島根県が条例で定めた三回目の「竹島の日」を迎えた二十二日、松江市殿町の県民会館で、記念式典と日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)問題を考える講演会(島根県など主催)が開かれた。出席者からは、国に総合的な領土問題対策部署の設置を求める声が相次いだ。
|
領土問題の講演に耳を傾ける参加者ら=22日、松江市の県民会館
|
一般参加者を含めて約五百人が出席。今年も国の機関からの出席はなかった。
記念式典で、溝口善兵衛知事は「国に竹島問題の啓発活動を所管する組織の設置や、政府間交渉を粘り強く行うことなどを働き掛けており、引き続き求めていく」とあいさつした。
細田重雄・竹島領土権確立島根県議会議員連盟会長は「韓国の李%TAG%明%TAG%)次期大統領が四月に来日するのをターニングポイントととらえ、政府が竹島問題解決に本腰を入れるよう呼び掛けていく」と決意を語った。松田和久・隠岐期成同盟会長は「政府は北方領土と竹島問題とは違うというが、根っこは同じ。これらの問題の総合的な対策本部をつくってほしい」と述べた。
講演会で、兵藤長雄・元東京経済大学教授は「北方領土と竹島問題を連携させ、国民に訴えていくことが大切。北方領土問題対策協会を領土問題の総合的な対策本部に改めるべき」と指摘した。
Web竹島問題研究所長の下條正男・拓殖大学教授は、韓国の大統領交代を契機に「客観的な事実に基づき、竹島問題が解決しないのは日韓両国にどんな問題があるのか、日韓が対話の道を開くべき」と提言した。
記念式典の開始前に、韓国人グループが竹島資料室前で『独島は韓国領土、竹島の日直ちに廃棄せよ』などと書かれた横断幕を掲げて抗議したが、混乱はなかった。