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“厄介者”がグルメに変身 あのエチゼンクラゲが… (2/2ページ)
このニュースのトピックス:動物園・水族館
◇アイスクリーム
日本海沿岸の定置網に入り込み、水揚げされた魚を傷つけるエチゼンクラゲを具材にしたアイスクリームも人気だ。
販売しているのは、乳製品会社「丹後ジャージー牧場」(京都府京丹後市)。平成18年秋に京都府唯一の水族館「丹後 魚知(うおち)館」の吉田史子館長が「エチゼンクラゲを食べて退治できないか」と提案し、同社が商品開発に乗り出した。
「とにかく生臭さを取り除くのが大変でした」と同社の平林文子さん(59)。酢や日本酒、シロップにつけても臭みがとれず、試行錯誤の末、牛乳につけてにおいを消すことに成功した。
同年末に、牧場の売店で、5ミリほどに刻んだエチゼンクラゲ入りのアイスクリームを1個300円で販売したところ「ぷつぷつとした歯応えがナタデココのようでおいしい」と口コミで評判に。当初は冬季限定品だったが、年間3000個を売り上げ、昨年から通年で販売している。
◇高級食材に
北海道では、狩りで捕獲した野生動物を調理するフレンチのジビエ料理をヒントに、急増するエゾシカを特産品として売り出す取り組みが広がっている。
10年ほど前からエゾシカによる農林業被害や交通事故が急増。行政が捕獲による個体数管理を行ってきたが、捕ったシカの処理が問題になり、猟師らで組織する社団法人「エゾシカ協会」がジビエ料理に着目した。
「欧米でシカ肉は高級食材。シカ肉の価値を高めれば、シカと道民は共生できる」と同協会事務局長の井田宏之さん。
2年前には捕獲したシカを衛生的に処理するためのマニュアルも策定。安全なシカ肉の供給が始まり、道内のレストランでは、ジビエ料理だけでなく、焼き肉やどんぶり、そばなど、幅広いエゾシカメニューが人気を集めている。