UN子☆
02/24(日) 13:33 IP:210.197.114.249 削除依頼
このスレ流れたの...?(´;ω;`)
NO.1 雑ロのママン
02/24(日) 13:35 IP:218.231.68.187 謎8987143
削除依頼- もう500レスいって
流れちゃったよ(´・ω・`)
NO.2 UN子☆
02/24(日) 13:36 IP:210.197.114.249 謎9438043
削除依頼- そうなんだー・・・(´・ω・`)
もっと見たかったな
NO.3 y
02/24(日) 13:37 IP:61.207.248.82 謎1735966
削除依頼- これ新スレとして使ったら?
NO.4 主
02/24(日) 13:38 IP:210.197.114.249 謎9645547
削除依頼- 3
覚えてるコピペとかありますかね? 代わりになればいいなー.. あんな良スレ初めてだったな
NO.5 UN子☆
02/24(日) 13:43 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 僕はシロ、しんちゃんのともだち。十三年前に拾われた、一匹の犬。
まっ白な僕は、ふわふわのわたあめみたいだと言われて。 おいしそうだから、抱きしめられた。
あの日から、ずっといっしょ。
「行ってきマスの寿司〜〜〜〜〜〜。」 あいかわらずの言葉といっしょに、しんちゃんは家から飛び出していった。 まっ黒な上着をつかんだまま、口に食パンをおしこんでいるところを見ると、 今日もちこくなんだろう。 どんなに大きな体になっても、声が低くなっても、朝に弱いのは昔から。 特に今年は、しんちゃんのお母さんいわく『ジュケンセイ』というやつだから、 さらにいそがしくなったらしい。 たしかに、ここのところのしんちゃんは、あんまり僕にかまってくれなくなった。 しかたのないことだとしても、なんだかちょっと、うん。 さみしいかもしれない。
せめてこっちを見てくれないかな、と言う気持ちと、がんばれという気持ち。 その二つがまぜこぜになって、とにかく少しでも何かしたくなって。 小さくほえてみようとしたけれど、出来なかった。 なんだかとても眠たい。 ちかごろ多くなったこの不思議な感覚、ゆっくりと力が抜けていくような。 あくびの出ないまどろみ。 閉じていく瞳の端っこに、しんちゃんの黄色いスニーカーが映って。
ああ今日もおはようを言い損ねたと、どこかで後悔した。
NO.6 UN子☆
02/24(日) 13:43 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- ぴたぴたとおでこを触られる感覚に、急に目が覚める。
いっぱいに浮かんだ顔に、おもわず引きぎみになった。 ひまわりちゃんだ。 「シロー。朝ご飯だよ。」 そう言いながらこちらをのぞき込んでくる顔は、しんちゃんに似ていて。 やっぱり兄妹なんだな、と思う。 「ほら、ご飯。」 ひまわりちゃんは、片手で僕のおでこをなでながら、もう片方の手でおわんを振ってみせる。 山盛りのドッグフード。まん丸な目のひまわりちゃん。 あんまり興味のない僕のごはん。困った顔のひまわりちゃん。 僕は、それをかわるがわる見ながら、迷ってしまう。
お腹は減っていない。 でも食べなければひまわりちゃんは、もっと困った顔をするだろう。 でも、お腹は減っていない。
ひまわりちゃんは、悲しそうな顔になって、僕の目の前にごはんを置いた。 そして、両手でわしわしと僕の顔をかきまわす。ちょっと苦しい。 「お腹減ったら、食べればいいよ。」 おしまいにむぎゅうっと抱きしめられてから、そう言われた。 ひまわりちゃんは立ち上がると、段々になったスカートをくるりと回して、 そばにあったカバンを持つ。 学校に行くんだ。 いってらっしゃいと言おうとしたけれど、やっぱり言う気になれなくて。 僕はぺたんとねころんだ。 へいの向こうにひまわりちゃんが消えていく。 顔の前に置かれたおちゃわんを、僕は鼻先ではじに寄せた。
お腹は、ぜんぜん空いていない。
NO.7 UN子☆
02/24(日) 13:44 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- ごはんを欲しいと思わなくなった。
おさんぽにも、あんまり興味はなくなった。 でも、なでてもらうのは、まだ好き。 抱きしめられるのも、好き。
『ジュケンセイ』っていうのが終わったら、しんちゃんは。 また僕をいっぱい、なでてくれるのかな。抱きしめてくれるのかな。 そうだといいんだけど。
目を開くと、もう辺りはうすむらさき色になっていて。 また、まばたきしているうちに一日が過ぎちゃったんだと思う。 ここのところ、ずっとそうだ。何だかもったいない。 辺りを見回して、鼻をひくひくさせる。しんちゃんの匂いはしない。
まだ、帰ってきてないんだ。
さっき寄せたはずのおちゃわんのごはんが、新しくなっている。お水も入れ替えられている。 のろのろと体を起こして、お水をなめた。冷たい。 この調子なら、ごはんも食べられるかと思って少しかじったけれど、ダメだった。 口に中に広がるおにくの味がキモチワルイ。思わず吐き出して、もう一度ねころがる。 夢のなかは、とてもしあわせな世界だった気がする。 僕はまた夢を見る。
しんちゃんと最後に話したのは、いつだっただろう。
僕はしんちゃんを追いかけている。 しんちゃんはいつものあかいシャツときいろいズボン。小さな手は僕と同じくらい。
シロ、おて シロ、おまわり シロ、わたあめ
『ねえしんちゃん。僕はしんちゃんが大好きだよ。』 『オラも、シロのこと、だいすきだぞ。シロはオラの、しんゆうだぞ!』
わたあめでいっぱいのせかいはいつもふわふわでいつもあったかで いつまでもおいかけっこができる
いつまでも
NO.8 UN子☆
02/24(日) 13:45 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- また朝がきた。
でも、その日はいつもと違っていて。しんちゃんのお母さんが、僕を車に乗せてくれた。 しんちゃんのお母さんの顔は、気のせいか苦しそうだった。
車はまっ白なお家の前で止まって、僕は抱きしめられたまま下ろされる。 そして一回り大きなふくろの中につめられた。まっくらだ。どうしようか。 昔なら、びっくりしてあばれてしまったかもしれない。でも今は、そんな力も出ない。 とりあえず丸くなると、体がゆらゆらとゆれた。 それがしばらく続き、次にゆれが収まって、足もとがひんやりとしてくる。
いきなり辺りがまぶしくなった。 目をぱしぱしさせていると、変なツンとした匂いがする手につかまれ、持ち上げられる。 いっしゅんだけ体が宙に浮いて、すぐに冷たい台の上に下ろされた。 まっ白い服を着た人が、目の前に立っている。そばには、しんちゃんのお母さん。 二人が何かを話している。白い人が、僕の体をべたべた触る。 しんちゃんのお母さんが、泣いている。
どうして泣いているのか解らないけれど、なぐさめなくちゃ。 でも、体が動かない。またあの眠気がおそってくる。起きていなきゃいけないのに。
なんとか目を開けようとしたけれど、ひどく疲れていて。 閉じていく瞳を冷たい台に向ければ、そこに映るのはうすよごれた毛のかたまり。
なんて、みすぼらしくなってしまったんだろう。
NO.10 UN子☆
02/24(日) 13:46 IP:210.197.114.249 謎3591417
削除依頼- ああそうか、僕がこんなになってしまったからなんだ。だからなんだ。
だからしんちゃんは、僕に見向きもしないんだ。 おいしそうじゃないから。 あまそうじゃないから。
僕はもう、わたあめにはなれない。
わたあめ。 ふわふわであまあまの、くものかたまり。
いちど地面に落ちたおかしは、もう食べられないから。 どんなにぽんぽんはたいても、やっぱりおいしそうには見えないよね。
だけど、君はいちど拾っててくれた。 だれかが落として、もういらないって言ったわたあめを。 だから、もういいんだ。
NO.11 UN子☆
02/24(日) 13:47 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 何かにびっくりして、僕はまた戻ってきた。
見なれた僕のお家。いつもの匂い。少しはだざむい、ゆうやけ空。 口の中がしょっぱい。
「なんで!!!!!!」
いきなり、辺りに大声が響いた。びりびりとふるえてしまうような、いっぱいの声。
重たい体をひきずって、回り込んで窓からお家の中をのぞきこむ。 しんちゃんのお父さんとお母さん、ひまわりちゃん。 そして、僕の大好きなしんちゃんも。 みんなみんな、泣いていた。
「母ちゃんの行った病院は、ヤブだったに決まってる!! オラが、他の病院に連れてくぞ!!!」 しんちゃんが、ナミダをぼろぼろこぼしながら、怒っている。 ひまわりちゃんも、うつむいたまま顔を上げようとしない。 「しんのすけ、落ち着け。仕方ないんだ。」 しんちゃんのお父さんが、ビ−ルの入ったコップをにぎりしめたまま呟いている。 「仕方ないって、父ちゃんは…ホントにそれでいいの!!!???」 「良いわけないだろ!!!!!」 しんちゃん以上のその大きな声に、だれもなにも言わなくなった。 その静かな中に、しんちゃんのお父さんの低い声が、ゆっくりひびく。
「しんのすけ、良く聞け。いいか、生き物は何時かは死ぬんだ。 それは、俺たちも同じだ。……もちろん、ひまやお前の母さんもそうだ。 それが今。その時が、いま、来ただけなんだよ。解ってたことだろう?」 しんちゃんは、なにも言わない。しんちゃんのお母さんも、続ける。 「あのね、ママが最初ペットを飼うのに反対したのはね、そう言う意味もあるの。 しんちゃんに辛い思いをさせたくなかったから…ううん。 私自身が、そんな辛いお別れをしたくなかったから。だから、反対してたの。 でも、もうこうなっちゃった以上、仕方ないでしょう? せめて、最期を看取ってあげることが、私たちに出来る一番良い事じゃないの?」
「最期って!!!」 しんちゃんが泣いている。ぼろぼろ泣いている。手をぎゅっとにぎりしめて。 僕よりもずっと大きくなってしまった手を、ぎゅっとかたく。
NO.12 UN子☆
02/24(日) 13:48 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 僕の体のことは、たぶんだれよりも僕自身が一番知っていて。
でも、いいと思っていた。 このままでもいいって。 だって夢の中はあんなにもあったかくてあまくって。
だからずっとあそこにいても、かまわないと思ってたんだ。 それじゃだめなの?
しんちゃんがこっちを見た。 しばらく目をきょろきょろさせたあと、僕を見付けて、顔をくしゃくしゃにさせる。
「シロ。」 名前を呼ばれた。本当に、ひさしぶりに。
わん。
なんとか声が出た。本当に小さくて、ガラスごしじゃあ聞こえないかと思ったけれ ど。 でも、たしかにしんちゃんには届いた。 しんちゃんが近付いてくる。窓を開けて、僕に手をのばして。 「大丈夫、オラが、何とかしてやるぞ。」
やっと抱きしめてくれたしんちゃんの胸は、いっぱいどくどく言っていて、 夢の中の何十倍も、とってもあったかかった。 ねえ、よごれたわたあめでも。
僕は夢を見る。 何度目になるかはわからない夢。でも、それは今までとはちがう夢。
NO.13 UN子☆
02/24(日) 13:48 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 僕は段ボール箱に入っていて、そのはじをしんちゃんがヒモで三輪車に結びつけている。
三輪車がいきおいよく走る。 箱ががたがたゆれて、ちょっときもちが悪い。 ふいに、その箱から引っぱり出され、僕は自転車のかごに乗せられた。 小さな自転車。運転しているのはしんちゃん。せなかにはまっ黒なランドセル。 シロに一番に見せてやるぞって、嬉しそうにしょって見せてくれたランドセル。 まだまだ運転は下手だったけど、とってもあたたかかった、春。
自転車のかごが一回り大きくなる。 くるりとまわると、しんちゃんが今度は、まっ白なシャツを着ていた。 自転車も、新しくなっている。もうよたよたしていない。スピードも、速い。 そういえば、よくお母さんに怒られたとき、 ナイショだぞって僕を、こっそりフトンの中に入れてくれたよね。 もちろん次の日には、お母さんに怒られるんだけど、それでもやめなかった。 二人だけのヒミツがあった、きらきらしてまぶしい、夏。
ぼんやりしていたら、ひょいっとかごから下ろされた。 代わりに自転車を押しているしんちゃんのとなりに並んで歩く。 しんちゃんはずいぶん背が伸びて、お父さんと変わらないくらいになった。 お母さんといっしょに使っている自転車が、ぎしぎしと音を立てる。 でも、どんなに大きくなっても、きれいな女の人に目がいくのは変わらない。 こまったくせだなあと思いながらも、どこか安心してる僕がいる。 いつまでも変わらないでいて欲しかった、少しだけ乾いた風が吹く、秋。
寒い冬。 あんまり話してくれなくなった。 おさんぽも、少なくなって。こっちを見てくれることも少なくなった。 見えるのは横顔だけ。 楽しそうな、悲しそうな。ぼんやりした、困った。怒っているような、悩んでいるような。
そんな、横顔だけ。
寒い冬。小屋の中で、ひとりで丸くなっていた、冬。
NO.14 UN子☆
02/24(日) 13:49 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 寒かった冬。でも、冬は春への始まり。あたたかな春への始まり。
僕は丸まって、わたあめのようになって、あったかいうでの中で。 春の始まりをまっている。
たとえそれがほんのいっしゅんのものでも。
かしゃん、という、なにかがたおれる音がして、僕は目を開けた。 電灯がぽつりぽつりとついた、暗い道の真ん中で、見なれた自転車が横になっている。 のろのろと首を上げると、しんちゃんの前髪が顔に当たった。 道のはじっこのカベに、もたれかかるようにしてしゃがみ込むしんちゃん。 その体はひっきりなしにふるえていて、とても寒そうだった。 僕を抱きしめたまま、動こうとしないしんちゃん。 しんちゃんに抱きしめられたまま、動くことができない僕。
ああだれか僕の代わりに、しんちゃんを抱きしめてあげて。
NO.15 UN子☆
02/24(日) 13:50 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 「ごめんな、ごめんなシロ。オラ、何にも出来なかった。」
ぽつりぽつりと、しんちゃんが話しかけてくれる。
「いっぱい病院回ったんだ、でも、どこも空いて無くて。 空いてるトコもあったんだけど、大抵シロを一目見ただけで…何も。 あいつらきっとおばかなんだぞ。おばかだから、何にも出来ないんだ。」
しんちゃん、泣いてるの? ねえ、泣かないで。
「でも、ホントにおばかなのは……オラだ。」
しんちゃんなかないで。
「オラっ……シロがこんなになってるの、気付かなくて…!! ずっと、一緒にいたのに…親友だって……思ってたのに、なのに!!!」
なかないで、もういいから。
「シロっ…………。」
しんちゃんが泣いている。僕はなにもできない。 せめて元気なところを見せようと思って、僕はしんちゃんのほっぺたをなめた。 しんちゃんのほっぺたは、少しだけ早い春の味。
僕がメスだったら、しんちゃんのために子供を作っただろう。 僕が居なくなっても、寂しくないように。
僕がわたあめだったら、しんちゃんのためにせいいっぱい甘くなっただろう。 僕が食べられても、甘さが少しでも長く口にのこるように。
僕が人間の手を持っていたら、しんちゃんを抱きしめただろう。 僕がしんちゃんにもらった、温もりを返すために。
僕が人間の言葉をしゃべれたら。
きっと、いっぱいいっぱいのありがとうとだいすきを、君に。
NO.16 UN子☆
02/24(日) 13:51 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 「シロ。」
名前をよばれて、僕は顔を上げる。しんちゃんが、笑っていた。 まだまだナミダでいっぱいの顔で、それでも笑っていた。
「シロ、くすぐったいぞ。 そんなにオラの涙ばっか舐めてたら、しょっぱい綿飴になるぞ。 しょっぱいシロなんて、美味しそうじゃないから。 だからシロ、オラ、待ってるから。 今度はオラが待ってるから。」
しんちゃん。
「だから、もう一度、美味しそうな綿飴になって。 そんでもって、戻ってくるんだぞ。」
だいすき。
ぼくはしんちゃんに抱きしめられながら、さいごの夢を見る。 もういちど、わたあめになる夢を。 もういちど、おさとうになって、とかされて。 くるくるまわって、あまい、あまいわたあめになる。
目ざめたときに、だれよりも、 君がおいしそうだって言ってくれるわたあめになるために。
ふわふわのわたあめ。 さくらいろの、あったかなわたあめ。 君が大好きだっていうキモチをこめた、 君だけのわたあめ。
NO.17 UN子☆
02/24(日) 13:51 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 僕はシロ、しんちゃんのしんゆう。十三年前に拾われた、一匹の犬。
まっ白な僕は、ふわふわのわたあめみたいだと言われて。 おいしそうだから、抱きしめられた。
僕はシロ、しんちゃんのしんゆう。 今度はさくらいろの、ふわふわのわたあめになって。 君に、会いに行くよ。
NO.18 UN子☆
02/24(日) 13:54 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 母さん、マジでありがとう。
ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。 ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。 ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。 ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。
生んでくれてありがとう。 こんな俺でも生んでくれてありがとう。 愛情を注いでくれてありがとう。 沢山笑ってくれてありがとう。 一緒にへこんでくれてありがとう。 一緒に泣いてくれてありがとう。 あなたは最高の母親です。 オヤジも鼻が高いさ。 いっぱい泣きたい。 あと一ヵ月後にはあなたのいない暮らし。 俺が芋ようかん買ってきたくらいで、病院のベッドではしゃがないでよ。 顔をくしゃくしゃにして喜ばないで。 そして食べながら泣かないで…
母さんが喜ぶなら、芋ようかんずっとずっと買ってくるよ。 母さんがいなくなっても、ずっとずっと母さんの為に喜ぶ事をするよ。 母さん、ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。
NO.19 主
02/24(日) 13:55 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- すいません。今まで泣いてました…
厚かましいけど、書かせてくれ。 お願いします、書かせて下さい…
最近はずっと起きてる。 なるべく寝ないようにしてる。寝ても二、三時間くらい。 後、俺の家族に残された一ヶ月って時間を、 出来るだけ記憶に留めておきたかったんだ。 寝てしまうその時間すらも惜しいんだよ。 俺に何か出来ないか、俺に何か出来ないか、そればっか考えてる。 残念な事に、俺には何も出来ないんだよ。 病気の進行は容赦ない。母さんをすぐに蝕んでいくんだ。 薬の副作用で母さんの顔がむくんで、髪がボロボロ抜け落ちていった時に、 「アハハ、お母さんブサイクになっちゃったわねぇ〜!!」 って、母さんは元気いっぱいに俺に言ったんだ。 俺が病室を出ると、母さんの泣き声が漏れてきた。 俺は病院の廊下で恥ずかしながら泣いたよ。 俺の前では元気いっぱいに振舞っていたのは親心なんだって気付いたよ。 母さん、俺バカでごめん。
だから、俺が出来る事って稚拙だけど、母さんの好きな 芋ようかんを買っていってやったんだよ。 俺はたまに買って行ってやるんだ。 母さんが病気になる前から、給料入ったらお土産で買ってくのね。 はしゃいで、顔をくしゃくしゃにして喜んで…食べながら泣いて…
日常ってとても素晴らしいものだね。些細なことでもキラキラしている。 芋ようかんですら愛しくて、ありがたくて、涙が出てしまうくらいのものだよ。 俺はきっとこれから、いつもの芋ようかんを買う和菓子屋を通る度に そのキラキラした日常を思い出して、泣いて、「ありがとう」って感謝するんだろうね。 本当は眩しいくらいのものなんだよ、日常って。 絶対に家族ってとてもとても眩しいものなんだよ。 だから、恥ずかしくても自分の家族にありがとうって言ってやってくれ。 暖かくてキラキラしててかけがえのないもの。 俺の中では永遠に生き続けるもの。
母さんありがとう。
…もうだめぽ。スクリーン半分涙で見えねぇよ。。。
NO.20 主
02/24(日) 13:57 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 今は家に取りに来なきゃいけないものがあって帰ってきた。
急いでるのにウケるよね。 2ちゃんに書き込んでる暇があるならさっさと病院行けって 感じだろうね。 病院行きたくないんです。 母さん、しんじゃった。
朝しぬことねぇだろ…本当に母さんらしいね。 ほんっと、人騒がせな親だよなァ。 ねぇ、母さん。し んだら芋ようかん食えないよ? しんんだら、買って行ってあげないよ? しんんだら食べれないんだよ? 本当に急すぎて、ネタだと思われるだろ? 人騒がせだなァ…
母さん、ムカついてるでしょ? 医者にはあと一ヶ月って言われてたのにね。 一ヶ月、芋ようかん食べれたのにね。 俺も買って行ってあげたのにね。
何でだよ、棺おけに芋ようかん入れたくないよ。 買って行くから、また食べてよ。また笑ってよ。 また俺の名前呼んでよ。
NO.21 主
02/24(日) 13:58 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 最初って涙なんか出なかった。
親戚や友達に連絡して、それはもう事務的に お通夜とかの準備をしなければいけなくて。 涙を流す暇がないっていうのかな。 オヤジも姉ちゃんも、同じように忙しくて 悲しみにひたる 余裕はないって感じでした。 忙しさに追われたから、俺は今日の一日を冷静でいれたのかも。
一度、家に帰ってくる時に三人で夕飯食べたんだ。ハンバーグ食べた。 オヤジが、「うまくないなぁ…か…」 って、 言葉詰まらせてイキナリ泣き出したんだ。子供みたいに。 俺はすぐ分かった。 その、「か…」の後に続けようとした言葉がすぐに分かった。 オヤジと母さんはよく食べ歩きが好きで、うまい店があると家族サービスとかいっては よく連れて行ってくれてたんだよ、俺と姉ちゃんを。 オヤジは「うまくないなぁ、母さん」って、 いつもの癖でついつい言ってしまうところだったんだろうね。 俺は黙ってた。姉ちゃんも黙ってた。 俺は泣かなかった。泣けなかった。黙って食べてた。 何かしゃべったら俺も崩れてた。
今日の夕方もむしむしと暑くて、 地元のスーパーはいつも通りにぎわっててさ… 思わず寄ったよ。特売のトウモロコシと枝豆売り場には主婦が沢山いてね、 その中に母さんいるんじゃないかって、バカげた子供みたいな考えに 変な期待持っちゃって。 「アツシ、トウモロコシ買ってきたから茹でてあげるからね〜ッ!」って、 一昨年の夏みたいに、笑う母さんの顔が見たかった。 こんなクソ暑い夏に、リビングで寝っ転がりながらトウモロコシを食う俺の行儀悪さを、 うるさく言う母さんの声が聞きたかった。 ああいうのを本当は小さな幸せって言うんだろうね。 けど、小さすぎて当たり前すぎて見えないんだよ。 本当はバカみたいにキラキラしてて、素晴らしいものなのに。 いなくなってしまってから初めて分かるんだ。 それがビー球みたいにいろんな色があって綺麗で素朴でキラキラしてるって分かるんだよ、きっと。
NO.22 主
02/24(日) 13:59 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- もう今日でここに書き込むのは最後にします。
みんな色々と辛いことを乗り越えての今があるのだと思いました。 だから俺だけ弱くてうじうじしていてはいけない。みんなが通る道なんだよね。 けど、今だけ俺の弱さをどうか許してください。昨日の今日では強くなれない…
悲しすぎる。
オヤジが俺に封筒を渡してきました。 葬式までに必ず読んでおけって。 オヤジはその中身を知らなかったらしい。 姉ちゃんの分もあるって言っていたから、母さんからのものだってすぐに分かった。 俺は本当に弱い。もっと強いものかと思っていたら全然違った。弱すぎだ。 その封筒の中身を読んで、泣きじゃくった。 今も涙が止まらない。 どうして2ちゃんに書き込んでいるのかもよくわからない。 誰かに聞いて欲しいからかな。誰かに何か言って欲しいからかな。
NO.23 新世界の糸氏
02/24(日) 14:00 IP:61.122.54.50 謎7361926
削除依頼- あのスレ保存した(^ω^)
NO.24 主
02/24(日) 14:00 IP:210.197.114.249 謎8153760 イチゴ☆
削除依頼- 「アツシへ
お母さんがこんな手紙を書くことなんてなかったからさぞかしビックリしているでしょう。 アツシも知っている通り、お母さんは後三ヶ月くらいなんだってね。 今のお医者さんはすごいね、余命をすぐに言ってくるなんてね。 時代は変わりましたね。 お母さんがお婆ちゃんを亡くした時は、ひた隠しにされたのにね。 こっちの方がスッキリしていいかもね。 お母さんね、もっとアツシとナミを見ていたかったんだけどね。ごめんね。 あと三ヶ月しか見れないのか、うーん、残念だよ。 アツシ、旅行に連れて行ってくれるって言ってたしね。 お母さん、北海道がいいな。 美味しいものを家族で食べに行きたいじゃない。 それで小樽にも行ってみたいんだ。 アツシ、お母さん頑張って元気になるから、その時は北海道旅行をよろしくね。
あなたは家族思いの良い子です。 言葉遣いは汚いけど、それが照れ隠しなんてお母さんはちゃんと知っているんだからね。 だてにあなたを23年間も育ててきた訳じゃないんだから。 あなたとナミは私達の自慢の子供です。 あなたもいずれ親になって分かると思います。 自分の子供がどんなにかわいくて仕方ないか、絶対に分かる日が来ます。 お父さんが頑張って働くのも、お母さんがご飯を一生懸命に作るのも、 あなたたちがかわいいから。 あなたたちを愛しているから。 あなたたちと幸せを創り上げたいから。 それが親心だよ。アツシも絶対に分かるはずだよ。
NO.25 主
02/24(日) 14:00 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- けど、お母さん、子供孝行出来てないよね。
あと三ヶ月の間に出来る事って何かを考えたんだけど、お母さんバカだから分からないや。ごめんね。 だから、この手紙はあなたたちに謝りたくて、今こうして書いているの。 無責任な親だね、無責任なお母さんだね。 ごめんね、お母さん無責任で。 アツシ、お母さんの子供で幸せでしたか? お母さん、自信がないな。 お母さんなりに頑張ってきたつもりだけど、自信ないよ。 だから、この手紙を読んだら、素直にお母さんに言って。 お母さんの息子で幸せだったか、素直に言って。 もし、幸せだったなら、お母さんもっと頑張っちゃう。 もし、幸せじゃなかったんなら、お母さんもっともっと頑張っちゃう。 大好きなあなたたちの為に、お母さんは頑張るよ。エイエイオーって頑張るよ。 あなたたちを授かって良かった。本当に良かった。 お母さんは幸せ者だね。幸せすぎるね。
あ、しつこいけど、お母さんは夏くらいに北海道行きたいな。 家族で行こうよ、北海道。きっといいところだよ。 美味しいものたくさん食べようね。 アツシの運転する車で、北海道をぐるぐる家族四人でまわるの。ステキでしょう。 期待してるよ、アツシ。ナミには別のものを頼んであるから一人だけの手柄なんかにしないこと! 夏に家族四人で北海道行こうね、お母さん頑張るよ!!
