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【経済】

移動郵便局スタート 職員派遣など 閉鎖局網再生を模索

2008年2月19日 朝刊

車内にポストも設置され、試験運行が開始された移動郵便局=18日、愛知県豊田市で

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 過疎地で簡易郵便局が相次いで閉鎖されるなど、ほころびの目立つ全国の郵便局網。日本郵政グループの郵便局会社は18日、愛知県豊田市の山間部で全国初となる「移動郵便局」の試験運行をスタートさせるなど、あの手この手で郵便局網の再生に向けて模索を始めた。 (花井勝規) 

 トヨタ自動車製のマイクロバスを改装した車両には、ATM(現金自動預払機)が積み込まれ、貯金の出し入れや切手類の販売、郵便物の引き受けなどのサービスが受けられる。郵便局会社は三月末までを試行期間とし、豊田市内の二カ所を週二回訪問する。ただ営業時間は一時間半と短い。

 今回、移動郵便局を運行させた地域には、もともと簡易郵便局が存在した。だが昨年秋、局業務を委託していた農協の撤退に伴い閉鎖された。

 全国約二万四千局の郵便局網のうち、主に人口の少ないエリアを担っているのが簡易局。一月末現在で四千二百九十九局。そのうち一割強に当たる四百三十五局が業務受託者がいないなどの理由で一時閉鎖されている。

 一時閉鎖局の再開が課題となる中、郵便局会社は約四十局で新たな受託者を確保し、再開の下準備に入った。さらに二〇〇八年度中に全国百カ所で直営局から職員を閉鎖局に派遣する出張サービスを始める。閉鎖局近くの公民館などを会場に想定し、週二回程度郵便局サービスを提供する。今春には、全国二十−三十カ所を想定し、直営局の支店で“ミニ郵便局”ともいえる「分室」を設ける方針だ。

 

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