「これから試験なのに」 交通網混乱、受験生に焦り

列車の運転再開を待つ人で混雑するJR仙台駅の改札口=24日午前9時30分ごろ
 発達した低気圧の影響で東北地方は24日、強風が吹き荒れ、東北新幹線など交通のダイヤが終日乱れた。25日には国公立大入試2次試験(前期日程)が予定され、JR仙台、福島駅では、上り新幹線の切符を手にした受験生が不安げに運転再開を待った。列車は午後、ようやく動きだしたが、冬の嵐で予定が大幅に狂い、疲れ切った様子で受験地に向かった。

 仙台駅の新幹線改札口前は運行状況を確認する乗客であふれかえった。駅員に詰め寄って再開のめどを聞いたり、携帯電話で訪問先に連絡を入れたりする姿が見られた。

 仙台市青葉区の予備校生吉田喬史さん(19)は25日に千葉県で大学入試の2次試験を受けるため、午前10時台の新幹線に乗る予定だった。「今日中に千葉に行かなくては。受験できなかったら、この1年が無駄になってしまう」と焦った表情で話した。

 高校3年生の息子と駅に来た太白区の会社員女性(53)は「状況が分からなくて困った。息子にとって一番大切な時期なのに」と弱り切っていた。

 岩手県雫石町の看護学校生田中千恵さん(19)は「宇都宮で今日、准看護師の資格試験があるが、もう間に合わない。一ノ関駅で新幹線が止まったので、在来線で仙台まで来たのに…。再試験を受けられるかも分からない」とうなだれ、乗車券の払い戻しを求める長い列に並んだ。

 新幹線ホームでは運転再開後、指定席をあきらめ、より早く出発する列車の自由席に乗り換える人や、乗る予定だった列車の再開まで駅構内で待つ乗客の姿が夕方以降も見られた。

 JR福島駅でも朝から運行再開を待つ人で込み合った。東京都の会社員上原弘久さん(46)は妻と上山市の上山温泉に行く途中、ダイヤの混乱に巻き込まれた。「もう少し待って運転が再開されなければ、旅館のキャンセルも考えなくては」と顔をしかめていた。
2008年02月25日月曜日

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