字が汚くてゴメンね。 お父さんも、ナミもアツシも、お母さんはみんな愛してるよ。幸せだよ。
アツシのお母さんより」
って。書いてあった。
NO.26 主
02/24(日) 14:01 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- これで最後です。
俺は忘れてはいけないことがあります。 俺が自己満足で書き込んで、それに対しての温かい言葉、煽り、 全てにありがとうと言いたいです。
みんな、ありがとう。
母さんを北海道に連れて行けなかったことが残念でなりません。 そして、弱い俺はいまだに涙を流しっぱなしです。 家族を大切にして下さい。愛情を素直に受け取って下さい。 小さな幸せを大切にして下さい。恥ずかしがらずに「ありがとう」と言って下さい。
俺はみんなに感謝しています。みんなの優しさにひたすら感謝です。 夏が過ぎて秋になって、冬になって、どんどん季節が廻ります。 その中での「ありがとう」って、誰にでもあるはずです。 素直にありがとうと言える事は素晴らしいことです。 涙が流せるくらい、美しいものです。
みんなありがとう。
母さんありがとう。
NO.27 主
02/24(日) 14:02 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- どうして私がいつもダイエットしてる時に(・∀・)ニヤニヤと見つめやがりますか(゜Д゜)ゴルァ!
どうして私が悪いのにケンカになると先に謝りますか(゜Д゜)ゴルァ! どうしてお小遣減らしたのに文句一つ言いませんか(゜Д゜)ゴルァ! どうして交代でやる約束した洗濯をし忘れたのに怒りませんか(゜Д゜)ゴルァ! どうして子供が出来ないのは私のせいなのに謝りますか(゜Д゜)ゴルァ! どうして自分が体調悪い時は大丈夫だと私を突き放して私が倒れると会社休んでまで看病しますか(゜Д゜)ゴルァ! どうして妻の私に心配掛けたくなかったからと病気の事を隠しますか(゜Д゜)ゴルァ! おまけにもって半年とはどう言う事ですか(゜Д゜)ゴルァ! 長期出張だと嘘言って知らない間に手術受けて助からないとはどう言う事ですか(゜Д゜)ゴルァ! 病院で俺の事は忘れていい男見つけろとはどう言う事ですか(゜Д゜)ゴルァ! こっちの気持ちは無視ですか(゜Д゜)ゴルァ! 正直、あんた以上のお人よしで優しい男なんか居ませんよ(゜Д゜)ゴルァ! それと私みたいな女嫁にすんのはあんた位ですよ(゜Д゜)ゴルァ! もう一つ言い忘れてましたが私、お腹に赤ちゃん出来たんですよ(゜Д゜)ゴルァ! あんたの子供なのに何で生きられないのですか(゜Д゜)ゴルァ! そんな状態じゃ言い出せ無いじゃないですか(゜Д゜)ゴルァ! それでも言わない訳にはいかないから思い切って言ったら大喜びで私を抱きしめますか(゜Д゜)ゴルァ! 生まれる頃にはあんたはこの世にいないんですよ(゜Д゜)ゴルァ! 元気な子だといいなぁってあんた自分の事は蔑ろですか(゜Д゜)ゴルァ! 病院で周りの患者さんや看護婦さんに何自慢してやがりますか(゜Д゜)ゴルァ! 病気で苦しいはずなのに何で姓名判断の本で名前を考えてやがりますか(゜Д゜)ゴルァ! どうして側に居てあげたいのに一人の身体じゃ無いんだからと家に帰そうとしますか(゜Д゜)ゴルァ! どうしていつも自分の事は二の次何ですか(゜Д゜)ゴルァ!
NO.28 主
02/24(日) 14:03 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 医者からいよいよダメだと言われ泣いてる私に大丈夫だよとバレバレの慰めを言いますか(゜Д゜)ゴルァ!
こっちはあんたとこれからも生きて行きたいんですよ(゜Д゜)ゴルァ! それがもうすぐ終わってしまうんですよ(゜Д゜)ゴルァ! バカやって泣きそうな私を包んでくれるあんたが居なくなるんですよ(゜Д゜)ゴルァ! 忘れろと言われても忘れられる訳ないでしょ(゜Д゜)ゴルァ! しぬ一週間前に俺みたいな奴と一緒になってくれてありがとなですか、そうですか(゜Д゜)ゴルァ! こっちがお礼を言わないといけないのに何も言えず泣いちまったじゃないですか(゜Д゜)ゴルァ! あんなに苦しそうだったのに最後は私の手を握りしめていきやがりましたね(゜Д゜)ゴルァ! 何でしに顔まで微笑みやがりますか(゜Д゜)ゴルァ!(゜Д゜)ゴルァ!(゜Д゜)ゴルァ! そんなのは良いから起きて下さい(゜Д゜)ゴルァ! 生まれてくる子供を抱いて下さい(゜Д゜)ゴルァ! 子供に微笑みかけて下さい(゜Д゜)ゴルァ! たのむから神様何とかして下さい(゜Д゜)ゴルァ! ダメ女な私にこの先一人で子供を育てろと言いやがりますか(゜Д゜)ゴルァ! そんなあんたがしんで5ヶ月... 子供が生まれましたよ(゜Д゜)ゴルァ! 元気な女の子ですよ(゜Д゜)ゴルァ! 目元はあんたにそっくりですよ(゜Д゜)ゴルァ! どこかで見てますか(゜Д゜)ゴルァ! 私はこの子と何とか生きてますよ(゜Д゜)ゴルァ! あんたも遠くから見守って居てください。
NO.29 主
02/24(日) 14:07 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- ○真冬の夜中、母親の折檻を受けて外に追い出されて泣いていた女の子。
○朝、母親に起こして貰えず遅刻しても、泣きながら学校へ通った女の子。 ○学校給食が唯一のごちそうだった女の子。 ○たまに与えられる食事はカップラーメンで、近所で家畜用のパンの耳を貰って美味しそうに食べていた女の子。 ○カップラーメンのお湯が無くて、途方に暮れて外をとぼとぼ歩いていた女の子。 ○お湯がどうしても手に入らないときは、カップラーメンを生で囓っていた女の子。 ○空腹のため学校で倒れた事がある女の子。 ○汚い洋服を着せられて、風呂にも入れて貰えず悪臭を漂わせていた女の子。 ○給食代や修学旅行の積立金を払えなくても、母親をかばおうとした女の子。 ○真冬雪が降る中、外に出されて震えているのを、近所の人が見かねて車に乗せようとしても母親に気を遣ってかたくなに拒んだ女の子。 ○十円玉と一円玉が数枚入った、小さな青い財布を宝物のように大切にしていた女の子。 ○店先で無料の飴を貰うとき、自分の分の他に必ず母親の分も貰ってうれしそうにお礼を言った女の子。
NO.30 主
02/24(日) 14:07 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- ○親子同伴が条件のプールへ一人で行って入場を断られたとき、母親の病気のことを
説明して母親の悪口は誰にも言わせまいとした女の子。 ○母親と出かけた時、母親に話しかけても手を差し伸べても無視され続けた子。 ○お菓子を手に入れたときは自分で食べずに近所の大人に「これ、あげる。」と言って、会話の相手になって貰おうとした女の子。 ○やさしそうな山菜取りのお年寄りに、会話の相手になって貰えるとうれしくてその後をついて歩いてしゃべり続けた女の子。 ○いつも一人でしゃべりながら、いつも一人で遊んでいた女の子。 ○下校時間、同級生のグループからぽつんと離れて、一人でとぼとぼ家路をたどっていた女の子。 ○ブランコ乗せてくれたり遊んでくれたり、小さな子にとっては優しいお姉さんだった女の子。 ○特定の男の子に背中蹴られたり顔に雑巾ぶつけられたり執拗な苛めを受けても、黙ってそれに耐えていた女の子。 ○苛められても何を言われても黙って下を向き、時々涙をぽろぽろと流していた女の子。
NO.31 主
02/24(日) 14:14 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 今だったら本当、捕まってるぐらいの暴力親父。
テレビの世界にだってこんなヤツいないよってぐらいにうっとうしい親父だった。 母は耐え切れずに俺と兄貴を置いていったらしく、物心ついたときにはいなかった。 くる日もくる日も殴るける。灰皿を投げつけられて病院行った事もあった。 中学何年生かは忘れたけど、大喧嘩して家を出てったの。女つれこんでるのは 知ってた事だったから親父は俺を探そうとしないだろうから嬉しいのか悲しいのか 複雑な思いでふらついてて結局友達の家に一日だけ泊まって帰るという約束で 入れてもらったんよ。でも、その夜、親父が知るはずもない俺の友達の家にとびこんできて 何もいわずに俺を引っ張ってつれて帰ったの。 そのときはやっぱ「またブン殴られるのかな」「また病院いきかな」「今日で俺しぬのかな」 とか思ってた。 ところが家に帰っても何も言わずにずっと黙ったままで。 んで気まずくて息もできないくらいで早く時間過ぎろって思ってて。 そしたらいきなり「俺がしんだら泣いてくれるか」なんて言ってて「はぁ?」 って風にしどろもどろしてたの。んで淡々と今までの事とか親父の子供のころとか 喋って、最後に「今までごめんよ」って言って。その間俺身動き一つできなかった。 何をいきなりこんな事言ってるんだって。親父が憎いとかそんなこと思う余裕なくて 考えてたの。もちろん兄貴も話を聞いてたらしくて後から話し合ったけど、結局わからなくて。 その三日後に親父がしんじゃったの。ほんとにコロっと。病院の先生からよれよれの 手紙を手渡されてね。兄貴と二人でよんだ。ひたすらに謝ってる手紙。 アルコール中毒で手も思うように動かせない汚い字で。 その手紙の最後に「玄関の梁の下に酒がある。あと十年後、おまえ達が大人になったら 俺の仏壇の前で飲んでくれ。」って書いてあった。 その時なぜか涙が出て、恨みこそすれあんなに殺したがっていた親父が しんじまったって。 明日、ちょうど約束の十年目。兄貴は俺が十八のときに肺炎で死んだ。 一人身の俺は明日、三人で酒を酌み交わす。
NO.32 主
02/24(日) 14:14 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- おととしの、秋の話しです。
私が小学校5年の時に家をでて、居場所のわからなかった母に、 祖母の葬式の時、23年振りで、顔をあわせました。 その時、母の家に遊びに行く約束をしました。
その日は、私が料理を作りました。 ハンバーグと肉じゃがと、簡単なサラダです。 2人で食事をして、お酒を飲んで、 はじめはあたりさわりのない話しをしてましたが、 だんだん、「何故いなくなったのか?」という話しになりました。 母はたんたんと話します。 私も、母がつらくならないように、途中、冗談を入れながら、 聞きました。
帰る時、「今日はおかあちゃん、なんもできひんかってごめんな。」と、 言ったので、私は「ほな、残ったごはんで、おにぎり作って」と言いました。 母は、「そんなんで、ええんか」と笑いながら作ってくれました。
帰り、駅からタクシーに乗りました。 今日のことを思い出しているうちに、不覚にも涙がててきました。 運転手さんがびっくりして、「気分悪いんか?」と 聞かはりました。私は、 「いえ、なんか、嬉しくって、泣けてきちゃったんです」と、 泣き笑いしながら、運転手さんに、今日の事を短く話しました。 すると、運転手さんも一緒に泣き出してしまいました。 「よかったな、よかったな」と鼻水まですすってました。
家に持って帰ってきたおにぎりは、冷凍庫にいれて、 元気のない日に、1コづつ、大事に大事に、食べました。
NO.33 主
02/24(日) 14:16 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼 いつだったか、オレの祖父が入院する前に夢を見たんだよ。それでオレ朝目が覚めてお袋に聞いたんだ。 「爺ちゃん大丈夫だよな?何も病気とか無いよな?」 心配だったからね。その時は全然大丈夫だと思ってた。 実際元気な爺ちゃんでよく家に棚とか据え付けてくれたり、 頼んでも無いのに何かと色々世話をしてくれたり。 いい祖父だったよ。 それから1週間ぐらいかな。 突然お袋に爺ちゃんが入院したって聞かされたのは。 肺炎をこじらせただけだって、その時は聞かされて、しばらくすればすぐにでも退院できるって聞かされた。 入院した時はまさかとは思ったけど、安堵したよ。そして1ヶ月ぐらい時が過ぎて祖父の病名が発覚してさ、 末期の肺ガンだった。 早急に市内のヤブ医者経営の個人病院から国際病院に移ったんだ。 御袋から聞かされて、その時は何にも感じなかったんだよね。 そうか。もう直ぐかって。 けど、実際は半年ぐらいの余命だって言われてさ。 なんて言うか、この時はその言葉を信じない方がよかったんだと思う。 その時聞かされた”半年”って余命で爺ちゃんに何をしてやろうか、とか色々考えたけど、 オレはなんて言うか、そう言う爺ちゃんの喜ぶ事、考えれなかったんだよね。 んで、ずるずる暫く爺ちゃんと顔合わせれなかったんだよ、 都合があって。言い訳なんだよな。都合なんかそんなモンいらないハズなのに。 4回。病院に入院している爺ちゃんと会った。 最悪だった。後悔してるよ。 たったそんな回数しか会ってやる事ができなかったんだ。 そうそう、オレには弟がいて、かなり年が離れてるんだよ。 今は5歳ぐらいでさ。それでオレが”下らない用事”とやらに呆けてる時、 その弟と姉と御袋で爺ちゃんに会いに言ったんだ。 爺ちゃんの姿を見た事態も把握してない筈の弟は、爺ちゃんの弱々しい姿を見て泣き出したらしいんだよ。 それで、その話を聞いた時オレはやっとその時早く会わないと、って思い始めたんだ。 大勢が居るの共同の病室に一度いった後、病状悪化の為、 個室に移った後もう一度病院に足を運んだよ。
NO.34 主
02/24(日) 14:16 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 行ったよ。
会ったよ。 泣いたよ。
表面上じゃ泣けなかったな。 泣きゃよかったんだよ。けど爺ちゃんが心配するとヤだからな。 クダラネェ。泣きゃよかったんだけどさ。泣かなかったよ。 必死こいてヘラヘラして爺ちゃん少しでも笑わせようとした。 目頭が何度も熱くなりそうになるのをこらえ、爺ちゃんは起きれもしないくせに、 起き上がろうとしてオレに食べ物なんか食べろって、ろれつもろくに回らない癖に。周りに心配すんだよ。 それで満足するならって思って喰いたいとも思わないけど。 オレ、必死で喰うんだよ。 もう、そんな歳でもない筈なのに小遣いやるとか言われたり、 いつもは貰わなかったよ。オレ、笑って貰ったんだよ。 それで、もう無理なの解ってるのにオレ言うんだよ 「お爺ちゃん。元気んなったら、また釣りにいこう!。」 自分でそんな言葉いっておきながら危なく泣きそうになった。
それから本当に直ぐだったよ。次の朝に突然電話が掛かってきて。 「危ない」って。
NO.35 主
02/24(日) 14:16 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 従姉妹の姉ちゃんの車に乗せられて病院に向かったんだよ。
意識が無かったよ。昨日は多少喋れた筈だったのにさ。 容態は著しく不安定で。 もう、いつ死んでもおかしくない状態でさ。
抗がん剤を投与して一時安定してるだけでさ、 苦しんでるのが顔から嫌な位伝わってきた。 オレ、その時、声かけてやれなかった。
声が出ないんだよ。
それで直ぐ席から立ち上がって 窓の外眺めてた。 意味もないのに。 これからいままで優しくしてくれた祖父の事、 ずーっと、考えてた、 色々でてきた、釣りの日の事、 爺ちゃんの家泊まりに行って、布団隣に引いて寝た事。
窓の方、向きながら、泣いてた。
なんとか涙拭いてさ、振り返るんだよ。 喋ると、泣いてたせいで鼻つまってるのばれるからさ、 なるべく喋んないように。 それで姉とか弟に適当に冷静ぶって何か言ったんだよ。 「泣くな」とかって、そうすると オレの顔見た姉は何も言わないでまだ泣いてたんだけど 「アンタも泣いてたんじゃないの」とか言われたね。
NO.36 主
02/24(日) 14:17 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 暫くしたらもう病状は急変したよ。
突然苦しみだして息も絶え、絶え。 鼻に管刺さってるんだよ。 何でか解んないけど管がささってたんだ。 爺ちゃんが苦しむと同時にそこから何かどす黒い液体が流れ出てきて、 ベッドの下にぶら下がってる袋に溜まってくんだ。 また泣きそうになった。 必死に押しつぶしてきた感情が溢れだしそうになったよ。
「あ……ああ…!!」
「爺ちゃん!!」
やっと声がでた。 喋れた。 もっと、何か言わなくちゃ。何か言わなくちゃ。 そう思った。
NO.37 主
02/24(日) 14:17 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- それからずっと爺ちゃんに声をかけてた。
意識が無いから聞こえないと解っていても 声をかけつづけたよ。
暫くしたら、叔母が駆け込んできたんだ。 爺ちゃんの息子。いわゆる叔父と結婚した叔母なんで、 なんつーか、仲が結構悪かった筈なんだよ。 色々、叔父が家庭的な問題抱えてたせいもあって、 だから、てっきり何か変な事でも言うのかと思った。
「ごめん!!お爺ちゃん!!遅くなっちゃった!!」
泣いてたんだよ。 泣きまくりだったね。 鼻詰まって顔赤くしてあんま言葉になってないやんとか思ったよ。
それからずっと励ましまくったよ。 聞こえていようが聞こえていなかろうが、
最終的には祖母、従姉妹2人(本当は3人いるんだが仕事でいなかった) 従姉妹の叔母、母方の叔母、母、オレ姉、弟、オレが病室に集まった。
そのうち弟もガキで状況解らない筈なのに泣き出して 一緒なって何度も何度も爺ちゃんって呼んだんだよ、 やっと何度でも言える様になった。
NO.38 主
02/24(日) 14:18 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 「爺ちゃん!!。爺ちゃん!!。」
やっと泣ける様になった。 もう我慢なんかできる状態じゃなかった。 泣き出したオレの顔を見て婆ちゃんは握っていた爺ちゃんの左手を オレに握らせてくれた。 ただ、ただ、泣きながら、何も反応してくれない 爺ちゃんの手を握りながら、何度も何度も爺ちゃんの手を握った。 30分ぐらいそうしてた。
そして、もう息をする回数が少なくなってきていた。 息の仕方も喉に”たん”がつまってる感じで 息を吸うときにガラガラと音がした。 本当に生きて欲しかった。ただ生きて欲しかった。 息をしてないと思ったら何度も何度も爺ちゃんの手を握った。
…突然止まった
オレは涙ボロボロ流しながらすぐさま叫んだよ 「爺ちゃん!!」 「何やってんだよ!!」 出せる限りの大きな声で、叫んだんだ。
「はーい!…」 ボソボソっとした声だったけど確かにそう叫んだんだ。 解るわけねぇのに、意識、無い筈なのに。 息もろくにできねぇのに。
もう髭が生えて痩せこけた爺ちゃんに頬擦りしたよ、 最後だったから。もう、爺ちゃんの暖かさ、感じる事できないから。 最後だから。
NO.39 主
02/24(日) 14:21 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- そして祖母が泣きながらこう言ったんだ、
「お爺ちゃん、もう頑張ったから。 お兄ちゃん(叔父)これなかったのしょうがないから。 休んでいいよ。もう頑張ったから。」
けど、俺はそう祖母がいってもやっぱり我慢できなかった、 ひでぇやつだよ。俺は。 苦しんでる爺ちゃんに何度も何度も叫んでさ。
そして、直ぐだった。 医者と看護婦が2人部屋にはいってきて、 ヘンな機械見て。
すぐその後、自分の腕時計みて。
ああ、そうか。って。
余談だけど、 その後、直ぐその医者の携帯が軽快な着メロを爆音で垂れ流しだしたんだよね。 その時は本気でその医者ぶちこ ろそうかと思ったよ。 病院だろこことか思った。
って言うか辛気臭くなっちまった。すまん。 しかも、やけに長くなったんで。 半荒らしかな?…。(´д`;)
NO.40 主
02/24(日) 14:22 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 落ちます(´・ω・`)
昔のわからないんで わかる人はってくれたら 嬉しいです 残ればいいな でわ!
