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2008/02/24
三浦和義逮捕にはビックリしましたね(本人が一番ビックリしたでしょうけど)。私は刑法関係はあまり詳しくないですが、日本は属人主義(犯人の国籍が日本人なら世界どこでの犯罪でも罰する)、米国は属地主義(犯人の国籍にかかわらず米国内で起きた犯罪を罰する)という仕組みの違いからこういうこともあるのだということは把握できました。
さて、知財法については一般にほぼ属地主義的な考え方が採用されています。つまり、どの国の法律を適用するかは行為が行われた場所で決まります。たとえば、日本でだけ特許が成立している場合には、外国でその特許を使った商品を作ったり売ったりすることは自由です(ただし、日本に輸入される段階で差止めされ得ます)。ゆえに、重要な特許については世界各国に同時に特許出願できるPCT(国際出願)という制度を使うことが多いです。商標の場合もだいたい似たような感じです。著作権の場合も基本的には行為が行われた場所の著作権法が適用されます(ただし、刑事罰についてては属人主義が適用されることもあり。)
とここまではそんなにややこしくないのですが、インターネットで国境をまたがって特許発明を実施していたり、著作物の配信をやってる場合には一気に話がややこしくなります。
JASRAC管理下の音楽の著作物のネット配信については、JASRACでは「配信者属地主義」という考え方を取っているようです。つまり、サーバが外国ににあっても日本人(日本企業)が配信の主体なのであれば、日本の著作権法に従え(=JASRACに金を払え)ということです。判例として確定しているわけではないと思いますが(たぶん)、この点でJASRACと裁判で争おうという人はあまりいないのではと思います。
では、逆に、日本ではパブリックドメインとなっているが米国等では著作権がまだ残っている音楽作品(たとえば、ジョージガーシュインの楽曲)を日本のサーバにアップロードしたらどうなるかという話ですが、実は、JASRACに一度聞いてみたことがあります(ガーシュインの曲を自分で演奏してニコ動にアップしたらどうなるかを確認したかったため)。回答は、
インターネットはワールドワイドなソースであり、国境を跨ぐ配信については権利処理が難しい状況がありますが、実質的に日本地域を対象とした配信とみなせる内容であれば、日本の著作権法に準拠した取扱いになるかと思われます。
ということでした。要するに、ニコ動、アメーバ等々日本向けのサービスであれば(仮に米国内の人が視聴できるようになっていても)OK、逆にYouTubeにアップした場合には米国の著作権法が適用されるというのがJASRACの見解のようです。ただし、この場合、訴えるか訴えないかを決めるのはJASRACではなく米国の著作権管理団体なので、この見解が100%確実というわけではありません。また、そもそも、米国の著作権制度であれば、個人の演奏を動画投稿サイトにアップしたくらいではフェアユースの範囲とみなされるのではという議論もありますが、これまた100%確実ではありません。
ということで、今の著作権制度(その意味では特許制度もそうですが)は、フラット化する世界にまだ全然対応できていないということの一例であります。
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