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社説

中国残留農薬 食品の安全に甘すぎる(2月24日)

 中国製の冷凍食品から新たな有機リン系殺虫剤が相次いで見つかった。

 冷凍ギョーザによる中毒事件で、輸入元や販売元が検査対象を広げた結果、食品衛生法で定められた基準値を超える殺虫剤「パラチオン」「ホレート」などが検出された。

 いずれも微量だが、中毒事件を起こした冷凍ギョーザに含まれていたメタミドホスよりも毒性が強い。これらによる深刻な健康被害の訴えはないが、消費者の不安は強まるばかりだ。

 政府はすでに輸入、販売されている中国製冷凍食品について実態を調査するとともに、販売業者に安全性の総点検を促すべきだ。

 パラチオンは中国・河北省の天洋食品が製造した冷凍ギョーザの袋から、ホレートは山東省の清清仁木食品のアスパラガス入りのとんかつから検出された。ホレートは濃度からアスパラの残留農薬の可能性が高いという。

 こうした冷凍食品から農薬が検出されるケースは今後も広がるのではないか。検査を強化したら、次々と基準値を超えた毒物が見つかる。輸入冷凍食品の残留農薬に対する水際の検疫体制や輸入、販売業者の製品管理がいかに甘かったかを示すものだ。

 検疫所での残留農薬の検査は生鮮食品が中心だ。冷凍加工食品は大腸菌などの検査に限られ、農薬検査はほとんど行われてこなかった。政府は盲点となった反省から、検疫での冷凍加工食品の検査を始めた。

 二○○二年に中国産冷凍ホウレンソウから残留農薬が検出され、中国製食品の安全性の問題が指摘された。しかし、その後も中国からの食料輸入は増え続けている。

 中国では政府レベルでの農薬の管理制度があっても、一般に農家の安全、健康被害への意識は薄いという。

 中央政府が農薬の使用規制に取り組んでも地方の現場まで徹底される状況にはないようだ。この現実を踏まえた検査、監視体制が必要だ。

 政府が打ち出した検疫の農薬検査強化といっても、過去に問題を起こした製造業者の加工品を重点的に実施はするが、その他は一部抜き取り検査だ。

 店頭に売られている輸入食品を対象とした都道府県のサンプル調査もあるが、人員、検査数とも限られる。

 それだけに重要になるのが、生産や輸入、販売にかかわる業者自身の厳密な製品管理だ。

 山東省の清清仁木食品は大阪の食品会社の子会社だ。中国の実情を踏まえた従業員、農家に対する指導の徹底、幅広い項目での農薬検査の実施。それらで手抜かりはなかったか。

 輸入、販売業者も、もっと消費者に敏感であるべきだ。自らが扱う食品の安全確保という最低限の義務を軽んじてはならない。

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