NO.41 おやくどん
02/24(日) 14:25 IP:59.139.101.207 謎2621244
削除依頼- やばい涙止まらない
NO.42 ぴの
02/24(日) 16:18 IP:219.192.210.45 謎1071529 イチゴ☆
削除依頼- 前スレの載せてく\(^o^)/
小1の秋に母親が男作って家を出ていき、俺は親父の飯で育てられた。 当時は親父の下手くそな料理が嫌でたまらず、 また母親が突然いなくなった 寂しさもあいまって俺は飯のたびに 癇癪おこして大泣きしたりわめいたり、 ひどい時には焦げた卵焼きを親父に向けて 投げつけたりなんてこともあった。 翌年、小2の春にあった遠足の弁当もやっぱり親父の手作り。 俺は嫌でたまらず、一口も食べずに 友達にちょっとずつわけてもらったおかずと 持っていったお菓子のみで腹を満たした。 弁当の中身は道に捨ててしまった。 家に帰って空の弁当箱を親父に渡すと、 親父は俺が全部食べたんだと思い 涙目になりながら俺の頭をぐりぐりと撫で、 「全部食ったか、えらいな!ありがとうなあ!」 と本当に嬉しそうな声と顔で言った。 俺は本当のことなんてもちろん言えなかった。 でもその後の家庭訪問の時に、 担任の先生が俺が遠足で弁当を捨てていたことを親父に言ったわけ。 親父は相当なショックを受けてて、 でも先生が帰った後も俺に対して 怒鳴ったりはせずにただ項垂れていた。
一旦切
NO.43 ぴの
02/24(日) 16:18 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- さすがに罪悪感を覚えた俺は気まずさもあってその夜、早々に布団にもぐりこんだ。
でもなかなか眠れず、やっぱり親父に謝ろうと思い親父のところに戻ろうとした。 流しのところの電気がついてたので皿でも洗ってんのかなと思って覗いたら、 親父が読みすぎたせいかボロボロになった料理の本と遠足の時に持ってった弁当箱を見ながら泣いていた。 で、俺はその時ようやく、自分がとんでもないことをしたんだってことを自覚した。 でも初めて見る泣いてる親父の姿にびびってしまい、謝ろうにもなかなか踏み出せない。 結局俺はまた布団に戻って、そんで心の中で親父に何回も謝りながら泣いた。 翌朝、弁当のことや今までのことを謝った俺の頭を親父はまたぐりぐりと撫でてくれて、 俺はそれ以来親父の作った飯を残すことは無くなった。 親父は去年死んだ。病院で息を引き取る間際、悲しいのと寂しいのとで頭が混乱しつつ涙と鼻水流しながら 「色々ありがとな、飯もありがとな、卵焼きありがとな、ほうれん草のアレとかすげえ美味かった」とか何とか言った俺に対し、 親父はもう声も出せない状態だったものの微かに笑いつつ頷いてくれた。 弁当のこととか色々、思い出すたび切なくて申し訳なくて泣きたくなる。
NO.44 ぴの
02/24(日) 16:19 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 小学生のとき、少し足し算、引き算の計算や、会話のテンポが少し遅いA君がいた。
でも、絵が上手な子だった。 彼は、よく空の絵を描いた。 抜けるような色遣いには、子供心に驚嘆した。
担任のN先生は算数の時間、解けないと分かっているのに答えをその子に聞く。 冷や汗をかきながら、指を使って、ええと・ええと・と答えを出そうとする姿を周りの子供は笑う。 N先生は答えが出るまで、しつこく何度も言わせた。 私はN先生が大嫌いだった。
クラスもいつしか代わり、私たちが小学6年生になる前、N先生は違う学校へ転任することになったので、 全校集会で先生のお別れ会をやることになった。 生徒代表でお別れの言葉を言う人が必要になった。 先生に一番世話をやかせたのだから、A君が言え、と言い出したお馬鹿さんがいた。 お別れ会で一人立たされて、どもる姿を期待したのだ。
私は、A君の言葉を忘れない。
「ぼくを、普通の子と一緒に勉強させてくれて、ありがとうございました」
A君の感謝の言葉は10分以上にも及ぶ。 水彩絵の具の色の使い方を教えてくれたこと。 放課後つきっきりでそろばんを勉強させてくれたこと。 その間、おしゃべりをする子供はいませんでした。 N先生がぶるぶる震えながら、嗚咽をくいしばる声が、体育館に響いただけでした。
NO.45 ぴ
02/24(日) 16:19 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 高校の頃、英語の授業に20代前半の結構イケメンなアメリカ人教師が来た。
授業は一人一人アメリカ人先生に名前を呼ばれ、前に出てマンツーマンで話をするっていう形式。 先生には授業前に生徒の名前をローマ字に直したプリントを渡してた。
授業が始まると片言の日本語で挨拶をする先生に女子連中はキャーキャー言っていたけど それを結構厳しい口調で注意するような真面目な先生だったので、みんな真剣に授業に臨んでた。 授業は順調に進み、結構人気のあった女子の「新保(しんぽ)さん」の番になった。 先生はそれまでやってきたように大きな声で彼女の名前を呼んだ。
「ジャアツギノヒトネ。ンーーアーー・・・ちんぽ!ちんぽサン!」
生徒は一瞬凍りついた。教室にいた全員が瞬時に「笑ってはいけない!」と思った。 でも、たぶん「シンポ」と言っているんだろうけど、どう聞いても日本語の「ちんぽ」だったし 「それまで片言だったのに、なぜよりによって「ちんぽ」の発音だけがこんなにもネイティブなのか」とか 「なぜか「ちんぽ」に敬称を付けている」とか考えだすとみんな耐えられなくなった。 結局新保さん以外の全員が爆笑。新保さんは顔を真っ赤にしてうつむいていた。
その様子を見ていたアメリカ人先生は状況が飲み込ていないようなのだが、 生徒の一人がみんなの笑いものになっている状況だけは理解できたのだろう 突然般若のような顔になりその爆笑をかき消すかのような大声で「シャァァラッップッ!!」と全員を一喝した。 その表情とテンションの凄さに、教室は水を打ったように静まり返った。 しかし先生の怒りのボルテージは上がったまま。 新保さんの肩に手を置くと「ナンデ?ナンデミンナちんぽをワラウ?ちんぽガナニカシタ?」 全員が「まずお前のせいだ。あと男性生殖器の名称を連呼するのをやめてください」と思っていたと思う。 その後、慰めようとしたのだろう、先生はやさしい口調でうつむいて座っている彼女に語りかけた。
「ちんぽゲンキダシテ。マエニキテクダサイ。ちんぽスタンドアップ!」
新保さんも笑った。
ちょっと気分を変えて\(゜∀゜)/
NO.46
02/24(日) 16:20 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- オレは小さい頃、家の事情でばあちゃんに預けられていた。
当初、見知らぬ土地に来て間もなく当然友達もいない。 いつしかオレはノートに、自分が考えたすごろくを書くのに夢中になっていた。 それをばあちゃんに見せては 「ここでモンスターが出るんだよ」 「ここに止まったら三回休み〜」 ばあちゃんはニコニコしながら、「ほうそうかい、そいつはすごいねぇ」と相づちを打ってくれる。 それが何故かすごく嬉しくて、何冊も何冊も書いていた。 やがてオレにも友達が出き、そんなこともせず友達と遊びまくってたころ 家の事情も解消され、自分の家に戻った。ばあちゃんは別れる時もニコニコしていて、 「おとうさん、おかあさんと一緒に暮らせるようになってよかったねぇ」と喜んでくれた。
先日、そのばあちゃんが死んだ。89歳の大往生だった。 遺品を整理していた母から、「あんたに」と一冊のノートをもらった。 開いてみると、そこにはばあちゃんが作ったすごろくが書かれてあった。 モンスターの絵らしき物が書かれていたり、何故かぬらりひょんとか 妖怪も混じっていたり。「ばあちゃん、よく作ったな」とちょっと苦笑していた。 最後のあがりのページを見た。「あがり」と達筆な字で書かれていた、その下に
「義弘(オレ)くんに友達がいっぱいできますように」
人前で、親の前で号泣したのはあれが初めてでした。 ばあちゃん、死に目に会えなくてごめんよ。そしてありがとう。
NO.47
02/24(日) 16:20 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 大学時代の同級生仲間で、1年の時から付き合ってるカップルがいました。
仲良しで、でも二人だけの世界を作ってるわけじゃなく、みんなと仲良くしてました。 私は女の方の一番の友達だったんだけど、彼氏とも仲良くしてたわけです。 大学を卒業しても交流があったし、何度か会った時も二人は一緒で、 本当に仲良しだなァって思ってたわけです。 最後に3人で会った時、「結婚しないの?」って聞いたら、「うん、まあね…。」とお茶を濁す様な返事。
その後、彼女が病気だった事がわかって入院して、 彼は仕事の行きと帰りに欠かさず彼女のお見舞いしてました。私も何度も行きました。 病名は水頭症(脳腫瘍の一種?)でした。 結局、治療も空しく、彼女はこの世の人ではなくなってしまったんです…。 私たちが25歳の夏でした。 お通夜と告別式の手伝いに行った時、喪服を着てチョコンと座ってタバコを吸っている彼に、 「…、なんて言って良いか、わかんないよ…。」と泣きながら私は言いました。
すると彼は、 「そうだね。でも、これでアイツが他の誰の物にもなら無い事が決まったしね。」 と、ニッコリと笑顔で言いました。
私は耐えられなくて号泣。それでも彼は殆ど無表情で、まあまあと私の肩を抱いてくれました。 出棺の時、「これが最後のお別れです。」って式場の人が言った途端、彼は耐え切れなくなって、 崩れるようにボロボロと涙を流し始めました。
子どもの様に、大きな声をあげて。 その姿を見て、またしても私は号泣でした。
NO.48 どるちぇ
02/24(日) 16:20 IP:220.49.212.14 謎4878314 はなやさん☆
削除依頼- >>45
またそれかよwwww
NO.49 p
02/24(日) 16:20 IP:219.192.210.45 謎0095140 チェリー☆
削除依頼- 数日後、少し落ち着いてから、彼と会いました。見て欲しい物があるって。
それは彼女が昏睡して意識を失う前に書いた、最後の手紙だったんです。
彼が、「俺はね、アイツを励まそうと思って、『結婚しようよ。』って言ったんだ。 そうしたら、アイツは『病気が治ったら結婚届けを出そうね。』って言ってた。 俺は『間違いなく治るからさ』って励まして、役所に行って結婚届け貰ってきた。 でも俺は本当はもう無理だって知ってたんだ。でも励ましたかったんだ。 アイツが死んだ日に、アイツのお父さんが黙ってこれを渡してくれた。」
と言って、私に手紙を渡してくれました。中には見慣れた彼女の筆跡でこう書いてありました。
「うそつき。でも凄く嬉しかった。 本当にそうなったらなって何度も思いました。 私にはあなたの代わりはもう見つからない。 だから私はずっとあなたの物。 だけどあなたの代わりはいるんだよ。 気にしないで良いからね。 落ち込んだあなたを、きっと一番励ましてくれるだろう人が誰なのかは、わかってるから。 その人にこの手紙を見せてあげて下さい。 本当にありがとうございました。じゃあね!」 って。
私はその手紙を見て、人前なのにまたしてもボロボロに号泣してしまって。 彼が、「それは多分、君の事なんじゃないか?」って。
うん。私は前から彼が好きだった。 あれからずーっと引きずってる彼と仲良くして4年。 今度結婚します。
NO.50
02/24(日) 16:21 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 犬が死んだ。
朝、俺が仕事行く時は、元気に尻尾ふりながら、近づいてきたのに。 遅刻しそうで時間なかったからいつもみたいに頭や体、グシャグシャって撫でたのかどぉかもおぼえてない。 朝飯の卵焼きを一口食わしてやった事しかおぼえてない。 そんなんが最後かよ。 急すぎて、死んだって聞いた瞬間意味不明。 ことばもぉ、腹をなでなでできへんのやな。 膝枕してやるのも、顔じゅう舐められて起こされる事もないんやな。
ペットが死んで生活や精神状態におっきな支障が出る人とか、今までよくわからへんかった。 そこまでペットに感情移入できへんって考え。 けど、お前に死なれて初めてわかったわ。 切ないし、むなしいし、悔しいし、涙出るし。 死んだその日にこんなん言うのアレやけど、また犬飼いたい。 つぅか飼う。 こんな悲しいのに、そぉやって思えるの、お前のおかげ。
家庭内でほんま嫌になる事ばっか続いて、皆がまいっとる時、家族皆がお前に癒されました。 お前が家に来てなかったら、今ごろ家族バラバラなっとるかもなぁって思うわ。 俺が精神的にも金銭的にも追い詰められとる時、お前がいつもみたいに尻尾ふりながら近づいて来て、いつもみたいにお前をなでたら、なんか知らんけど涙出そうなって、その後、絶望的な気分が少しマシになってた。 短かったけど、俺や家族にお前がくれたものは、本当に大きい。 こんな事を書いても人間違うし、死んでしまっとるお前にはわからへんやろぉけど、ほんまにありがとうな。
NO.51 ぴ
02/24(日) 16:21 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 私のおじいちゃんは、私が小学3年生の頃に亡くなりました。
おじいちゃんはガンでした。 さまざまなところに転移していて、手術を何度も何度も繰り返していました。 その亡くなるまでのお話です。
私にはお姉ちゃんと妹がいます。 おじいちゃんは、なぜか私を一番好いてくれていました。 電話で、お母さんへの用事が済むと 「●●にかわってくれんか」 といって、私と長電話をすることも少なくありませんでした。
おじいちゃんは一度だけ音楽会に来てくれたことがありました。 そのとき、とてもとても太っていました。 もちろん、なくなるまで痩せることはありませんでした。 おじいちゃんが会場に入った途端、客席からどっと笑いがでました。 後ろに居た保護者も、口に手を当てて笑っていました。 そのとき、どんなに辛かったことか。 おじいちゃん自身も、私も。 たまらなく悔しかったけれど、見てみぬふりをしました。
おじいちゃんの3回目の手術のときに、姉妹3人で手紙を書きました。 しゅじゅつがんばってね。 またぜったいにあそぼうね。 でんわしようね。 おはなししようね。 確かそんな内容だったと思います。 手術の3時間くらい前に、家族で手紙を渡しにいきました。 それがおじいちゃんの最後でした。 何も話すことが出来ませんでした。
私はとても後悔しています。 おじいちゃんのことを笑ったみんなのことを 許してしまったことを。 がんばってね そのたった一言を 直接言えなかったことを。 こんな後悔を、みなさんがしませんように。
NO.52 ぴ
02/24(日) 16:21 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 小1の頃、ばあちゃんに旅行の土産にと「ドラクエ2」を頼んだ。
でも買ってきたのは黄金に輝くソフト
「ドラゴンバスター」。
当時60歳くらいだったばあちゃんにはそんな違いわかるはずも無いのに 俺はばあちゃんが憎くて、
「ばあちゃんなんか嫌いだ!!」
といってその日は一言もばあちゃんと話さなかったっけ。
物心ついたときから毎日いっしょに寝てたばあちゃん。 でもその日だけは両親と一緒に寝たんだ。 ばあちゃんその日は寂しかったろうな。
んで、次の日学校から帰ってしょうがなく「ドラゴンバスター」をやってみた。 そしたらこれが以外に面白い。 夢中になって遊んでいるとばあちゃんが突然部屋に入ってきて、 「ごめんなぁ。○○○。ばあちゃん馬鹿だがらわがんねくてよぅ・・・(山形弁)」
俺はゲームに夢中で 「もういいから!入ってくんな!!」
そう言われた時のばあちゃんほんとに悲しそうな顔してた。 でも、「ドラゴンバスター」が面白かったから怒りなんてとっくに忘れて その日はいつもどおりばあちゃんの部屋に行った。
布団に入るとばあちゃんがぎゅっと抱きしめてくれた。
俺はその日ばあちゃんに抱きしめられながらばあちゃんの腕枕で眠った。
ばあちゃんが死んでもうすぐ5年。 ばあちゃん、あの時は本当にごめんね。
急病で亡くなったばあちゃんに俺は何もしてあげられなかったけど、 一人暮らししている今でもあの「ドラゴンバスター」は大事に持ってるよ。
ばあちゃん、いろんな思い出をありがとう。
NO.53
02/24(日) 16:23 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 今日、走ってくる自転車の前にふらふらと飛び出したおばあちゃんがいた。
ティッシュ配りのバイト中だった私がそれに気付いて危ない!と思った瞬間には 自転車の兄ちゃんが急ブレーキかけつつ 「危ねーだろがババア!」と怒鳴ってた。
確かに完全にそのおばあちゃんの不注意でのことだったんだけど、 でもそんなキツイ言い方しなくても…と、思わず2人の間に割って入ろうとした。 んだけど、私が「ちょっと…」って言いかけたその時にその兄ちゃんは
「おめぇーが死んだら孫とかじじいとか悲しむだろが!!」と。
あまりにも予想外だったその言葉に、私含め周囲は思わずポカーン。 で、謝るおばあちゃんにその兄ちゃんは更に
「うるせーないいから荷物かせ!カゴ入れてってやっから貸せ!つーかケガねぇのかよババア!ああ!?」
と、脅してんのか気遣ってんのかわかんない発言。 結局その兄ちゃんはおばあちゃんに付き添って来た道を引き返していった。 カゴにはおばあちゃんの荷物。ティッシュ配りながら2人をコッソリ見送ってたんだけど、 おばあちゃんと兄ちゃんは何か色々喋ってるみたいでおばあちゃんも笑顔外だった。 20分ぐらいしてから再度自転車で戻って来たその兄ちゃんにティッシュ渡しながら 「優しいですね」って言ったら、 「別に優しくねーよ!」とちょっと怒ったみたいに言われた。
でもその後で小声で 「ババアやジジイを大事にすんのは別に優しいとかじゃなくて普通のことだろがよ」 と言ってるのもちゃんと聞こえた。しかもちょっと顔が赤かった。
本気で惚れそうになった。
NO.54 ぴ
02/24(日) 16:23 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 私には大好きな友達がいた。
たくさんけんかしたけど、すぐ仲直りした。 私が高校受験で受かったときには、自分のことのように泣いて喜んでくれた。 高校はばらばらになっちゃったけど、 駅でいつも会ったり、休みの日は毎週遊んだ。
そんな友達に悪夢が襲い掛かった。
―――――白血病
皆一度は耳にしたことがあるだろう。 私は信じられなかった。 なんで? なんで? なんで病気は友達を選んだの? 今までで、1万回以上この言葉を思っただろう。
それとは裏腹に、友達は元気だ。 笑顔を絶やさずに・・・。 「そんなの元気なパワーでなおしたる!」 ってよく言ってた。 でも見てしまった。 私が見てないところで泣いてたのを。
声を殺して泣いてたのを・・・。
しかし様態は急変。 12月26日午後3時12分 17歳という若さで亡くなった。
痛かっただろう。 辛かっただろう。 怖かっただろう。
涙があふれてきた・・・。
ふと携帯を見てみると。
「新着メール1件」
誰だろう、と思いながらメールを開く。
「あんたが友達でよかった。 私は幸せ者です。 たくさんの思い出ありがとう、 じゃあ元気でね★ バイバイ^^
・・・・fromあんたの最高の友達」
このメールを受信した時間が12月26日午後3時12分。
私は驚いた。 でも、すぐに涙が出てきた。 涙は止まらなかった。 送り返せるのであれば、送り返したい。 天国にはメールがないのだろうか・・・。
多分誰も信じてくれないだろう。 そう思いながら私はそのメールを保護メールに設定した。
NO.55 ぴの
02/24(日) 16:23 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 大塚愛のプラネタリウム知ってますか?
