうち、四割弱にあたる七万本余が登録されている。全国津々浦々まで埋まれば、類のない「オリジナル地図」が誕生する。

 投稿方法は簡単だ。会員になって、地図上に新たに加えたいポストの位置を指定し、「〒」マークのついたポストのアイコンを置き、「登録」をクリックするだけでOK。正確な位置に自信がなくても「場所に自信なし」の項目をチェックしておけば、後で修正できるし、他の人が訂正することもできる。

 二〇〇六年二月にスタートし、これまでに約千人が参加。ポストによっては写真や取集時刻などの詳細情報を掲載、ポストにまつわるブログもあれば、コメントもあり、投稿者の「ポスト川柳」もある。

 「ポストマップ」をグーグルの地図サービスを活用して立ち上げた桑村武志さん(35)=東京都世田谷区=は「みんなが生活圏にあるポストを書き込んでくれれば」と期待する。

 「ポストマップ」だけでなく、利用者が情報を提供する参加型の地図サイトは、多数存在する。

 ポータルサイトでも、見知らぬ人たちと「オリジナル地図」を作る「地図情報共有サービス」は、人気が高い。

 ヤフーの「ワイワイマップ」に登録されている地図は、約一万五千。数が多いのはグルメ系だが、「パパ・ママ・子どもの遊び場マップ」や「日本歴史スポットマップ」のお役立ち系から、「マンホール☆コレクション」のようにおたく系までさまざま。

 参加したい地図を探す場合は「ランキング」「新着」「おすすめ」などが便利で、新しい地図を作る場合も手続きは簡単だ。

 「オリジナル地図」は費用もかからず、楽しみながら多くの人と共同で作るのが魅力。もっとも、実用レベルに達するような充実した地図は、それほど多くないのも現状。もっと参加者が集まれば、「使える地図」に進化するに違いない。

 

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