大塚愛がその曲を作詞した理由みたいなので、感動しました。 では、載せます
大塚愛の元彼が手首の骨がボキボキに折れて亡くなったらしくて プラネタリウムは大塚愛がその彼を想って作った曲らしいです。 そしてMステかどうかは分からないんですけど、歌番組でプラネタリウムを歌ったとき みんな拍手とかするじゃないですか? その時お客さんの中に拍手を逆?にしていた人がいたらしいです。 (説明しにくいんですが、手首と手首で拍手するような・・・;) それを大塚愛が見て怖くなったんで 大塚愛はその人?(幽霊?)を見ないように 上を見て歌ってたらしいですよ。 説明ヘタですいません;
手首で拍手っていうのは骨がボキボキに折れたっていう彼氏を表現したっていう・・・ わかりずらいですね;;
NO.56
02/24(日) 16:24 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- ある男はろくに働かず、毎日ふらふらしていた。
自分の死期が近いことを悟っていた彼の父親は、 遺産をただ息子に譲るだけでなく、 息子が一生懸命働くように改心させたかった。 そして、それでもどうしても首が回らなくなったときだけ 金を受け取れるよう、一計を案じた。
その男は父親の死後、手紙と鍵を受け継いだ。 手紙には、「どれだけ頑張っても報われなかったら、 この鍵で扉を開けてみなさい」と書かれていた。 父に養ってもらえなくなった彼は、その後頑張って働いてみたが 生活はよくならず、困った末に手紙のとおり部屋の扉を開けてみた。 そこには天井から首吊り用のわっかが作られたロープが下げられているだけで、 他には何も無かった。 「死 ねって言うことかよ!」 男は憤慨し、それからは心を入れ替えてがむしゃらに働いた。 それでも、生活が良くなることは無かった。 男は心底絶望を感じ、例のロープで自殺を図った。 しかしロープに体重がかかると天井が崩れるように仕掛けがされており、 その上に隠してあった父の貯金が大量に彼の上に降り注いだ。
NO.57 ぴ
02/24(日) 16:24 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 京都市伏見区桂川河川敷で2月
1日、無職片桐康晴被告が、 認知症の母親を殺害して無理心 中を図ったとみられる事件の初 公判が19日に行われた。
事件内容は認知症の母親の 介護で生活苦に陥り、 母と相談の上で殺害した というもの
片桐被告は母を殺害した後、 自分も自殺を図ったが発見され 一命を取り留めた。
片桐被告は両親と3人暮らしだ ったが、95年に父が死亡。
その頃から、母に認知症の症状 が出始め、一人で介護したが、 母は05年4月ごろから昼夜が逆転。
徘徊で警察に保護されるなど 症状が進行した。
片桐被告は休職してデイケアを 利用したが介護負担は軽減せず、 9月に退職。
だが生活保護は、失業給付金な どを理由に認められなかった。
介護と両立する仕事は見つからず、 12月に失業保険の給付がストップ
カードローンの借り出しも限度額に達し、
デイケア費やアパート代が払えなくなり、
06年1月31日に 心中を決意した。
「最後の親孝行に」
NO.58 ぴ
02/24(日) 16:24 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 2月1日早朝、
片桐被告はこの日、車椅子の母 を連れて京都市内を観光し、 同市伏見区桂川河川敷の遊歩道で
「もう生きられへん。此処で終わりやで。」
そういうと母は、
「そうか、あかんか。康晴。一緒やで」
と答えた。
片桐被告が
「すまんな」と謝ると、母は、
「こっちに来い」と呼び、 片桐被告が母の額に くっつけると、母は
「康晴はわしの子や。わしがやったる」
と言った。
この言葉を聞いて、 片桐被告は殺害を決意。
母の首を絞めて殺し、 自分も包丁で首を切って 自殺を図った。
冒頭陳述の間、片桐被告は 背筋を伸ばして上を向いていた。
肩を震わせ、 眼鏡を外して右腕で涙をぬぐう 場面もあった。
裁判では検察官が片桐被告が 献身的な介護の末に失職等を経て 追い詰められていく過程を供述。
殺害時の2人のやりとりや
「母の命を奪ったが、 もう一度、母の子に生まれたい」
という供述も紹介した。
裁判の中で片桐被告は
「私の手は母を殺めるための手だったのか」
と言葉を残し、検察官の論告にまで
「哀切極まり同情の余地がある」
と加えられた。
目を赤くした東尾裁判官が 言葉を詰まらせ、 刑務官も涙をこらえるように まばたきするなど、 法廷は静まり返った。
東尾裁判官は被告人に対し
「献身的な介護で尽くした息子を、 母親は決して恨んでいない」
として、執行猶予つきの有罪判決を 言い渡した。
判決の言い渡しの後、東尾裁判官は
「本件で裁かれているのは 被告人だけではなく、 介護保険や生活保護行政の 在り方も問われている。 こうして事件に発展した以上は、 どう対応すべきだったかを、 行政の関係者は 考え直す余地がある。」
と言葉を残した。
NO.59
02/24(日) 16:25 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 4歳になる娘が、字を教えてほしいと
いってきたので、 どうすぐ飽きるだろうと思いつつも、 毎晩教えていた。
ある日、娘の通っている 保育園の先生から電話があった。
「○○ちゃんから、神様に手紙を 届けてほしいって言われたんです」
こっそりと中を読んでみたら、
「いいこにするので、 ぱぱをかえしてください。 おねがいします」
と書いてあったそうだ。
旦那は去年、交通事故で他界した。
字を覚えたかったのは、 神様に手紙を書くためだったんだ・・・
受話器を持ったまま、 私も先生も泣いてしまった。
「もう少ししたら、パパ戻って来るんだよ〜」
最近、娘が明るい声を出す意味が これでやっとつながった。
娘の心と、写真にしか残っていない 旦那を思って涙が止まらない。
NO.60 ぴ
02/24(日) 16:25 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- どうして私がいつもダイエットしてる時に(・∀・)ニヤニヤと見つめやがりますか(゜Д゜)ゴルァ!
どうして私が悪いのにケンカになると先に謝りますか(゜Д゜)ゴルァ! どうしてお小遣減らしたのに文句一つ言いませんか(゜Д゜)ゴルァ! どうして交代でやる約束した洗濯をし忘れたのに怒りませんか(゜Д゜)ゴルァ! どうして子供が出来ないのは私のせいなのに謝りますか(゜Д゜)ゴルァ! どうして自分が体調悪い時は大丈夫だと私を突き放して私が倒れると会社休んでまで看病しますか(゜Д゜)ゴルァ!
どうして妻の私に心配掛けたくなかったからと病気の事を隠しますか(゜Д゜)ゴルァ! おまけにもって半年とはどう言う事ですか(゜Д゜)ゴルァ! 長期出張だと嘘言って知らない間に手術受けて助からないとはどう言う事ですか(゜Д゜)ゴルァ! 病院で俺の事は忘れていい男見つけろとはどう言う事ですか(゜Д゜)ゴルァ! こっちの気持ちは無視ですか(゜Д゜)ゴルァ! 正直、あんた以上のお人よしで優しい男なんか居ませんよ(゜Д゜)ゴルァ! それと私みたいな女嫁にすんのはあんた位ですよ(゜Д゜)ゴルァ!
NO.61 ぴの
02/24(日) 16:25 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- もう一つ言い忘れてましたが私、お腹に赤ちゃん出来たんですよ(゜Д゜)ゴルァ!
あんたの子供なのに何で生きられないのですか(゜Д゜)ゴルァ! そんな状態じゃ言い出せ無いじゃないですか(゜Д゜)ゴルァ! それでも言わない訳にはいかないから思い切って言ったら大喜びで私を抱きしめますか(゜Д゜)ゴルァ! 生まれる頃にはあんたはこの世にいないんですよ(゜Д゜)ゴルァ! 元気な子だといいなぁってあんた自分の事は蔑ろですか(゜Д゜)ゴルァ! 病院で周りの患者さんや看護婦さんに何自慢してやがりますか(゜Д゜)ゴルァ! 病気で苦しいはずなのに何で姓名判断の本で名前を考えてやがりますか(゜Д゜)ゴルァ! どうして側に居てあげたいのに一人の身体じゃ無いんだからと家に帰そうとしますか(゜Д゜)ゴルァ! どうしていつも自分の事は二の次何ですか(゜Д゜)ゴルァ! 医者からいよいよダメだと言われ泣いてる私に大丈夫だよとバレバレの慰めを言いますか(゜Д゜)ゴルァ! こっちはあんたとこれからも生きて行きたいんですよ(゜Д゜)ゴルァ! それがもうすぐ終わってしまうんですよ(゜Д゜)ゴルァ! バカやって泣きそうな私を包んでくれるあんたが居なくなるんですよ(゜Д゜)ゴルァ! 忘れろと言われても忘れられる訳ないでしょ(゜Д゜)ゴルァ!
NO.62 ぴの
02/24(日) 16:26 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- >>&続き
昨日、デパートのポストカードなどに美しい水彩画と、A君のサインを発見いたしました。
N先生は今、僻地で小学校で校長先生をしております。 先生は教員が少なく、子供達が家から2時間ほどかけて登校しなければならないような 過疎地へ自ら望んで赴任されました。
N先生のお家には、毎年夏にA君から絵が届くそうです。 A君はその後公立中高を経て、美大に進学しました。 お別れ会でのN先生の挨拶が思い浮かびます。
「A君の絵は、ユトリロの絵に似ているんですよ。 みんなはもしかしたら、 見たこと無いかもしれない。 ユトリロっていう、フランスの人でね、街や 風景をたくさん描いた人なんだけど。 空が、綺麗なんだよ。 A君は、その才能の代わりに、他の持ち物がみんなと比べて少ない。 だけど、決して取り戻せない物ではないのです。 そして、A君は それを一生懸命自分のものにしようしています。 これは、簡単なことじゃありません!」
A君は、空を描いた絵を送るそうです。 その空はN先生が作り方を教えた、 美しいエメラルドグリーンだそうです。
NO.63 ぴの
02/24(日) 16:26 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 死ぬ一週間前に俺みたいな奴と一緒になってくれてありがとなですか、そうですか(゜Д゜)ゴルァ!
こっちがお礼を言わないといけないのに何も言えず泣いちまったじゃないですか(゜Д゜)ゴルァ! あんなに苦しそうだったのに最後は私の手を握りしめていきやがりましたね(゜Д゜)ゴルァ! 何でしに顔まで微笑みやがりますか(゜Д゜)ゴルァ!(゜Д゜)ゴルァ!(゜Д゜)ゴルァ! そんなのは良いから起きて下さい(゜Д゜)ゴルァ! 生まれてくる子供を抱いて下さい(゜Д゜)ゴルァ! 子供に微笑みかけて下さい(゜Д゜)ゴルァ! たのむから神様何とかして下さい(゜Д゜)ゴルァ! ダメ女な私にこの先一人で子供を育てろと言いやがりますか(゜Д゜)ゴルァ!
そんなあんたがしんで5ヶ月... 子供が生まれましたよ(゜Д゜)ゴルァ! 元気な女の子ですよ(゜Д゜)ゴルァ! 目元はあんたにそっくりですよ(゜Д゜)ゴルァ! どこかで見てますか(゜Д゜)ゴルァ! 私はこの子と何とか生きてますよ(゜Д゜)ゴルァ! あんたも遠くから見守って居てください。
NO.64 ぴ
02/24(日) 16:26 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- この恋
叶わないことはわかってる でもこの1年半… 苦しいことも 悲しいことも 辛いこともたくさんあって 毎日たくさん泣いた でも 楽しいことも 嬉しいことも そして幸せなことも たくさんあったから たくさん泣いた分、私は幸せだった 泣いてる私の傍に、黙っていてくれたよね ささいなことですれ違って お互いを避けてた時期もあったね 君は以外にも女好きで女友達が多くて 私は何回もやきもちをやいた 彼女でもなんでもないのに… でも長い間君を好きでいたから そういう所も全て好きと思えるようになった 女友達の多さに対してのやきもちも消えた 恋は苦しい でも愛は苦しくない きっとこれは恋が愛に変わった瞬間
何回気持ちを伝えようと思っただろう 何回君を諦めようと思ったかな? けどあたしはまだ君への気持ちは捨てない でも…気持ちは、思いは伝えない 何故かってそれは 君が好きだからだよ もう好きになりすぎた 君を愛しすぎた
好きだから告白するんじゃない 好きだから告白しないんだ 好きだから君に迷惑かけたくないし 好きだから君に大切な人ができたとき 君は「その人」と一緒になって 幸せになってほしいと思う 「その人」あたしじゃなかったら あたしはきっと泣き喚くて思う だってやっぱり好きだもん でもあたしは君が好きだから 今までで一番愛した人だから あたしが傷ついても 君が幸せになれるんならいいってくらい 大切な人だから あたしは君の人生の邪魔をしない ずっと見守ってるよ、君の幸せまでの道を ずっと同じクラスでホントよかった 仲良くなれてよかった 友達になれてよかった 傍にいれてよかったよ あたしは学生生活の全て 君を思っていました 今までありがとう 私の気持ちに気づかないでいてくれてありがとう
どこがいいかなんてわからない なんで好きかなんてわからない それでもあたしは君が好きだよ
だいすきな君 君は君の好きな人と 幸せになってね
大好きだよ
NO.65 ぴ
02/24(日) 16:27 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- ある日俺は、親父と大喧嘩した。
理由なんてほんのささいなこと。 父が勝手に、俺が楽しみに残しておいたアイスを勝手に食べた。 それに対して俺は、当時受験というものに追い詰められ 毎日がイライラで、キレやすい時期だったもんだから それはもうくるったように父に対してキレた。 母は俺に「そんなことで怒るな」だの「また買えばいい」だの横から口を挟んで くる。 母は正しいことを言っている。 でも俺は、母に対してもキレた。 「お前は黙ってろや。死 ね。」 と。 そして父にも 「人の食いもんばっか食うから、そんなに豚になるんだよ。死 ね。」 と怒鳴り散らした。 母と父は、俺を哀れんだような、悲しい視線を俺にむけた。 それにも俺はイラつき、そこにあったコップを 父目がけて投げてやった。 当たらなかったけど、部屋中にコップが割れた音が響きわたった。 俺は逃げるように、自分の部屋に戻って鍵を閉めた。 その日は風呂も入らず、そのまま俺はベッドに飛び込み、 イライラを押さえながら、眠りについた。
その時俺は、夢をみた。 俺は部屋から出て、リビングへ向かう。 そこには、包丁を胸の辺りに刺したまま横たわる母と 天井から釣り下がっている父の姿があった。 「親父!おふくろ!」 俺は大声で叫ぶ。 だけど2人は目を覚まさない。 俺の視界の中に、母の胸に刺さった包丁が入る。 その包丁を母から抜き取り、俺はそれで自分の首のあたりを切った。痛みはなかった。 俺はそのまま倒れる。倒れた瞬間に、俺は目が覚めた。
NO.66 ぴ
02/24(日) 16:27 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 体中、冷や汗でびっしょりだった。
目が覚めて、ここが自分の部屋だと確認した瞬間、すごくホッとした。 夢で良かった…と。 ふと時計を見る…午前9時15分。 今日は土曜日。学校は休みだが共働きの親は2人とも仕事。 だから2人は家にはいなかった。 2人がいないことを確認した瞬間俺は、すごく虚しい気分になった。 「謝れなかった…」 そして、夢のことを思い出し 「死 ねなんて言葉、簡単に言うものじゃないな」 と心の底から思った。 母と父が死 んだら、俺は困り、悲しむ、泣き喚くだろう。 「ただいま」と言う人が居なくなる。 「おかえり」と言ってくれる人がいなくなる。 本当に、夢で良かった。本当に恐かった。 死 ねなんて言葉…もう一生使わないでおこう。
俺は、現実のリビングに向かった。 ふと、冷凍庫が目に入る。 俺は、冷凍庫のトビラを開けてみた。 するとそこには、昨日父が食べてしまったアイスと、 「ごめんな」 と一言書いてある、一枚のメモが置いてあった。 俺はそれを見た瞬間、何か目からしょっぱいものが溢れ出てきた。 俺は、急いでコンビニへと向かった。 急いで物をレジへ持って行き、急いで家に戻った。 そして俺は、その「物」を二つ、冷凍庫に入れておいた。 「おかえり」 と一言書いた、メモも一緒に。
NO.67 ぴ
02/24(日) 16:28 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 去年、おばあちゃんが亡くなった。
3年に1回ぐらいしか会えてなかったから、あんまり話したりとか一緒に遊びに行ったりとか全然なかった。 おばあちゃんが体弱いの知ってたから、おばあちゃんが入院したって聞いてもあんまり驚かなかった。 ガンだったみたい。 お母さんはしょっちゅう泊まりがけでおばあちゃんの看病に行ってた。 私はお母さんがおばあちゃんにとられたみたいでちょっと嫌だった。 まさか、本当におばあちゃんが死んじゃうなんて思わなかった。 嘘みたいにケロっと治っちゃって、また元気なおばあちゃんに会えると思ってた。 でも、家族皆でおばあちゃんの病院に初めてお見舞いに行った時「ああ、もう無理なんだ」って思った。 私の中でのおばあちゃんのイメージは、いつも元気ですごく大きな声で笑ってて。 病院にベッドに弱々しく横たわってるおばあちゃんが本当のおばあちゃんじゃないみたいで、なんだか信じられなかった。 おばあちゃんの見えないところで泣いた。 その後、1ヵ月ぐらいしておばあちゃんは他界した。 お葬式には行けなかったから、今でもあんまり実感わかない。 だけど、お母さんがおばさんと電話で「もうすこしで1回忌だね」とか言ってるの聞くと、おばあちゃんがもういないんだって実感しちゃう。 なんでもっと一緒に遊ばなかったんだろう。 なんでもっと話してあげられなかったんだろう。 今になって後悔してる。 お母さんが「おばあちゃんには天国で会えるから大丈夫だよ。お母さん、み子が大学卒業したらもう会いにいってもいいよね。」ってすごく悲しそうに笑いながら言ってるの聞いたら辛いよ。 おばあちゃん、お願いだからお母さんの事はやくつれてっちゃわないでね。 私が天国行ったらいっぱい遊ぼうね。いっぱい喋ろうね。約束だよ。
NO.68 ぴ
02/24(日) 16:28 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 私は、5才の頃から両親がいなく、身内と言えば2才下の弟だけでした
弟は、重度の脳性麻で歩けるのですが一切話しができませんでした
私が12才になるまで、弟と同じ施設で暮し私も弟の面倒を見ていました
施設や学校で弟の障害の事や親がいない事で、毎日虐めにあい
私は、心を閉ざし中学生になって不良グループに入り何時の間にかに
喧嘩や窃盗や強盗と悪事を働く事がヘにも思わなくなってました
中学2年で少年院に入り17才まで、少年院にいました。
少年院を出て、街であても無くチンピラ生活をしている時です
あるヤクザの親分と知り合いになりそれからは、親分の所に行くようになりました。
親分は、私を大切にしてくれたのです。
私のそれまでの人生にはありませんでした 兄貴や組員達も私に文句を言いながらも可愛がってくれました
私が22才の頃に 親分が酒の席で揉めて殺されたのです
私はね悲しくて悲しくて 親分の仇打ちに行き
懲役10年の刑を受けました。 懲役7年目の夏に
身内か特別以外は、できない初めての面会がありました
その面会は、弟の死報でした
弟が亡くなる数日前にお兄ちゃんと涙を流し 生まれて初めて話したそうです。
今 私は、弟が最後まで暮していた擁護施設で働いてます。
NO.69 ぴ
02/24(日) 16:29 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 大きな病院に通院していました。
ある日、男子トイレの洋式の方に入り座ると、ドア裏に小さな落書きがあったのです。
『入院して二ヶ月 直らない もうだめだ』
そして二週間後(その落書きの事はすっかり忘れていたのですが)、またそのトイレに入りました。
…ドア裏は落書きでいっぱいいっぱいになっていました。
『頑張れ』『ガンガレ』『必ず良くなるぜい!』等々。
しかもその後、トイレはペンキ塗り直しされて、他のドアは新しい色になったのですが、なぜか、そのドアだけは塗り直されずに落書きがそのままでした。
NO.70 ぴ
02/24(日) 16:29 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- ある日、叔母さんのうちに一本の電話がかかってきた
「こちら警察のものですが、お宅の息子さんが事故を起して通行人に怪我をさせてしまいまして 被害者の方から示談で良いとのことで、至急こちらの口座に振り込んでいただきたいのです ただいま、息子さんに代わりますね・・・」 叔母さんはすぐにそれが最近流行っている オレオレ詐欺だということに気が付いた。 なぜなら、息子は5年前に事故で亡くなっているからだ。 「母さん、俺だよ、事故起しちゃってさぁ、大変だよ。すぐに示談金振り込んでくれよ」 叔母さんはその声を聞いてハッとした。 死んだ息子の声とそっくりだったからだ。 まるで死んだ息子が蘇り、そこにいるような気がした。 叔母さんは電話を切ることが出来ず、しばらく息子にそっくりなその電話の声に聞き入っていた。 そして再び警察官と名乗る男に代わった。 「そういうわけなので、どうかお母さん、示談金、お願いしますね・・・」 再び息子と名乗る男に代わった。 「母さん、ゴメンよ、助けてくれ」 そこで叔母さんはやっと真実を話した。 「あのね、私の息子は5年前に死んでるの。」 電話の声がパタリと止まった。 気まずい空気が流れた。
しばらくの沈黙の後、電話が切られる前におばさんは言った。
「ちょっと待って、あなたの声、息子とそっくりなの。電話切る前に、もう一言だけ、声を聞かせてもらえないかしら」
しばらくして、電話の主はこう言い、電話を切った
「母さん」
NO.71 ぴ
02/24(日) 16:29 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 僕の実家は阪神淡路大震災の直撃を受けた。
後に聞いた話で、家の崩壊まで10分ほど時間があったそうなのだが、 その間父は逃げ延び、祖母は自室で絶命し、母親は生き埋めになった。 僕と妹は運良く上京しており、被災から3日目には掘り起こしを手伝っていた。 泥まみれの母親を初めに発見したのは僕だった。 その時足は骨折していたが、身動きが取れない中 ボロ雑巾のようなものを握り締めて放さないでいた。 僕が小学校の時に描いた、お絵かきコンクールで銀賞を取った絵だった。 自分では記憶にすら残っていなかったその絵が、 母親にとっては自分の息子を誇る最も大切な宝物だったらしい。 危機に直面した土壇場で、身の安全やお金よりも、 息子の絵の事を考えたんだそうだ。 大学に殆ど顔も出さず退学寸前だった俺は、 その日から勉強に励み、5年掛けて大学を卒業した。 当時は後ろめたかったけど、今では胸張って叱ってあげられる。 「今度地震があったら、自分の命を一番に考えろよ」って。 母さん、長生きして下さい。
NO.72 ぴ
02/24(日) 16:29 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 従妹が19歳という若さで交通事故で亡くなりました。
半年位経った頃、夢を見ました。 従妹の家に沢山の人が訪れ 皆それぞれ食事をしながら談笑しています。 わたしの隣には従妹が座り、ずっとおしゃべりをしていましたが その場に居る誰もが従妹は死んでいる人と分かっているといった内容でした。 そろそろ宴もお開きといった頃、従妹がすっと立ち上がり 「わたしもう帰るね」と言いました。 帰るって言ってもここは従妹の家なのにと悲しくなりました。 従妹のお母さんも行かないでとは言えずに涙をこらえて 「行ってらっしゃい」と言っていました。 全員が泣きそうになりながら玄関で見送りをしようとすると従妹が突然 「わたしの靴がないの。どこ?」と言いました。 慌てておばさんが探し出した靴は 泥のような茶色のシミで汚れていました。 靴を履くと従妹は悲しそうな顔で振り向き 「ねえ、わたしどこへ帰ればいいの?」と言いました。 おばさんは泣きながら空を指差して「あっちだよ」と言いました。 朝起きてこの話を母にしました。母が従妹のお母さんにそれを伝えると 「実は事故の後どんなに探しても靴が片方見つからなかった。Uちゃんの夢の中でも履かせてあげられて良かった。」と言っていたそうです。
NO.73 ぴ
02/24(日) 16:30 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 俺が売ってる店(金魚すくい)に
兄妹だと思われる7歳ぐらいの女の子と 10歳ぐらいの男の子がやってきた。 妹は他の子供たちが金魚すくいをしているのを 興味津々で長い間見ていたが、 やがてせがむように兄の方を見た。 正直、二人の身なりは裕福そうには見えず、男の子は 「1回300円」と書かれた看板を、何とも言えない表情でしばらく見つめていた。 そしてもう一度妹の方を見てから、俺に向かって「1回」 と言いながら、握り閉めた手を差し出した。 彼の手から渡された3枚の100円硬貨は、 余程大事に握っていたのか、とても熱かった。 妹は満面の笑みを浮かべて、俺から紙を受け取ると、 夢中で金魚すくいを始めた。男の子は妹が楽しそうに遊んでいるのを見ながら、 満足そうだったが、やはり自分も遊びたいのだろう、身を乗り出してソワソワとしている。 こんな時、俺はわざと手を滑らせて、紙を船の中に落とす。 「あー、しまった、濡れてもうた、しゃーない、勿体無いからボク使え」そう言って 濡れた紙を男の子に渡した。男の子はすごく嬉しそうな顔をして、 「ありがとう」と言うと、眼を輝かせて、 金魚すくいをしようとしたが、ちょうどその時、妹が兄のそばに寄ろうとして躓いた。 そしてその拍子に兄とぶつかり、妹の紙が破れてしまった。 妹の泣きそうな顔を見て、男の子は俺に、 「あげてもいい?」と手にした紙を見せた。 俺が頷くと男はニッコリ笑って手にした紙を妹に差し出した。 そして、妹と俺に気を使わせない為だろうか、「俺、ちょっと向こう見てくるから、ここで遊んどけよ」 と言って走り去っていった。妹はしばらく困ったように立ち竦んでいたが、 やがて再び金魚すくいを始めた。しばらくして、妹が遊び終わった時、隠れてみていたのか、 タイミング良く兄が現れた。そして俺に向かって、再び「ありがとう」と笑顔で言い、 妹にも同じように言わせると、妹の手を引いて、行ってしまった。 もう10年前の話だが、俺は今も彼の笑顔を忘れてはいない。
NO.74 ぴの
02/24(日) 16:30 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- んち母子家庭で貧乏だったから、ファミコン買えなかったよ。。。
すっげーうらやましかったな、持ってる奴が。
俺が小6のときにクラスの給食費が無くなった時なんて、 「ファミコン持ってない奴が怪しい」なんて、真っ先に疑われたっけ。
貧乏の家になんか生まれてこなきゃよかった! って悪態ついたときの母の悲しそうな目、今でも忘れないなぁ、、。
どーしても欲しくって、中学の時に新聞配達して金貯めた。
これでようやく遊べると思ったんだけど、 ニチイのゲーム売り場の前まで来て買うのやめた。
そのかわりに小3の妹にアシックスのジャージを買ってやった。
いままで俺のお下がりを折って着ていたから。
母にはハンドクリーム買ってやった。
いっつも手が荒れてたから。
去年俺は結婚したんだけど、結婚式前日に母に大事そうに錆びたハンドクリームの缶を見せられた。
泣いたね、、。初めて言ったよ「生んでくれてありがとう」って。
NO.75 ぴ
02/24(日) 16:31 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 社会人になって初めて迎えた母さんの誕生日。
「いつもありがとう」ってプレゼントを渡したかった。
でも照れくさいし、もし選んだプレゼントが気に入ってもらえないと怖かった。
だから「選ぶのめんどいから」って嘘ついてデパートに連れて行って、 「何でもいいから適当に買えよ」とぶっきらぼうに言うと、
「高いエプロンだけどいい?」とおずおずと見せに来て、値札見たらたった3000円。
「こんな安物かよ」とひったくって後ろ向いて、泣きそうな顔を見られないようにレジに走った。
服でもバックでも、ほかに何でもあるだろ、財布の中に給料全部入れてきたんだぞ!って涙が出たけど、
トイレで急いで顔洗って、そ知らぬ顔で袋を渡した。 そしたら、母さんがうれしそうにそれを抱きしめたのを見て、また泣きそうになった。
いまでも帰るたびにそのエプロンつけて飯作ってくれて、ありがとう。
ほんと美味いよ。
世界一だ。
いつも素直になれなくてごめん。
マザコンでもいいよ、母さん大好きだ。
NO.76 ぴ
02/24(日) 16:31 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- これ、反抗期の時の話しなんだけど、今でも忘れられない。
幼い頃からずっと片親で育ってきた私は、父親と二人暮らしをしてた。 友達や親戚から見ても、誰から見ても、私を大事に宝物の様に可愛がってくれて、一生懸命働いてくれてた。
私の願い事は無理してでも、自分を犠牲にしてでも叶えてくれた。 風邪の時には仕事さぼってでも側に居てくれてた。 寂しい思いはさせなかったと思う。 二人きりだけどクリスマスや誕生日も毎年してくれた。
けど、十代半ば、反抗期のせいで、父の優しさが凄くうざくなってきたんだ。 心配される事とか、口聞く事も、すべてがうっとおしくなったんだ。 私は毎晩、夜遅く帰って来て、父が心配してくれても、私は父に罵声しかあびせなかった。 友達と遊ぶ事が楽しくて、だんだん家にも帰らなくなった。 そんな毎日を繰り返し、また夜、久しぶりに帰ったら私の分のおかずとか、小さなケーキがおいてあったんだ。 もう誕生日も二〜三日すぎてたのに、おいてあって、毎日ご飯作って、いつ帰って来るのか分からない私をずっと待っていてくれてたんだとおもったら、切なくて悲しくて申し訳なくて涙が溢れてきた。 そして無造作に置かれてた小銭入れ、ボロボロな汚い小銭入れ、私が幼稚園の頃に父の日にあげたやつ。まだ使ってたんだ。 父は、ほんとに私を誰よりも何よりも大切な宝モノなんだって事が胸につきささって、父に優しくしてあげられなかった事に、また泣いた。 また後から知った事だけど、私が小さい頃に書いた父の日のカードも、肌身離さず持っていました。 あの一件以来、私はちゃんと帰るようにはなりました。
そんなこんなで今私は結婚もして、もうすぐで子供も産まれます。 私は父がくれたあの愛情を、これから産まれてくる子供にたっぷりそそぎます。 そんな私をこれからも空から見守っててください。 お父さん、こんな私を育ててくれてありがとう。私はとっても幸せです。大好きだったよ。
NO.77 ぴ
02/24(日) 16:31 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 青年は使い古された座布団の上に正座している。
おろしたてのスーツに身を包み、お茶を出すというその家の母親の申し出を丁寧に断り、 夫婦が寝室として使っている部屋の一角に置かれた仏壇をじっと見つめていた。 ひざの上に置いた拳を軽く握り締めると、風間は口を開いた。
「しんのすけ、僕たちはこの春から大学生になるんだ。もう車の免許だって取れちゃうんだぜ」
彼の口調は幼稚園の時とほとんど変わっていない。 ただ少し、お高いプライドを振りかざすようなとげのある喋り方ではなくなった。ホンの少しだけだが。
「ボーちゃんは北海道の大学で農業を勉強するんだ。"これからの時代は農業がくる"んだって。 ネネちゃんは服飾の専門学校。まさお君は一浪してなんとか国立大学に入るってさ」
仏壇に置いてある写真の中で彼は屈託のない笑顔をしている。 僕達はこれからもずっと一緒にいるんだろうなぁと信じて疑わなかった頃の写真だ、と見る度に風間は思う。
「僕は東京の一流大学さ。……推薦では落ちたけど、まぁ普通に受験しても僕の頭じゃ受かるんだけどね。だからな、東京の大学に行くから、僕引っ越すんだ。東京で一人暮らしだよ。お金はママが仕送りしてくれるからいいんだけど、ここに来られるのは夏休みと冬休み、それと春休みぐらいしかないんだ」
風間は月に一度、必ずここに来ていた。 話す内容は松坂先生はまだ結婚できないとか、まさお君のドジ話などの他愛もない話。 しかし欠かすことなく、月に一度は絶対に仏壇の前で手を合わせ、話をしているのだった。 あの日から、ずっと。
「だから次来る時は七月位になるのかな? 今度来た時、東京で洗練された僕のカッコ良さに腰抜かすなよ?」
わかってはいるが、返事はない。
「じゃあな、しんのすけ。お土産は買ってきてやるから心配するなよ」
風間は立ち上がり、みさえに一礼して家を出た。
NO.78 ぴ
02/24(日) 16:31 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 今年は春の訪れが遅い。
春一番はとっくに吹いたのだが、それから温かくなることもなく桜はつぼみを半分もつけていない。 風間はママに買ってもらったお気に入りのコートの襟をぐいと引き締め、歩き出した。 生垣の隙間からは去年死んだシロのお墓が寂しく見える。 幼い頃あれだけ広いと思っていた道路だが、車が一台通るだけで路肩に身を寄せなければならないほど実は狭く、三輪車で走っていた頃はよく事故に遭わなかったな、と風間は思う。
帰る途中にある公園はその装いをほとんど変えていない。 数年前に小学生が時計に石を投げて壊してしまい、時計が新しくなったこと以外変わってはいなかった。 公園は変わっていないがそこで遊ぶ子供の姿をあまり見かけなくなった。 季節が季節なのだが、それでも少ない。
ふと前を見ると制服を着た女の子が二人、なにやら怯えているようだった。
「うへへへへ〜」
女の子の前に男が立っていた。 雑に禿げた頭に汚れたジャンパー、寒気がするような笑みを浮かべながら女の子達ににじり寄っている。 時折変質者が出没するなんて話を聞いたなぁ、と風間は思った。 男と女の子達の距離は徐々に縮まっている。 悠長にそんなこと思っている場合ではない、風間は男に向かって駆け出した。
「おい! そこの――」 「ゆうちゃーん! あっちゃーん! 待ってぇ〜!」
意を決した風間の声よりも大きな声がした。 道の向こうから走ってくる女の子が一人。 くせっ毛の前髪をモフモフ揺らし、オレンジのマフラーをなびかせながら再び友人達の名前を叫んでやってきたのは、ひまわりだった。
NO.79 ぴ
02/24(日) 16:32 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 「もぉ、トイレ行くから待っててって言ったじゃんか〜」
「だってひまわりトイレ終わったらなんか変な歌歌って踊ってたんだもん」 「そうだよ。また長くなりそうだったから先帰っちゃおうと思って……」
友人達の言い訳にひまわりは膨らませた頬を緩めない。 あれはトイレから出てきた時リクエストされたのだ、とひまわり。 もうそんなことにイチイチ応えなくてもいいんだよ〜、と友人二人。
盛り上がる女の子達に取り残された風間と、変質者。
「ところでおじさん誰?」
ひまわりにいきなり話を振られ一瞬戸惑った変質者だが、再び気味の悪い笑みを浮かべる。 怖気立つ友人達の前でひまわりは仁王立ちして男を睨んだ。
「まさかおじさん……あっちゃんのお父さん?」 「んなわけないでしょ!」
友人の一人、あっちゃんが叫んだ。 ゆうちゃんは、またいつもの調子か、と溜め息をついている。
「じゃあ血は繋がってないけどパパって呼んでる人?」 「違ーう! 私とこいつは全く関係ないの!」 「んもう照れちゃって〜」 「照れてないぃ!」
風間の中で何かがじわりと滲んできた。 あっちゃんという子に共感し、共鳴したせいだった。
「お姉ちゃん達かわいいね〜。おじさんと一緒に遊ぼうよ〜」 「え〜でもアタシこれから帰ってテレビ見ないといけないし〜」 「ひまちゃんそんな真面目に答えなくていいの! こいつ最近噂の変質者だよ!」 「うへへへ〜」
NO.80 ぴ
02/24(日) 16:32 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 男は両手を広げて襲い掛かってきた。
泣きそうになってしゃがみこむ友人達を背中にひまわりは何かの構えをとる。 気合を入れて短く叫ぶと、男の動きが一瞬止まった。 ひまわりは流れるような動きで後ろを向くと思いきり男に向かって飛んだ。
「アクションヒップアターークッ!」 「うがっ!」
突き出したお尻が男の腹部に当たり、男は吹っ飛び倒れた。 男の目は一瞬にして恐怖に満ちあふれ、情けない声をあげながら走り去っていった。 それを見てひまわりは右手をななめに上げ左手を腰に置くと、右手の手先を見るように首を回して笑った。
「ワーハッハッハッハッハッハッハッ!」
風間は立ちすくんでいた。 ひまわりの笑い声に幼い男の子の声が重なって聞こえたからだった。
ひまわりは腰を抜かした友人を立たせると髪を撫でながら言った。
「んもう情けないよ、貧乳戦隊の一員なのにさぁ」 「そんなものに入った覚えはないぃ! ……でもありがとう、ひまちゃん」 「いいのいいの」
その後一、二分話した後ひまわりと友人達は別れた。 そして呆然と立っている風間にひまわりは気付いたのだった。 「まさか風間さんに見られてたなんて……」 「いやぁ僕もたまたま見てただけだから……それよりすごかったよ」
NO.81 ぴ
02/24(日) 16:33 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 公園のベンチに座る風間とひまわり。
すぐ近くにある自動販売機で買ってきたホットココアを二人で飲んでいる。 公園には他に犬の散歩できていたおばさんが一人いるだけだった。
「あれは、テレビの真似しただけですから」 「でも友達を助けるなんてカッコイイじゃないか」
「そんなんでもないです……」
ひまわりは謙遜の色で滲み出る嬉しさを濁そうとしているが、全く効果が見えない。 風間やボーちゃんたちと話す時、ひまわりは態度が縮こまる。
「それより風間さんもあんな所で何を?」 「あぁいや、君の家から帰ってくる途中だったんだ」 「あっ……」 「もう東京に行かなきゃいけないから、その挨拶をさ」
ひまわりは両手で持ったココアを一口飲むと、マフラーに顔を埋めた。 マフラーに埋まりきらなかった目元を見て、おばさんよりしんのすけに似てるな、と風間は思った。 「風間さん達が覚えてるお兄ちゃんの姿って、どんな感じだったんですか?」
マフラーのせいで声が篭ってはいたが、風間にははっきりと聞こえた。 風間はココアを飲んで返答を遅らせると、ひまわりは言った。
「アタシ、お兄ちゃんの記憶がほとんどないんです。ほとんどっていうか、全く……」 「まぁ、君は小さかったからね……」 「でもなんとなく、楽しかったことだけは覚えてるんです。っていうか、楽しかったんだろうなぁとは思うんです」
ひまわりは空を見上げ、薄っすら微笑んだ。 小さな雲が一つだけ浮かぶ空は抜けるような青空だった。
「しんのすけは……君のお兄さんはひまわりちゃんのこと大好きだったと思うよ」 「……ハイ」
もしかしたら今の言葉は酷だったかもしれないと風間は思った。 それでもひまわりの顔から笑みは消えていなかったので、風間は安堵してココアの缶に口をつけた。
NO.82 ぴ
02/24(日) 16:33 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 十三年前。
この公園の少し先の場所であの事件は起こった。
「かすかべ防衛隊〜……ファイヤー!」 「「「「ファイヤー!!!!」」」」
しんのすけを先頭に歩く幼稚園児五人。公園を出て向かうは風間の住むマンション。 梅雨も明けこれから本格的な夏の到来を予感させる、空の高い日曜日。 遠くの陽炎に揺らめく見慣れたお尻。
「あっ、母ちゃん!」
しんのすけが走り出すと後ろの四人も遅れまいと走り出す。 最下位はいつもトロいボーちゃんではなく、おむすびよろしくスッテンコロリンと転んだまさお君だった。 公園でリアル鬼ごっこをしてあれほど走ったのにもかかわらず、しんのすけは息を切らすこともなく ベビーカーを押すみさえの所までたどり着いた。
「母ちゃん母ちゃん!」 「あらしんちゃん、あっみんなお揃いねぇ」 「オバサンこんにちわ〜」 「今日はお暑いですねおばさん」 「こ〜ん〜に〜ち〜わ〜、おばさ〜ん」
着いた順に挨拶をするが、しんのすけはなにやらニヤついている。
「母ちゃん、おばさんおばさん言われまくってるゾ」 「ハァハァ……あっ、コンニ――」 「うるさい〜!」
やっとついたまさお君の挨拶はみさえの怒りによってかき消されてしまった。 自分のことを言っていると勘違いしたまさお君は涙ぐんだがみさえはすぐにごめんねと謝り、これだから母ちゃんは〜、と しんのすけが口をはさむとゲンコツが一発しんのすけの頭に降ってきたのだった。
NO.83 ぴの
02/24(日) 16:33 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 「これからみんなでどこ行くの?」
「今から風間君のお家でビデオ見るんだゾ。この前の豚足のビデオだゾ」 「豚足ぅ?」 「それを言うなら遠足だろ」
風間の訂正に、そうとも言う、としんのすけはいつもの調子で答える。 みさえと風間の苦笑いがシンクロした。
「母ちゃんはどこ行くの?」 「ひまわりと一緒にお買い物に行くの」 「ほぉほぉ。んじゃチョコビ買ってきてね」 「はいはい……あっホラみんな、車来たわよ」 「「「「「は〜い」」」」」
遠くからでも聞こえるバイクの爆音に気付き、みさえはしんのすけ達を一列に並ばせた。 片手を挙げてそれに応じる園児達。
「あぅ〜ぁ〜う〜」 「どうしたひまわり?」
手足をバタつかせて喘ぐひまわりの前にしんのすけはまわりこんだ。 白い柔肌に手を伸ばし、しんのすけはひまわりの頬を伸ばしこねる。 えへへ〜、としんのすけ。あうぁ〜、とひまわり。
「こ〜らやめなさいしんのすけ! ひまがかわいそ――」
NO.84
02/24(日) 16:33 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- みさえの言葉が遮られるほどのバイク音が迫ってくる。
風間達の視線はバイクに注がれ、みさえも耳を劈く音に顔をしかめながら振り向く。 フルフェイスのヘルメットをかぶったバイクが轟音とともに近づいてくる。
「おぉ!」
ひまわりで遊んでいたしんのすけも異変に気付いた。 みさえも風間もボーちゃんまで手で耳を塞ぐほどの音にしんのすけも耳を塞ごうと思ったが、 目の前には今にも不安で泣き出しそうなひまわりがいた。
「泣いちゃダメだぞひまわり」
しんのすけの独り言は眼前のひまわりにも聞こえない。 自分の耳に当てようとしていた両手をひまわりの耳に当て、しんのすけは歯を食いしばった。 しんのすけは目を思い切りつぶる。 意味はないがとにかくこの爆音に耐えなければならない。
「う〜〜〜〜〜」
自分が唸る音も聞こえない。 爆音を轟かせたバイクはもう既に列最後方のまさお君の真横にまで来ていた。 巻き上げられる風が熱い。
そのままバイクは通り過ぎていった。 「もう、全くなんなのよあのバイクぅ!」
ネネちゃんが両手を腰に当てて頬を膨らませた。 黒い排気を上げるバイクは何事もないように小さくなっていく。 耐えることに力みすぎてひまわりの顔を挟みつぶさんとばかりに両手で挟んでいたしんのすけは、 バイクが通り過ぎた後も唸りながらひまわりの耳を押さえている。
「う〜〜〜」
全員の視線が爆音のバイクを追っている。 それこそがバイクの狙いだと気付かずに。
先に通ったバイクと同じ排気量にもかかわらず、それは氷上を滑っているかのような静けさで近づいていた。 あのバイクが獣なら、このバイクは忍者だった。 忍者を操るフルフェイスヘルメットの男の手がハンドルを離れ、外へと伸びていく。 その手はまさお君、ボーちゃん、ネネちゃん、風間君の頭の上を飛び、みさえに向かっていた。 正確にいえば、みさえのハンドバッグに。 黒い皮手袋をした手がみさえのハンドバッグを掴んだ。 刹那、みさえが振り返る。
NO.85 ぴ
02/24(日) 16:34 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 何が起こっているのかを認識する前に強引にバッグを奪われ、みさえが叫ぶ。
「キャーーーーー!」
みさえの腕をするりと抜けたハンドバッグがベビーカーのハンドルに当たった。 それでも男はハンドバッグを引っ張るようにして腕を引いたので、ベビーカーを思い切り押す形になってしまった。 急発進を強制されたベビーカーの前輪は少し浮き、とんでもないスピードで走り出した。
「おおぉ!!!」 「あ〜ぅぅぅ!!!」
しんのすけとひまわりが同時に叫ぶ。 少し遅れてみさえが叫んだ。 しかし、手の届く範囲はとうに超えていた。
「うっほほ〜い! 面白〜い!」 「あ〜ぃ!」
当の本人達はいたって不真面目に面白がっていた。 ベビーカーのスピードは緩まることなく走り続けている。
風間の胸中に、不安を纏った焦燥感が生まれ始めていた。
「待てー! しんちゃーん! ひまー!」
みさえは駆け出していた。 遅れてかすかべ防衛隊のメンバーも走り出す。
「ん〜はや〜いぃぃ! いくぞひまわりぃ!」 「う〜ぉぃ!」
ガラガラと音を立てて爆走するベビーカー。 駆け抜ける風をしんのすけは後頭部に、すり抜けるカゼをひまわりは顔面に受けて走っている。 偶然通りかかった隣のオバサンの横をベビーカーが通り過ぎていく。 オバサンはベビーカー、遠くに見えるみさえ、ベビーカーの順に見直し、叫んだ。
NO.86 ぴ
02/24(日) 16:34 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- そんなオバサンの珍態をしんのすけが見つける。
「お!?」
次の瞬間、なけなしのバランスが崩れた。 しんのすけとひまわりはベビーカーから放り出されてしまった。
空中で笑うひまわり。 さすがに危ない状況だと判断したしんのすけ。
「ひまわり! あぶない!」
器用に空中で体勢を変え、ひまわりを抱きかかえるしんのすけ。 重力が二人を引っ張る。 地面が二人を乱暴に抱きとめる。
しんのすけが下になり着地した道路の上。 ひまわりはキャッキャキャッキャとはしゃぎ、しんのすけは背中の激痛にもだえている。 みさえは二人の姿が見えるところまで来ていた。
「しんのすけー! ひまわりー! 大丈夫!?」
ひまわりもみさえを見つけ無邪気に手を振っている。 そんなひまわりを恨めしそうに、しかし、安堵を浮かべて見るしんのすけ。
しかし何故だろう。 風間の胸中でうごめく不安が消えないのは……。
半ズボンについた砂を払いながら立ち上がるしんのすけ。 そんなしんのすけやひまわりの姿を見てみさえは自然と笑顔になった。
「おぉ!」
ひまわりが声をあげた。 視線の先にはベビーカーの中で静かにしているようみさえがひまわりに与えた金のネックレスが落ちていた。 頂上を少し過ぎた太陽がそれを照らし、ネックレスとひまわりの心を輝かせる。
「テッテッテッテッテッテッテッテッ!」 「あっ! ひまわりぃ!」
ひまわりは頬を赤らめ高速ハイハイでネックレスの元へ向かった。 も〜しょうがないなぁ、としんのすけが両手を腰に当てて溜め息をつき、太い眉毛を八の字に顰める。
最後尾でモタモタ走っているまさお君が、待ってよぉ〜みんなぁ〜、といいながら懸命に走っている。 しんのすけ達の様子を見て風間はもうさすがに大丈夫だろうと思い、その場に止まってまさお君が来るのを待った。 まだ嫌な予感がするのだって今回はひまわりちゃんがいたからいつもより余計に心配してしまっただけであって それがまだ尾を引いているだけなんだ、と風間は思った。 まさお君が風間に追いつく。 ありがとう、とまさお君。うん、と風間。
NO.87 ぴ
02/24(日) 16:34 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 「テッテッテッテッテッテッ!」
「ひまわりぃ、そんな所に行っちゃだめだゾ〜」
しんのすけは小さな黄色い背中を追いかけた。 黄色い車は彼氏との待ち合わせ時間を追いかけた。
ひまわりはネックレスの元へとつくとそれを手に取り、えへへぇ〜へぇ〜、とだらしなく笑う。 時間と彼氏との甘い夜しか見えていない女は更にアクセルを踏み込む。 その音がしんのすけの耳に届いた瞬間、しんのすけは視界の端で黄色のバケモノがひまわりを食おうと突進してくるのが見えた。
「ひまわりいいいぃぃぃ!!!」
両手両足に力がこもる。
蹴り出すつま先が怒号を上げる。 運転手の女は悲鳴を上げ、混乱が更にアクセルを踏ませる。 風がしんのすけを援護する。 早く。速く。ひたすら、はやく。 もう一度妹の名前を叫び、全力で駆ける。 ひまわりが笑っている。
しんのすけは、跳んだ。
NO.88 ぴ
02/24(日) 16:35 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 『父ちゃん! オラ将来アクション仮面みたいな正義のヒーローになるぞ! 悪い奴をバンバンやっつけるんだゾ!』
『じゃあしんのすけ、お前はなんでその悪い奴をやっつけるんだ?』
『そんなの悪い奴だからに決まってるゾ父ちゃん!』
『ハハハたしかにそうだ。でもなしんのすけ、悪い奴には友達も家族もいるかもしれないんだぞ? その悪い奴がやられたらその友達や家族は悲しむんじゃないかな?』
『ん〜……でもそいつらも悪い奴等だから……う〜ん……』
『いいかしんのすけ。正義のヒーローっていうのは悪い奴をやっつけるから正義のヒーローなんじゃないんだ』
『何言ってるんだ父ちゃん?』
『悪を倒すのがヒーローじゃない。弱いものや守りたいものを守るからヒーローなんだ。わかるか?』
『ん〜わかったような……わからないような……』
『わはははは……ま、今のしんのすけにはわからなくても無理ないか』
『オラを子ども扱いするなんてひどいゾ父ちゃん!』
『お前は正真正銘子供だろ〜。……とにかく、しんのすけ。正義のヒーローになるなら良い事いっぱいしないとな』
『おぉ! オラ頑張るゾ!』
『しんのすけ、正義のヒーローになれたら普通の人じゃできないことが一つ、できるようになるんだぞ。知ってるか?』
『もしお前が正義のヒーローになれたら、その時はな――』
NO.89 ぴ
02/24(日) 16:35 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 『空を、飛べるんだ』
――――――――――――――――――――
―――――――――― ―――――
「ひまわりいいいぃぃぃいぃぃぃ!!!」
全てがゆっくりと。ゆっくりと進む。 みさえも、風間も、ボーちゃんも、ネネちゃんも、まさお君も、誰もまだわかっていない。 しんのすけだけが、ひまわりを。
土の付いた両足で蹴り出された小さな体。 ピンと伸びた両腕はひまわりを求めている。 ひまわりを世界の中心に定めた眼が鋭く光った。 しんのすけの体が地面と平行になる。
しんのすけの両手がひまわりの背中を捕らえた。 黄色の車は既に眼前で二人の姿を飲み込もうとしている。 しんのすけは歯を食いしばって両腕に力を込めた。
――ヒーローの手からひまわりが離れた
突き飛ばされたひまわりは乱暴な前転で頭を地面に打った。 運転手の女は叫びすぎで声にならない声を出しながらハンドルを引っ張っている。 顎を引いて目を力いっぱい瞑っているしんのすけは手の感触で使命を終えたと悟った。
しんのすけは、笑った。
そして、黄色い車は飢えた野獣がエサにかぶりつくがごとくしんのすけに襲いかかったのだった。 大きな音。
電線に止まっていたすずめは反射的に飛び去り、 すぐ近くの民家で飼われている犬は塀で見えないはずの交差点に顔を向ける。 その瞬間、みさえたちはまだ笑顔だった。
ベビーカーから吹っ飛ばされたくらいだから、少し痛がっていてもすぐに治るだろう。 ひまわりは意外とあんな体験が好きだから喜んでいるかもしれない。 早くチョコビ食べないと死んじゃうぅ〜、なんて駄々をこねそうなしんのすけにはゲンコツかな? だから、まだ笑顔だった。
NO.90 ぴ
02/24(日) 16:35 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- しんのすけは、笑った。
そして、黄色い車は飢えた野獣がエサにかぶりつくがごとくしんのすけに襲いかかったのだった。 大きな音。
電線に止まっていたすずめは反射的に飛び去り、 すぐ近くの民家で飼われている犬は塀で見えないはずの交差点に顔を向ける。 その瞬間、みさえたちはまだ笑顔だった。
ベビーカーから吹っ飛ばされたくらいだから、少し痛がっていてもすぐに治るだろう。 ひまわりは意外とあんな体験が好きだから喜んでいるかもしれない。 早くチョコビ食べないと死んじゃうぅ〜、なんて駄々をこねそうなしんのすけにはゲンコツかな? だから、まだ笑顔だった。
しんのすけは鉄の塊と衝突した後、コンクリートに叩きつけられボールのように跳ねた。 元気にしんのすけの体を走り回っていた血がその軌跡を印していく。 意思を失ったしんのすけの体は10メートルほど転がり、止まった。
頭を打った後三回転ほどして、ひまわりも止まった。 額から血が出ているが、その痛みよりも今起きたことに驚いてしまい声が出ないでいる。
車はハンドルを右に切り塀と電柱にぶつかりすぐに止まった。 女はその衝撃で出てきたエアバッグで頭を打ち、気絶した。
みさえ達は一度立ち止まった。 そしてすぐさま全力で駆け出す。
「しんのすけえええぇぇぇーーー!!!」
第三章 緊急手術に続く
NO.91 ぴ
02/24(日) 16:36 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- すぐさま救急車で運ばれ病院で手術が始まった。
連絡を受けたひろしが病院の到着した頃、みさえは話ができないほど泣き崩れていた。 ワンワン泣くまさお君にそれを泣きながら支えるネネちゃん。 両手を力いっぱいに組んでしんのすけを無事を祈るボーちゃん。 血が出るほど両手の拳を握り締め、声を殺してなく風間。
幼稚園の先生方や子供たちの両親も駆けつけてきたが、ただオロオロするばかりだった。 泣きじゃくる吉永先生を、あの子ならきっと大丈夫だから、と松坂先生は自身の不安の色も隠さず勇気づける。 手術室の灯火は夜遅くまで点いていた。
夜も遅いと子供達やその家族は帰らせじっと待っていると手術室の灯りが落ちた。 みさえも肩を持ち立ち上がるひろしと幼稚園の先生方。 手術室から医師が出てくると、マスクをはずして、言った。
「……ひとまず、一命はとりとめました」
その一言に更に涙を流すみさえ。 幼稚園の先生方は一瞬歓喜するがすぐさま静かになり、息をのむ。 ひろしが震える声で医師に聞いた。
「し、しんのすけはどうなったのでしょうか?」 「頭部の損傷がやはり一番酷く、頭蓋骨の骨折によりわずかに脳が損傷しています。しかし、後遺症はおそらくないでしょう」 「ホントですか!? ……よかったぁ」 「……しかし、気になることが一つあります」
NO.92 ぴ
02/24(日) 16:36 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 事故から一週間。
しんのすけは目覚めなかった。
「先生! しんのすけは植物状態から目覚めないですか!?」 「そ、それはわかりません! 明日目覚めるかもしれないし、このままかもしれません」 「どうしてアンタそんなことが平気で言えるんだ! キチンと手術したのか!」 「……あなた……もうやめて」
しんのすけの植物状態は脳の損傷によるものかのかどうかは医師達にもわからなかった。 ただ言えることは、いつか目覚めるであろうということ。 そしてもう一つ。 いつ目覚めるかは、誰にもわからないということだった。
意識のないしんのすけのお見舞いは、毎日違う人達が来た。 人も違うが、人の種類自体も違った。 性別、年齢、職業、人種……たくさんの人がお見舞いに訪れた。 どういう関係なのかはみさえ達さえわからない。 しかし、これだけ様々な人達がくるのに、みんな同じことをいうのだった。
「こいつは絶対、死にはしない」
NO.93
02/24(日) 16:36 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 海に行って海水浴をしよう。
山に行って探検をしよう。 リアルおままごとの長編をやろう。 三輪車でとにかく遠くへ行こう。
夏休み、何をするかみんなで決めた計画だった。 毎日遊んで、とにかく遊んで、遊んで笑って。 案だけはやたらと思いつくくせにどれも実現性のないものばかりなものを言っていたあいつは、そこにはいない。 公園の滑り台で風間達四人は途方にくれていた。
しんのすけのいない夏。 しんのすけ抜きで遊ぶ時とは、全く違う。 空は空しくなるほど高く、太陽は寂しくなるほど暑かった。 忘れて遊ぶことなんてできなかった。 あいつのおふざけがないと全ての遊びが味気なく感じた。
夏はただ過ぎていった。 しんのすけは眠り続けている。 毎日看病に行くみさえは気にしていた三段腹がなくなるほどやつれた。 そんなみさえを心配するひろしも仕事が手につかなくなっていた。 幼稚園も、公園も、かすかべも、どこか穴が開いてしまったように静かだった。
ひまわりだけは、気ままに笑い、怒り、膨れ、また笑っていた。
NO.94 pi
02/24(日) 16:37 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 季節は抜け落ちたように過ぎて秋になっていた。
ひろしは会社で一本の電話を受け取り、我を忘れて叫んだ。
「本当かみさえ! 本当にしんのすけの意識が戻ったんだな!?」
電話の向こうで嗚咽交じりに頷くみさえの声が聞こえる。 ひろしは取るものも取らずして会社を出た。
病室のドアを蹴破る勢いで開ける。 しんのすけのベッドの周りには医師看護婦が数人と、椅子に座りしんのすけを見つめるみさえがいた。 ひまわりはみさえの腕の中で静かに寝息を立てて眠っている。
「ヨッ!」 「……ヨッじゃねえよ……しんのすけええぇぇぇ!」
しんのすけに抱きつく寸前で医師に止められ、それでも泣き叫び鼻水を垂らすひろし。 事故があったことを感じさせないほどしんのすけはいつも通りだった。
「やはりまだ体は動かせませんね。まぁ意識が戻っただけでも奇跡的なことですし、気長に治療していきましょう」 「ハイ! ありがとうごじゃいます!」
ひろしは泣きながら医師達に頭を下げると、医師達は微笑んで病室を後にした。 個室には野原家だけとなった。
鼻をぐずらせながら微笑みしんのすけを見つめるみさえに、気持ち悪いゾ、としんのすけ。 もぅう〜る〜さ〜い〜、とみさえ。その顔に怒りは微塵も感じられない。
「父ちゃん、さっきの看護婦さんピッチピチのかわいこちゃんだったゾ」 「うんうん」
ひろしも涙を流しながら頷くだけでしんのすけはまた、気持ち悪いゾ、と言った。 ちょっとだけ噴き出すように笑った後、心配かけさせやがってぇ、とひろし。 久方ぶりの団欒。
NO.95 p
02/24(日) 16:37 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- しばらくして幼稚園のみんながやってきた。
園長はひろしと抱き合い、松坂先生は口では強がりながらも涙を流していた。
「しんちゃんよかった〜!」 「し〜ん〜ちゃん、こ〜れ、みんなで〜、作っ、た」
ボーちゃんが窓際に飾られた千羽鶴を指差した。 おおぅありがとみんな〜、といたって軽く、いつも通りに、感謝するしんのすけ。 まさお君は泣きすぎて何を言っているのかわからない。 そんな中、風間の表情だけが曇ってた。
「風間くん! ヨッ!」 「……ヨッじゃないだろ、しんのすけ……みんながど、どれだけ心配したかわかってるのか!」
目に涙をいっぱい溜めて、風間は叫んだ。 病室にいる全員の視線が風間に集まる。 皆一様に目を細め、それぞれの思いを噛み締める。 そんな中でもしんのすけは表情一つ変えず飄々と言った。
「オラわかんないぞ」 「お前――」 「でも――」
風間としんのすけの声がかぶった。 互いに黙り、風間が譲る。 どぞどぞお先に、としんのすけ。いいから言えよ、と風間。
「……でも、感謝はしてるゾ」
NO.96 ぴ
02/24(日) 16:38 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- そこにいるみんなが顔を見合わせ、そして、微笑んだ。
一瞬にして和やかな雰囲気に変わった病室。
「しんちゃん、何が食べたい?」 「お?」 「何でも好きなもの食べさせてあげるわよ」 「……母ちゃんなんか怖いゾ」 「こ〜らふざけるんじゃないの。で、何が食べたいの?」 「う〜ん……」
しんのすけはわずかに体をモゾモゾと動かし考え始めた。 みんながその答えを待っているとひまわりが目を覚ました。 くわぁぁえぅぅぅ、と伸びながらあくびをしたひまわりを見てしんのすけが口を開いた。
「決まったゾ」 「な〜に?」 「オラ、家族みんなでごはんが食べたいゾ」
みさえを含めたそこにいる全員が呆気にとられた。 いつでもしんのすけが食べられるように病室の棚の中に入れておいた特大チョコビを取り出そうとしていたひろしは 唇を噛み締め涙をこらえた後、そっと特大チョコを棚の中に戻した。
「あーチョコビ! しかもめったに買ってくれない特大チョコビィ! やっぱりオラチョコビ食べたいチョコビ食べたい……」
んもぅ、と微笑んだみさえ。 そのみさえの腕の中でしんのすけに同調するようにひまわりは喘いだ。
「ほらぁ、早く渡しなさいよ」 「ええ」
遠目で見ていた吉永先生をせっつく松坂先生。 吉永先生は後ろ手に持った丸めた紙をしんのすけの前に出した。
NO.97 ぴ
02/24(日) 16:38 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 「しんちゃん、これ、自分で渡すんでしょ?」
「なにこれぇ?」 「この前みんなで書いたでしょ。家族へのお手紙」 「ほぉほぉ。そういえばそんなものもありましたな〜」
そう言ってしんのすけは受け取ろうとするが、いかんせん体が動かない。 ふるふる震えるだけのしんのすけを見て吉永先生はしんのすけの体の上に手紙を置いた。 おぉ、と言った後、ハイひまわり、と首だけ動かしてしんのすけは言った。
「ひまわりにお手紙書いたの?」 「そうだゾ」
みさえは手紙を手に取った。 ひまちゃんお兄ちゃんからお手紙ですよ〜、とみさえが言うとしんのすけは顔を赤くして焦りながら言った。
「あっ! 今見ちゃダメえぇん! はずかし〜いぃん!」 「……んふふ、はいはいわかりました」
みさえは丸めたまましんのすけの手紙をバッグにしまった。 その後いつもの調子でしんのすけを中心に談笑した。
日も暮れた頃、病室は再び野原家だけとなった。
頬はこけたままだが生気を取り戻したみさえ。 スーツの袖が涙と鼻水でカピカピになってしまったひろし。 ひまわりはいつの間にか眠っていた。
「母ちゃん……オラももう眠たいぞ」 「しんちゃんはたくさん寝て、早く治らないとねぇ」 「早く治るにはやっぱりチョコビが一番――」 「いいから今は寝るの。退院してからいくらでも食べさせてあげるからね」 「ホントに? うっほほ〜い」
声は元気だが瞼には既に睡魔が座っている。 みさえとひろしがしんのすけの顔を覗きこむようにして見ると、しんのすけは二人の顔を交互に見てパチパチさせゆっくりと目を閉じた。 二人は顔を見合わせ微笑み、立ち上がった。 帰ろうと振り返ると、しんのすけはか細い声で言った。
「……父ちゃん……母ちゃん…………オラァ……」
その後は寝息が続いた。 二人はまた微笑み、病室を後にした。
NO.98 ぴ
02/24(日) 16:38 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- その数時間後。
野原家の電話が鳴った。
しんのすけが息を引き取った、と。
NO.99 ぴ
02/24(日) 16:39 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 「その手紙の話は初めて聞いたなぁ」
風間は空となったココアの缶を両手で包むようにして掴みながら言った。 アタシも母から聞きました、とひまわり。 夏の日は長いというのにもう街は暮れなずんでいる。
「その手紙、ひまわりちゃんは読んだの?」 「……はい」
風間は突然立ち上がった。 不安げに見つめるひまわりを気にすることなく、公園のゴミ箱に空き缶を投げる。 空き缶は入らなかった。 風間は鼻で笑うとゆっくりと空き缶の元へ歩いていき、拾い上げてそっとゴミ箱に捨てた。 両手をポケットに突っ込むと風間はひまわりの所へ戻った。
「僕はもう帰るよ。今日はありがとね」 「……あ、あの……手紙の中身、聞かないんですか?」
なんというかこういう所がしんのすけらしいのか、などと風間は思った。
「いいよ。その手紙、ひまわりちゃん宛てなんだろう?」 「えっ、あ……」 「なら僕が知る権利はないよ」
風間は公園の出口へ向かって歩き出した。
ひまわりは急いで空き缶を捨てた後、風間のあとを追った。 公園を出たところで再び対峙する。
「今日はありがとうございました」 「いやいや、それはこっちの台詞だよ。今日は本当にありがとね、ひまわりちゃん」
NO.100 ぴ
02/24(日) 16:39 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- ひまわりは深々と頭を下げると、風間は軽く礼をした。
それじゃ失礼します、とひまわりは振り返り、駆け出した。
「ひまわりちゃん!」
風間は上体を少し反らしながら叫んだ。 ひまわりは急停止すると再び風間の方を向く。 風間は少し離れてしまったひまわりのためにポケットから手を出して、即席のメガホンを作った。
「ひまわりちゃん! 君はしんのすけに似てるよ!」
ハッとした表情のひまわりに少し笑って、風間は続けた。
「いつだって大切なものは何かをわかってるところなんか、そっくりさ!!」
最終章 手紙に続く
NO.101 ぴ
02/24(日) 16:39 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- ひまわりは走って家に帰った。
シロの墓に簡単に手を合わせて、家に入る。
「おかえり〜」 「ただいまでしょ。夕飯できてるから早く準備しなさいよ〜」 「はーい」
ひまわりはそう言ってカバンを玄関に放ると二階へ駆け上がった。 コラー手洗いうがいしなさい、というみさえの声は聞こえているが、それでも階段を上った。 小学四年生になった時にもらった自分の部屋に入ると、脇目もふらず机の引き出しを開けた。 透明なビニールで包装されたそれを取り出し、引き出しを閉める。 部屋の中心でそれを掲げてひまわりはポツリと言った。
「お兄ちゃん」
写真で見たしんのすけの姿をそれに重ね合わせると、それの輪郭が少しぼやけた。 帰り際に風間に言われたことを思い出し、鼻をすすった。
「アタシとおにいちゃん、似てるんだってさ。風間さんが言ってたよ」
ひまわりはそれに書かれた汚い字を眺めて、笑った。 ビニールに入ったしんのすけからの手紙を抱きしめて、涙がこぼれた。
――――― ――――――――――
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NO.102 ぴ
02/24(日) 16:40 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- のはらひまわりえ
ひまわりはオラのいもおとだゾ たまにちょっとしつこいこともあるけどひまわりはオラのいもおとだゾ
ひまわりはかあちゃんみたいにさんだんばらになったりこじわをかくすためにあつげしょうしたり おけつはでかいのにおむねはちっちゃいなんてことになっちゃダメだゾ でもかあちゃんみたいにオラたちのためをおもってちゃんとおこったりいっしょにおふざけしたり なんだかんだいってもとおちゃんのことをすきでいなくちゃダメだゾ
ひまわりはとおちゃんみたいにあしがすごくくさくなったりおひげがはえたり いえでごろごろしてなにもしなくなっちゃダメだゾ でもとおちゃんみたいにかぞくをなにがなんでもまもったりかあちゃんにないしょでおかしかってくれたり なんだかんだいってもかあちゃんのことすきでいなくちゃダメだゾ
ひまわりはシロみたいにしろくでふわふわしてなくちゃダメだゾ ひまわりはオラみたいにかっこよくてかわいくててんさいでなくちゃダメだゾ ひまわりはオラみたいにいつもわらってなくちゃダメだゾ ひまわりはおはなのひまわりみたいにいつもおげんきでいなくちゃダメだゾ いつもワーッハッハッハッハッハッハッハッってわらってなくちゃダメだゾ
でもひまわりはやっぱりひまわりのままでいいんだゾ
のはらしんのすけ
NO.103 ぴ
02/24(日) 16:42 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 「ドラえもん!いつものようになんか出してちょちょっとたすけてよ」
と言いながら、のび太はいつもの調子で家に帰ってきた のび太が部屋に入ろうとすると話し声が聞こえてきた 「どうしても?」 「どうしてもだ!」 「でもあとが心配で・・・」 「それがいけないんだよ」 のび太が部屋に入ると そこにはドラえもんだけでなくセワシもいた
セワシはのび太に言う 「じつはね、そろそろドラえもんを・・・」 「まった!ボクがあとでいう」 とセワシの言葉をさえぎるドラえもん セワシは 「きっとだぜ」 という台詞を残してタイムマシーンで未来へ帰っていった
NO.104 ぴ
02/24(日) 16:42 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 妙にしょんぼりした表情のドラえもん のび太は
「どうしたんだい」と一応は気遣った 「の のび太くん じ じつは・・・」 と言いかけたところで 今度はのび太がいつもの調子で 「友だちと明日サイクリングに行くことになったんだ 実は僕自転車にのれないの何とかしてよ」 と甘えるとドラえもんは大声で怒鳴りだした 「どうにもならないね!どうしてそう人にばかりたよるんだっ! ぐずぐずいってるひまに練習したらどうだっ!」
びっくりして慌てて部屋を飛び出すのび太 「へんなの ばかにきげんがわるいや 大丈夫いざとなればきっとなんとかしてくれるさ いつもそうなんだ」 そう呟くのび太を陰で見ていたドラえもんは 「まるっきり僕にたよってる やっぱりこれじゃだめだ」 とのび太に対して不安な気持ちを抱く
NO.105 ぴ
02/24(日) 16:42 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 「よし!心を鬼にしていおう!」
そう決意したドラえもんはのび太のところへ走るが のび太も同時にドラ焼きを持ってドラえもんの所へ走り込んできた ドラえもんの表情は一転して 「ドラ焼き!」 とよだれを垂らす のび太は 「君すきだろ、ぼくのぶんも食べていいよ」と言った ドラえもんは「わるいなあ」 と言葉を返した。のび太は 「いやいや、ふだんおせわになっているからおやつくらい もしこの世に君がいなかったらと思うとぞっとするよ とてもぼくなんか生きていけないな」 と言った。それを聞き 「と、とても言えない みらいの世界へ帰るなんて・・・」
と陰で涙を流すドラえもん ドラえもんが傍にいるとのび太は頼り癖がついて 駄目な人間になってしまう それでドラえもんは未来の世界へ帰ることになったのだ
NO.106 p
02/24(日) 16:43 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- そこでドラえもんはセワシと相談して
ある策略を練る。ドラえもんが壊れそうな振りをして 修理のために未来の世界へ帰るという事にすれば のび太も納得するのではないかと・・・早速 「苦しい死にそうだあ」 と壊れた振りをするドラえもん それを見たのび太は 「ドラえもん壊れちゃいやだ」 とドラえもんに泣き付く そしてセワシに 「未来へ連れてってなんとかなおしてやって!」 とお願いした セワシは 「よしそうしよう」と言った そこでドラえもんは 「だけど僕が行っちゃったらこまるんじゃない?」 と言うとのび太は 「こまるにきまってらい でも君が元気になるためなら どんな我慢でもするよ」 と言った
NO.107 ぴ
02/24(日) 16:43 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- のび太の言葉を聞いたドラえもんは
感激で大泣きしのび太に 「壊れそうというのは嘘なんだ」と打ち明ける するとのび太は 「ひどいや未来へ帰っちゃうなんて!!しかもうそまでついて」 と言った。すかさずドラえもんは 「のび太くんはボクにたよる癖がついちゃったろ」 と言い返した セワシも 「このままじゃ、一人ではなんにもできない 駄目な人間になりそうで心配なんだ 自分の力でなんでもできる強い人になってほしいんだよ」 と言った
するとのび太は、 「分かった。ほんとにそのとおりだと思う やってみるよ 僕一人で 自信はないけどがんばるよ」 とドラえもんに言った
NO.108 ぴ
02/24(日) 16:43 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- のび太は
「君のこと忘れないよ」 とドラえもんに言った 「ぼ、ぼくだって・・・」 と泣きながらドラえもん、セワシは 「さようならあ」と別れ際に言った そしてドラえもんとセワシは未来の世界へ帰っていった
ドラえもんが帰った後 のび太は自転車の練習をはじめる フラフラした運転に何度も転び アザだらけの姿にのび太のママは 「無理しないでやめたら?」 と言うが、のび太は言った 「だ、だいじょうぶ・・・ イテテテテ、ドラえもんと約束したんだ」
その様子を未来の世界から見守り 応援するドラえもんとセワシ
「がんばれ、がんばれ!タイムテレビで応援してるぞ!!!」
NO.109 ぴ
02/24(日) 16:44 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 子供のころって、何度も同じ夢を見たりするんだよな。
同じ場所だったり、同じ人が居たり、同じ展開になっていったり。 大人にもあるのかもしれないけど、俺の場合子供のころ限定だった。
ショートヘアーの女の人、ワンピースを着た綺麗な女の人。 彼女はいつも俺の夢に現れては俺の名前を繰り返し呼んでいた。
初恋はその人だった。俺が小6のころの話。
夢みる少年だった俺も中学に入ってから変わった。 クラスでは盛りあげ担当になり、皆を笑わせた。 あと自分で言うのもなんだけど、結構モテたんだ。
女の子と付き合ったり、学校サボって遊んだり、中学・高校はあっという間だった。 その後も大学には行かずに就職、サラリーマン生活を満喫していた。
俺はその日の夜もいつもどおり帰りに買ってきたコンビニ弁当で腹を満たしていた。
ただ最近おかしなことがおきているんだ。 ここ何日かまたあの夢を見るようになっていたこと。 まあ今の俺にはあまり関係のないことなのだけど。
―プルルルルル プルルルルル プルルルルル
電話だ。見覚えの無い番号だなと思いつつ俺は受話器に手を伸ばす。
NO.110 ぴ
02/24(日) 16:44 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 「もしもし」
『夜分遅くにすみません、そちら山本孝義さんのお宅でよろしいでしょうか?』 なぜか聞いたことのあるような声だった。ピンとくるほどではなかったけど。
「はい、そうですけど…どちらさまですか?」
『…失礼しました、山本梓の妹です。』
「…!?」
俺の母親は梓という名前だった。会ったこともないのだけれど。 俺がまだ小さいころに行方不明になったらしい。 写真すら残していなかったのだからかなり徹底した家出(?)だ。
その母親が亡くなったという知らせだった。
涙は出なかった。 それどころかいつもより冷静だったくらいだ。
葬儀の日程などを聞いた後、普段どおり寝床についた。 ただその日は、やけに早く眠りにつけた。
NO.111 ぴ
02/24(日) 16:44 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 葬儀の取り仕切りは母親の妹がしてくれた、まあ俺も手伝ったけれど。
行方不明だっただけに訪れる人も少ない。
最後のお別れ。
俺はその時初めて自分の母親の顔を見た。
ショートヘアーに、お気に入りだったというワンピース。
それは紛れも無く、あの人だった。
その瞬間俺は全身の力が抜け、ドスッと座り込んだ。 恐ろしさよりも先に、涙があふれた。
「お…母さん…?」
その日の夜以来、彼女が俺の夢に現れることは無くなった。 だから本当に最後のお別れになったのは、夢の話。
「孝義 孝義 孝ちゃん 聞こえてる?
…おっきくなったんだねえ。」
NO.112 ぴ
02/24(日) 16:45 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- アメリカのとある地方に野球観戦の大好きな、
でも、目の見えない少年がいました。
少年は大リーグ屈指のスラッガーである選手に憧れています。
ある日、少年はその選手にファンレターを送りました。
「ぼくは、めがみえません。でも、まいにちあなたのホームランをたのしみにしています。
しゅじゅつすればみえるようになるのですが、こわくてたまりません。
あたなのようなつよいこころがほしいです。 ぼくのヒーローへ」
この手紙がマスコミの目に留まり、二人の対面が実現する事になりました。
カメラのフラッシュの中、ヒーローと少年はこう約束します。
今度の試合でホームランを打てば、少年は勇気をもって手術に臨む、と・・・
そして、その試合でヒーローによる最後の打席。2ストライク・3ボール。
テレビや新聞を見た多くのファンがスタジアムで固唾を呑んで見守り、
少年自身もテレビの中継を祈る思いで聞いています。
しかし、ピッチャーの投げた最後のボールは大きな空振りとともにキャッチャーミットに突き刺さりました。
そして全米から大きなため息が漏れようとしたその時、スタジアムの実況がこう言いました。
「・・・ホームラーンッ!月まで届きそうな大きな大きなホームランですっ!!!」
NO.113 ぴ
02/24(日) 16:45 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 一昨日妹が死んだ。
原因は居眠り運転の車にはねられての事だった。 年齢はまだ23歳と若くこれから楽しい人生が待ってたはずなのに。
小さい頃両親が交通事故で無くなり兄妹離れ離れで暮らさなければ成らなかった 生活能力の無い俺達にとってそれはごく当たり前の事だったと思う。 俺はその当時17歳妹は12歳だった・・・・。
俺は父親方の親戚に引き取られ、妹は母親方の親戚に引き取られていった。 2人とも引き取られたのは良いが、やはり他人が家に来ると言う事は 受け入れがたい部分も有ったのだろう、俺はそれ位の事は重々承知している。
ただ12歳と幼かった妹にとっては非常につらかったと思う。 俺は何とか我慢をして生活していく事は出来たが、 ある日俺の親代わりの親戚の父親が妹は親戚を盥回しされているんではないかと 夫婦で話をしているのをふと耳に入れた。
いてもたってもいられず、その親戚の家に電話をしたらもう他の家に預けたと言う。 俺はその親戚に「何でちゃんと見てくれないのか?」と問いただしたら 大人には大人の事情がある!その一言でかたずけられてしまった。
そう言われた俺は、ただただ悔しくて悔しくて泣いた。自分の無力さを恨んだ。 両親が交通事故で亡くなり、唯一の肉親がたった一人の妹だった。 そんな妹を毎日毎日「泣いてはいないか?」「元気にしてるのだろうか?」と毎日思っていた。
NO.114 ぴ
02/24(日) 16:45 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- そして俺が高校を出て21歳に成り就職を機に一人暮らしを始めるとともに妹を
「俺の借りているマンションに一緒に住まないか?」と言ったら、妹はすんなりと受け入れてくれた。 こうして一緒に住むことが決まりその日の夜に、これからとこれまでの生活の事を話し合った。 妹はやはり親戚の家ではあまり良くない扱いを受けていたそうで、俺のこの話を聞いた時 その家で嬉しくて泣いていたと言う。やっとこの生活から開放されるんだと。
それからの俺の生活は大変だった。 お金が無く公立高校にしか行かせてやれなかったが、普通に高校生として生活させてやりたいと、必死になって働いた。
毎日毎日働いた。 やりたい事もせず、俺の事は置いといて何よりも妹のために頑張って働いた。 こうして妹が高校を卒業して就職が決まり、その日は2人でささやかなお祝いをした。 あの小さかった妹が、大きくなりこうして俺の前で笑ってる。俺は涙が出そうになった。
その時妹が、小さく小さく聞こえるかどうかの小さな声で、「ありがとう」と言ってたと思う。 本当にそう聞こえたかどうかは分からないが、その時俺はそう聞こえたと思いたい。 そしてある日妹が父の日だからとネクタイをプレゼントをしてくれた。 俺は、なんで父の日にプレゼントなんだよ〜って笑って聞いてみたら、妹が 「両親が亡くなって代わりにここまで育ててくれたお兄ちゃんがお父さん代わり」なんだと。 俺はそれを聞いて嬉しかった。両親が亡くなり妹のために何も考えず必死に働いてたから・・・ そういった心から嬉しがる事が無かったから非常に嬉しくてトイレで 妹に気付かれないように声を殺してクゥクゥ泣いた。
ネクタイを締めて見せてくれとせがむ妹に恥ずかしいからと必死に断わった事を今更遅いが悔やんでいる。 何故あの時妹に見せてやらなかったんだと。 今でも妹のふくれっつらが目に浮かぶ。
NO.115 ぴ
02/24(日) 16:46 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 妹が事故に遭ったと連絡を会社で聞いた時、最初は何がなんだか理解できなかった。
病院に駆けつけた時には既に息を引き取った後だった。 眠るようにベッドに横たわる妹の顔見た時、俺は嘘だと思った。 何でなんだと。両親が亡くなり兄妹離れ離れに暮らすはめになり 挙句の果てに親戚にたらい回しにされ、邪魔者扱いを受けて暮らしていた妹。 こんなにも不幸な暮らしを受けて生きてきた妹にやっと見つかったと思う幸せな日々。
妹が「お兄ちゃん、今まで見守ってくれててありがとう。 私は十分幸せだから今度はお兄ちゃんが幸せになってね」と 言ってくれていた優しい妹に、何でこんな仕打ちが有るんだと!! 俺の幸せなんかお前の後で十分なのに、何でお前が先にいくんだと…。 何で両親ならずたった一人の妹までこうなるんだと、俺は病室で妹の顔を見ながらそう思った。 俺の幸せなんかお前の後で十分なのに、何でお前が先にいくんだと…。
葬式には俺の友人・妹の友人とその彼氏。あと優しくしてくれた親戚の者だけで静かに行いました。 たらい回しにした親戚も来ていて「残念な子を亡くしたね」っと言った時に俺は怒った!激しく怒った! 小さい頃に邪険に扱っておきながら何を今更と、何であの時優しくせずに今そんな言葉をかけるのかと。 それを言うとその親戚の人達は何も言わずその場から離れた。 今思えば少し言い過ぎたかもしれないけれど、その時優しくしてくれてれば 妹はもっとましな人生を送っていたかもしれないと思うと、俺は悲しかった。
NO.116 ぴ
02/24(日) 16:46 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 友人や親戚には言えないのでここで妹の事を少し話したい。
妹は俺が病気のと時に必死で心配してくれていた優しい子だった。 妹はつらくっても中々俺に相談しない繊細な子だった。 妹の高校の卒業式には両親の遺影と一緒に参加した 妹がご飯食べて帰るなら連絡しろって事を忘れて外で食って帰った時には怒られた。 妹に怒鳴りつけて泣かせた事もあった。 妹の帰りが遅いと怒りその事で喧嘩もした。 妹に彼氏が出来たと聞いて複雑な気持ちになった。 妹が泣いてた時も一生懸命話を聞いてあげた。 妹との色々と書き込めないくらいの思い出が一杯有った。
これからも喧嘩もしながら兄妹仲良く暮らして行きたかったけど妹はもう居ない。 結婚の挨拶に妹の彼氏が来たら追い返そうと思ってたけど、それすらもう出来ない。 それでも俺は当たり前の事だけど、これから妹の居ない生活を生きていかなければならない。 妹の言葉通り精一杯生き、そして幸せになる事が妹への最高のはなむけになると俺は信じている。
俺は無神論者だけどこれだけは言わせて欲しい。 この世に神様が居るとしたらあの世で妹が幸せで有る事を切に願う。 来世でも妹に会え、その妹が人並みの幸せな暮らしが出来ることを願う。 今度生まれ変わってもまたあの頃と同じ家族で出会いたいと俺は願う。
最後に俺の家族へのメッセージを言わせてください。
お父さんへ 「こんなに立派になりました。妹の事よろしく」
お母さんへ 「あなたの息子は精一杯生きています。先にいった妹を可愛がってください。」
妹へ 「いろいろと迷惑かけたけど、安心してください。そちらにいった時にはまた兄妹として仲良くしよう」
最後になりますが皆さんへのメッセージを大きな声で言わせてください
「ありがとう」
NO.117 ぴ
02/24(日) 16:46 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 私の母は昔から体が弱くて、それが理由かは知らないが、
母の作る弁当はお世辞にも華やかとは言えない
質素で見映えの悪い物ばかりだった。
友達に見られるのが恥ずかしくて、毎日食堂へ行き、
お弁当はゴミ箱へ捨てていた。
ある朝母が嬉しそうに「今日は〇〇の大好きな海老入れといたよ」と
私に言ってきた。
私は生返事でそのまま高校へ行き、こっそり中身を確認した。
すると確かに海老が入っていたが、殻剥きもめちゃくちゃだし
彩りも悪いしとても食べられなかった。
家に帰ると母は「今日の弁当美味しかった?」としつこく尋ねてきた。
私はその時イライラしていたし、
いつもの母の弁当に対する鬱憤も溜っていたので
「うるさいな!あんな汚い弁当捨てたよ!もう作らなくていいから」と
ついきつく言ってしまった。
母は悲しそうに「気付かなくてごめんね…」と言い
それから弁当を作らなくなった。
それから半年後、母は死んだ。私の知らない病気だった。
母の遺品を整理していたら、日記が出てきた。
中を見ると弁当のことばかり書いていた。
「手の震えが止まらず上手く卵が焼けない」
日記はあの日で終わっていた。
NO.118 ぴ
02/24(日) 16:47 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 母親は俺のことを“出来そこない”なんて言う。
学校に行かなくなってから二年、そろそろ先生にも見放されたころだろう。 毎日が長い。つまらない。意味が無い。
―消えてしまいたい。これが俺の本音だった。
死にたいじゃなくて消えたいなのは、やっぱり怖かったのかな。
自傷することは、思ったより簡単だった。 何度も何度も冷たい感覚を腕に残しては、気を晴らそうと必死だった。 母親には弱いとこ見せたくなくて隠してた。
でもとうとう、母親に見られちゃったんだ。 俺はなんとか誤魔化そうとしたけど、腕の傷は偶然出来たとは言えないものだった。
「あの…」『ねえ…』
同時に話そうとして声がかぶった。
母親は俺の目を見て、それからため息をついて言った。
『死なれるくらいだったら、一生だって養ってやるよ馬鹿。』
母親には弱いとこ見せたくなかった。
俺は声を押し殺して、泣いていた。
NO.119 ぴ
02/24(日) 16:47 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- ある日、娘が学校に行きたくないと言った。
私は忙しい毎日で疲れていて、アンタは家事もしなくていいのに何贅沢言ってるんだと 無理やり学校に連れていった。娘は泣いていた。 ある日近所の人に「娘さんは学校行きたくないの」と聞かれて恥ずかしくなった その日は娘に当たり、「学校に行きたくないなんて次言ったら追い出す」とまで言った 娘は今度は泣かずに、わかりましたと言った。 初めて敬語を娘に使われて、慌てて謝り娘を抱き締めた。 娘はごめんなさいを繰り返していた。 私は不安になり学校に行った、先生に話を聞くといじめなどはないと言われた。 安心して家に帰ると娘が近づいてきて「お願いだから明日は休ませてください」とどこで覚えたか土下座をしたのだ。 あまりの衝撃に怒ることも忘れて理由を聞いた。 「明日はお弁当がいるの、お母さん朝早く起きなきゃいけないから、ごめんなさい明後日は大丈夫だから、疲れてるのにごめんなさいごめんなさい」 娘は当時小学二年生、私を気遣ってこんなことを? 今度は前に休みたいと言った理由を聞いた。 理由はその日は作文で家族の事を書いて発表する日だったからだと言った。 家族は母親である私しかいない、私は毎日仕事ばかりでろくに遊んでもあげない 娘は何を書けばいいかわからず、それで先生に怒られては私に迷惑がかかると思ったらしい。 私は泣きながら娘を抱き締めた。 そしてその日は二人で一緒に寝て お弁当は娘の好きなたこさんウインナーを入れてあげた。
NO.120 ぴ
02/24(日) 16:47 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 私は自己中で、自分の気分で人に八つ当たりをしていた
でも、そんな私にもツケがきた。 皆に悪口を言われ、一人になった でも、クラスの一人は助けてくれた。 話しかけてくれた、移動教室も一緒に行ってくれた。 そして私は、すべてその子に話した 自分が今までどんなにひどいことをしてきたのか。 すべて、すべて話した。 するとその子はしかってくれた。 「泉美(私)が今までしてきたことは、もう取り返しのつかないこと。 それはもう過去であり、過去は変えることが出来ない。」 それを聞いた私は、本当に後悔した。 いまさら後悔しても無駄だってわかっていても、心から後悔した。 でも、その子は言ってくれた。 「過去は変えれないけど、未来は変えれるかもしれない。」 私はその言葉に耳を傾けた。替わりたい、心から思ったから。 「もう。やめよう?すべて、終わりにしよう?悪口も、すべて。 そして、今、今ここからかわればいいじゃん。 泉美は、今ココから歩く道をかえます!」 その言葉をきいた私は泣いた。 これでもかっていうくらい泣いた。 そして、ありがとうを何回も言った。 今までこんなにたくさん言ったこと無いくらい、 「ありがとう。」そう、言った。
NO.121 ぴ
02/24(日) 16:48 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- おじいちゃんへ
おじいちゃん、元気ですか? 小さい頃から私達家族をいっぱい愛してくれたおじいちゃん。 一緒に買い物にいったり、バレンタインのお返しに猫の筆箱もくれた。お酒が大好きだったおじいちゃん。機械オンチでよく私にデジカメのこときいてたね。
ある日、私が行きたいといって中華料理屋さんにおじいちゃんの運転する車に乗っていった。でも、おじいちゃんおなかが痛いって言ってあまり食べなかったね。でもそんなことは誰でもあることだし、おじいちゃん笑ってたから気にしなかった。でも帰りにおなかが痛いからお母さんが運転して帰った。このときにちょっと心配になってきたんだ。それから何日も調子が悪いってことで病院にいったらしい。お母さんから、「おじいちゃん、ちょっと病気になっちゃったんだ。」って言われたときはすごく嫌な予感がしたよ。「治るの?」って言ったらお母さんは「うん。」と言った。お母さん、お母さんはこのときに嘘をついたね。私のためだったんだよね。 病気と知っても、治るって言ってたからお見舞いにあまり行かなかった。時々行くと、おじいちゃん嬉しそうだった。ぬいぐるみもくれた。でも、トイレに1人で行けてなかったね。 ある日、私と叔母さんでおじいちゃんの好きなクラシックをいっぱい聞けるようにCDプレーヤーを買ってあげた。おじいちゃん、それでクラシックきいて嬉しそうだった。
NO.122 ぴ
02/24(日) 16:48 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- その次の日だった。塾から帰ってきたら家にお母さんがいなかった。お兄ちゃんが「おじいちゃんが救急車に運ばれたって。だからお母さん病院行った。」って言った。でもあんまり気にしてなかった。本当にこの頃は幼かったんだね。
その夜、おじいちゃんは死んだ。 朝お父さんに起こされて斎場に行った。 おじいちゃんが寝てた。眠ってた。 お姉ちゃんが泣いてた。泣いたとこ見たことのないお兄ちゃんが泣いてた。 でも私泣かなかった。 だって起きると思ったから。それに、親戚がいっぱい集まって楽しいって思ったぐらいだった。でも、おじいちゃんをちゃんとした箱(?)に移すとき、自分の手におじいちゃんの重みを少し感じ、いきなり泣いた。おじいちゃん、死んじゃったんだ。もう笑わないんだ。もう「みいちゃん」って呼んでくれない。お酒も飲まない。一緒に買い物も行かない。声もきけない。この体が燃えちゃったら、もう見ることもできないんだ。私は悲鳴のような泣き声をあげた。
おじいちゃん、お見舞いいっぱい行ってあげなくてごめんね。 大好きって言いたかったよ。 おじいちゃんの孫で本当によかった。
私はこれからもおじいちゃんの孫です。
NO.123 ぴ
02/24(日) 16:48 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 小学校の時、足の悪い子がいて、ひょこひょこ歩くのが滑稽でみんなでからかうようになった。
野球なんかでもわざと取れないところにノックして、転ぶのを見て笑ったり。 でもその子はいつもニコニコしてて何も感じてないようだった。 でも、その事が先生にばれてみんなこっぴどく怒られた。 その子の親に謝まりに行った時、その子はいつもと違って泣きじゃくりながら、 「遊んでくれるだけでいい、笑われてもからかわれても遊んでくれるだけでいい」って。 それを聞いてお母さんは泣き出し、俺たちも自分たちの情けなさに泣き出してしまった。 彼の気持ちを考えると、ごめんなって言うのがやっとだった。
NO.124 ぴ
02/24(日) 16:48 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 今日は兄の誕生日だ。私より10才年上の兄は、
私が10才の時に両親を事故で失って以来ずっと私を育ててくれた。
兄は私を育てるために大学をやめ、働きながら私を育ててくれた。 口癖は「お前は俺の半分しか父さんや母さんとの思い出がないんだから」だった。 授業参観にも学校祭にも体育祭にも三者面談にも、いつも兄が来てくれた。 周囲のおばさま方の中で、明らかに兄は浮いていたが それでもいつも兄は会社で休みをもらって学校に来てくれた。
初めて作った料理とも言えないようなものを、美味しいと言って全部食べてくれた。 仕事で疲れているだろうに、家に帰ってきてから私の学校での話を聞いてくれたり 宿題を見てくれたり、学校への連絡ノートも毎日欠かさず書いてくれた。 土日も私と遊んでくれて、色々なところへ連れて行ってくれた。
そんな兄には自分の時間なんてなかったように思う。 友達のを見て、お団子ヘアにして欲しい、友達のお母さんならやってくれたと わがままを言った時慣れない手つきで一生懸命作ってくれたのに
こんなんじゃない、お母さんに会いたいとと兄をなじってしまった。 兄はそれを聞いてごめんと泣き出してしまった。 あの姿を思い出すたびに、兄も両親を事故で失った子供だったんだと今でも泣きそうになる。
その兄が、一年前両親と同じように事故で突然この世を去った。
兄が死んだ時、私は兄が両親を失った時より一才年上だった。 兄はこの状態でまだ小学生の私を育ててくれたのかと思うと それがどれだけ大変だったかと思って涙が出る。
兄は私がいたせいで友達と遊びにも行けなかった。 恋人も、出逢う暇さえ私が奪ってしまったんだ。 たくさんたくさんごめんなさいとありがとうも言えないままだった。
「ちゃんと幸せになれ」っていつも言ってくれたけど、 兄の幸せはどこにあったのだろう。今も考えてる。
もう兄に何も返すこともできないけど、兄のおかげでここまで来れた人生、 恥ずかしくないように生きられるように頑張ろうと思う。
お兄ちゃん、天国で見ててね。 今からでもお父さんとお母さんに甘えてるといいな
NO.125 ぴ
02/24(日) 16:49 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 両親は、仲が悪いのだと思っていた。
冷たく見えるぐらい素っ気なかったから。
両親の兄弟姉妹などから、 幼なじみで大恋愛だったとか、 周りの反対を押しきって結婚したんだとか聞かされても、 到底信じられなかった。
母が子宮癌で手術を受けた。 手術の終わる時刻を見計らって病院へ行くと、父が母のベッドの傍に座り、好きな歴史小説を読んでいた。 麻酔から覚醒したのか、母が痛い痛いと呻きだした。 父は即座に小説を閉じ、母の右手を両手で包み込んだ。 『ユミ、大丈夫だよユミ…』 まだ意識が戻りきっていないながらも、父の声に母が反応して答えた。 「タカちゃん…痛いよ…タカちゃん…」
父と母が名前で呼び合うのを聞いたのは、それが初めてで、最後だった。
母の通夜の後、 棺の中の母の頬を何度も何度も父は撫でていた。 黙って撫でていた。
NO.126 ぴ
02/24(日) 16:49 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 小学三年生ごろの話。
父は入院してて、週一回ぐらいは母と一緒にお見舞いしてた。
入院から数年経ったころ、病院から電話がかかってきた。
病室に入ると、おばあちゃんと姉ちゃんと父の妹、看護士と医師。
その人たちがベットを囲んでた。 おばあちゃんと父の妹は、病院から遠いのに・・・ 駆けつけてくれたんだろうな。
みんな静かだった。
けど、父の妹は泣き崩れてた。
おばあちゃんが私に言った。
まだ耳は聞こえるから、言葉をかけてあげて、と。
でも…どうすりゃいいのかわかんなかった。いや、口が動かなかった。
しばらくすると、心電図が0になった。 でも、三分ぐらい様子をみてた。
それから、医師が時刻を言った。
ご愁傷様とかより先に、死亡時刻を伝えた。
そして、何人かで病室に残った。
不謹慎だけど気になって、父の顔にかけられた白い布をそっとめくった。
幸せそうな笑顔だった。 あのとき言葉をかけてられなかったのが、自分にとっちゃ一番せつない。
あとから知ったけど、ガンだったらしい。
随分経った今でも、思い出すと泣きそうになる。
ときどき泣く。
切ないとか悲しいとかもあるけど、くやしくて。
出来るなら、伝えたい。
ありがとうと、大好きと。
NO.127 ぴ
02/24(日) 16:49 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- まったく関係ない話だが。
昔、父親に誕生日プレゼント買ってやると言われ、おもちゃ屋に行ったときのこと。 本当はゴジラの電動ラジコンみたいなのが欲しかったんだが、貧乏な家だったので漏れは父親の財布を心配してラジコンより50円安かったゴジラのプラモを選んだ。
父親は 「ラジコンでもええねんぞ」 と言ってくれたが、50円といえば5円チョコを10個も買える。
大金だと思った。だからプラモを選んだ。
家に帰ってさっそくプラモを作った。 ちんぷんかんぷんだったが、父親とワイワイ言いながら結局1週間ぐらいかかったかなぁ。 一緒に笑いあったあの時間は、今思い返すと50円以上の価値があったと思う。 ゴジラは去年、父親の遺骨と一緒に墓に納めました。 覚えてくれてるかな。 一緒に作った楽しかった時間。
NO.128 ぴ
02/24(日) 16:50 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- テレビのロケをしていた江頭にサインを頼んだらマジックがおかしかったらしくきれいに書けなくて、そうこうしていたら江頭の出番が来て呼び戻されてロケに戻って行ったんだけど、もらった人はそれでもすごく嬉しくて興奮していたらしい。
そして、ロケが終わった後、プロデューサーが来て一枚の色紙をくれて、そこにはめちゃイケのレギュラー全員のサインが書かれていたそうだ。 江頭が頼んでみんなにもらったらしいのだが、色紙には江頭のサインはなく、その理由は 「自分がすると価値がさがるから」 らしい。 そんなことないのにね。
NO.129 ぴ
02/24(日) 16:50 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- かあさんは元々体が悪かった。ずっと昔から。私を産む時も家族・親戚中から反対されてた。でも、私を産んでくれた。妹を妊娠した時も医者に止められていた。せっかく授かったかけがえのない命を無駄にしない!って医者に言った
どうせ長くないみたいだから、あなたとあの子に最後のプレゼント。そう父さんに言った。私が死んで、あなたが死んでも、これであの子は一人ぼっちにはならない。そう父さんに言った。 ごめん、もうかけない
NO.130 ぴ
02/24(日) 16:50 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 19の時、妹が産まれた。友達から「お前の子供だろー!」なんてからかいも受けたりした。でも、高齢出産だったかあさんはそれが元で、体がおかしくなった。無理して産むから!妹なんていらない!なんで子供が出来るん?!って、思った。
正直、その時は妹が嫌いだった。余計な「物」だった。 気持ち良さそうに寝ている姿にムカついた。
結局、かあさんは出産のために入った病院から出ることなく家には帰ってこなかった 妹を殺してやろうと思った。大嫌いだった。絶対面倒なんて見ないって思った。でも、父さんは違った。自分の子供だからね。かあさんとの子供だからね。そう思った。 お葬式が終わって、49日の法要の日がきた。それまでほとんど家には帰らなかった。妹がいる家にはいたくなかった。法要のあと、父さんに呼ばれた。話があるって。リビングのソファーに父さんが座ってた。そばで妹が寝ていた。 泣いた。すごく泣いた。父さんの話を聞いてすごく泣いた。そして、自分のバカさ加減に情けなくなった。
NO.131 ぴ
02/24(日) 16:51 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 2年前旅行先での駐屯地祭で例によって変な団体が来て私はやーな気分。
その集団に向かって一人の女子高生とおぼしき少女が向かっていく。
少女「あんたら地元の人間か?」 団体「私達は全国から集まった市民団体で・・・云々」 少女「で、何しにきたんや?」 団体「憲法違反である自衛隊賛美につながる・・・云々」 少女「私は神戸の人間や。はるばる電車のって何しにここまで来たかわかるか?」 団体「・・・・?」 少女「地震で埋もれた家族を助けてくれたのはここの部隊の人や。 寒い中ご飯作ってくれて、風呂も沸かしてくれて 夜は夜で槍持ってパトロールしてくれたのもここの部隊の人や。 私は、その人たちにお礼を言いに来たんや。 あんたらにわかるか? 消防車が来ても通り過ぎるだけの絶望感が。 でもここの人らは歩いて来てくれはったんや・・・・」
最初、怒鳴り散らすように話し始めた少女は次第に涙声に変わっていった。 あまりにも印象的だったのではっきり覚えている。 団体は撤退。 彼女が門をくぐった時に、守衛さんが、彼女に社交辞令の軽い敬礼ではなく直立不動のまま敬礼していた。
NO.132 ぴ
02/24(日) 16:51 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 麻有さんは、友人と2泊3日の韓国旅行に行くため、関西空港へ向かう途中で脱線事故に遭遇した。
11年前に母親を亡くし、父親、弟の三人暮らし。 以来母親に代わり、家事をすべてこなしてきた。 そんな麻有さんが楽しみにしていた初めての海外旅。 父と弟も今まで頑張ってきた麻有さんに精一杯楽しんできて欲しいと送り出した。
麻有さんは、たった2日間家を空けるだけなのに家族ののことを心配してこんなメモをのこしていました。
父さんへ。
土日の買い物ありがとう。
来週はゆっくり休んでください。
朝、出るとき 声かけてほしいです。
冷凍庫に入っている
ごはん コロッケ、納豆、いかなご
食べてね。
いかなごは そのままお皿に入れて
自然解凍です。
納豆は、からしとたれを取ってから
レンジで40秒ぐらい。
二つなら 50秒〜1分ぐらいです。
がぐへ。
ごはん、ちゃんと食べてね。
牛乳を飲んでください。
いっぱい おみやげ買ってくるね。
まゆ より。
NO.133 ぴ
02/24(日) 16:52 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- お父さん
「男は人前で泣くものではない」と厳しく言ってましたよね。 だから、お父さんが亡くなる時も通夜でも葬式でも 俺は決して泣かなかったのです。
あの頃、まだ幼稚園児だった弟はもう大学生です。 成長する毎に、顔、声、体格、なぜか仕草まで、 お父さんに生き写しと誰からも言われるようになりました。
弟が俺の結婚式で着ていたのは、お父さんのスーツでした。 「これお父さんの服」と弟に言われる迄、気付きませんでしたが。 弟はただ、ピッタリだからというだけの理由で着たようです。 しかし、それを知ったが最後、弟にばかり気を取られます。 一瞬、お父さんかと錯覚する程似て見えます。
お父さんに、今日のこの場所にいてほしかった。 そして「育ててくれてありがとう」と言いたかった。 初めてネクタイを締めた弟の姿を見せたかった。
様々な思いが去来する中、俺に「おめでとう」と言った弟の声が、 あまりにもお父さんに似過ぎていて涙を堪えきれなくなったのです。
言い付けを守れなくてすみません。 けれど、こればかりはお父さんも許してくれるのではないか、 と甘く考えていることも、正直に書いておきます。
NO.134 ぴ
02/24(日) 16:52 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 先週、風邪で39℃の熱が出て寝込んでた。
ひどい悪寒と関節痛で二日間まったく動けなかった。 そろそろ氏ぬのかなーってボンヤリ思っていたら、 ネコが布団に入って来た。 暖かかった。おかげでやっと熟睡できた。
翌朝、熱は37℃まで下がってた。 だがネコはいつの間にか居なかった。 そーいえば、あいつ七年前に氏んだんじゃなかったっけ?
心配かけてスマソ、ラビ 助かったよ。
NO.135 ぴ
02/24(日) 16:52 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 俺は、施設に預けられた。
そのとき、友達なんて 1人もいなかった。
俺が、木の前で 泣いてたら A君がきた。
そいつは、こう言った
「どうしてないてるの? 下向いてないで、上向いてや ほらっ笑顔笑顔っ」
なんて優しい言葉なんだろう・・・。
俺はそう思った。
毎日 毎日遊んでた
だけど、A君のことが好きな子がいた。
Bちゃんだ・・・・
やがて A君と遊んでると、Bちゃんは睨んでくる。
俺は怖かった。
だから俺は、B君に言った
「もう遊ぶのやめよう・・・」
俺は言った、A君は涙をこらえて 笑った・・・
「わかったよ・・・」
それから、一週間後 A君はすっかり Bちゃんに取られた。
A君は、楽しそうじゃなかった・・・
NO.136 ぴ
02/24(日) 16:53 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼 そのあと 俺たちは、仲直りした。
仲直りしたら、Bちゃんが喧嘩をうってきた。
「わたしの男の子、とらないでよおっ」
俺は、焦った。
そしたらA君が・・・・。
「やめろよっ」
いつも優しいA君が怒った。
正直こわかった。
Bちゃんは、怒りだした。
その次の日 施設の裏庭に俺を呼びに来た。
Bちゃんが・・・・。
いきなりBちゃんが
「私ー 空太のこと好きなのぉー」
俺は、きっぱり断った。
そしたらBちゃんが 怒りだして、カッターで俺を刺そうと した・・・。
そしたら A君が走ってきた。
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
カッターは、A君に刺さった。
俺は、泣いた。
俺が断ってなかったら・・・
俺が A君とであったから・・・・
全部全部俺のせいで・・・・ 俺のせいで・・・・
俺は叫んだ。
「A君ーーーーーーーーーーーーー」
A君は、死んだ。
俺が悪いんだ。
そう、この俺が、A君を殺した。
そのあと、A君の机に俺宛に手紙が入ってた・・・・。
手紙のないようは、すごい泣けた。
空田へ。
ずっーとずっーと一緒にいようなっ
大好きっ
字も下手で、俺の名前の漢字もまちがっとる。
俺は、笑った。
ありがとう・・・・A君
おまえのおかげで、元気でた。
天国でも、元気でいろよ・・・
NO.137 ぴ
02/24(日) 16:53 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- ある日のことだった。
私は化粧を直そうと思い、とあるデパートのトイレに行った。 トイレの大きい鏡の前に立ったとき、私は驚いた。 自分の後ろに、おじいさんが立っているのだ。 買い物を済ませたのか、おじいさんの腕には買ったらしきものが入ったビニール袋が下がっている。そして、手には白い杖を持っていた。 その時まだ、若かった私。老父が、女子トイレに何事もないかのように立っているのが気持ち悪かった。 「ここ、女子トイレですよ?」 私は少し、キツめな口調で言った。 そしたらおじいさんは 「すみませんね…」 と一言。その場から動く様子がない。 「ちょっと貴方ね…!」 私がおじいさんに怒鳴りつけようとしたときだった。 トイレの個室から声が聞こえた。 「おじいさん…終わりましたよ」 おばあさんの声だった。 するとその声を聞いたおじいさんは、その声がするほうの個室へと向かった。そしてドアを開けた。 おばあさんは、トイレに鍵をかけてなかった。妙なことだったけど、その理由はすぐにわかった。 おじいさんが、震える手でおばあさんのズボンを上げて、ボタンをとめる。そしておじいさんは、おばあさんの手を洗ってさげて、持っていた白い杖を渡した。 その様子を私はじっと見ていた。その視線に、おじいさんは気づいたのか私に一礼して、トイレを出て行った。 おばあさんは、盲目だったのだ。おじいさんは、そんなおばあさんの世話をするために、トイレにまで着いて行っていたのだ。周りの視線なんか、一切気にしないで…。
私は、なんだかとても複雑な気持ちになってその場に立ち尽くした。 「謝らなきゃ」 そう思い、私もトイレを出て行った。私は右左と、あの老夫婦を探す。そして5mくらい先に、さっきの老夫婦が見えた。 「追いかけよう」 と思ったけど、私はやめた。 おばあさんは、白い杖をおじいさんに渡し、おじいさんの手を握る。おじいさんは、そんなおばあさんを見て優しく微笑み、2人は歩いて行った。 そんな2人の後ろ姿は、なんだか幸せそうだった。
私は、その2人に深く頭を下げた。 私の化粧は、涙でぐちゃぐちゃだった。
NO.138 ぴ
02/24(日) 16:54 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 俺のじいちゃんは癌だった。喉頭癌。
酒や煙草が大好きだったから「しかたないな」なんて思ったのを覚えている。
年だったし、無理だろうって周りの大人たちが思ってたのを知ってるから 正直あまり悲しいとかは思わなかった。本当に何も感じなかった。 廊下の奥だったじいちゃんの病室が、最後に見舞ったときにはナースステーションのすぐ近くだった。 「ステーションに近づくのは死期が近い証拠」ってどっかで聞いたけど それでも何も思わなかった。 最後にじいちゃんの手を握ったときも 悲しいとさえ思わなかった。
そしてとうとう、じいちゃんが死んだ。 式はとにかく窮屈で、じいちゃんの一人娘の子供の俺はいろいろ忙しかった。 多分仏式なんだと思うけど、坊さんがなんどかじいちゃんの入った棺をはたいてた。 可哀想だからやめて欲しいなって思った。生きてたらどーすんだ って。
焼く前に、棺にたくさんの花とたべもの、お酒や煙草を入れた。 「じいちゃんに世話になったんだから、お前の得意な絵でもかいてやってくれ」 って父親に言われてたのを、そのとき思い出した。 最後に箸を立てた飯を入れるとき、ばあちゃんがつぶやいたんだ。 「最後はご飯も食べれなくなって・・・ 天国では、いっぱいたべてちょうだいね。」 泣きそうになったけど どっかでかっこ悪いとか思った俺は泣けなかった。 「私はいや・・・!焼きとおない!」って言って泣き喚いたばあちゃんを見ても 俺は泣けなかった。
じいちゃん、ごめんな。 俺じいちゃんが死ぬなんて信じられなかったんだよ。 世界一美味いじいちゃんのから揚げ、食べれなくなるなんて嫌だったんだ。 入院する前から、ネットばっかして遊びにいけてなくてごめん。 酔っ払って、みんなに怒られてるじいちゃんの味方になれなくてごめん。 だめだって解ってたのに 怖くて見舞いにいけなくてごめんな。 ネットなんかに依存して、ぼろぼろになるような恋愛して ODやリスカなんかに頼って生活しててごめん。 すぐには無理だけど、ゆっくり変わっていきたいと思ってる。
美味いから揚げ、ありがとう。 また食わせてくれよな。
NO.139 ぴ
02/24(日) 16:54 IP:219.192.210.45 謎
削除依頼- 泣ける話ってやつだけど。
お父さんへ 高校生だった私は 今はお母さんになっています。 結婚式も孫の顔も見ることなくいってしまったけど きっとどこかで見ていてくれてるよね。
お母さんへ 突然いってしまって 肝心なことをいい忘れたよ。 ありがとう…。 生きているときには 恥ずかしくて言えなくて でも一番言いたかった言葉なんだ。
妹 なおちゃんへ 最愛の息子も 中学生になったよ。 なおちゃんそっくりだよ。 腕を切り落として 頭蓋骨までも一部切除して 痛かったでしょ。苦しかったでしょ。 泣き言一つ言わず よく絶えたね。がんばったね。 胸にチューリップをさして 炎の中へ消えて行った。 永遠の24歳だね・・・・。
みんなに届くといいな。 私は結構幸せに生きてるよ。 また家族として 巡り合いたいね。
多分これで全部です
NO.140
02/24(日) 19:34 IP:219.106.189.165 謎0325400 チェリー☆
削除依頼- あげ
NO.141 ちょこぼぉぉる
02/24(日) 20:26 IP:219.60.133.1 謎
削除依頼- あげ
NO.142 あR!おか
02/24(日) 20:28 IP:219.108.0.217 謎3979231
削除依頼- つhttp://www3.orangedays.org/save/080223204249.html
NO.143 たかせ
02/24(日) 21:44 IP:60.45.121.32 謎4627978
削除依頼- 前のスレ保存しました('I`)ノ★
あげ
NO.144 あ
02/24(日) 22:23 IP:210.197.114.249 謎1246647
削除依頼- あげ
NO.145 主
02/24(日) 22:37 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- 何度読んでも号泣してしまう(´・ω・`)
NO.146 主
02/24(日) 23:34 IP:210.197.114.249 謎
削除依頼- あげー
NO.147 海(・ω・)彰
02/25(月) 00:36 IP:220.46.170.196 謎5845568
削除依頼- 何回読んでも
なける(´`)
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