イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、行方不明の2人を捜索していた千葉県勝浦市の新勝浦市漁協は24日、父子が所属する川津支所を除く6支所の捜索打ち切りを明らかにした。漁協には2人の家族から「これ以上迷惑を掛けられない。打ち切ってもらって構わない」との意向が伝えられていた。
漁協は事故後、7支所の所属船約60隻を現場海域に出し、手がかりを捜してきた。25日の捜索は川津支所の所属船約20隻が海自と連携して行う。外記(げき)栄太郎組合長は「2人を捜し出したいが、組合員の生活への影響も最小限にとどめる必要がある」と話している。
一方、第3管区海上保安本部は近く、現場海域にあたごを航行させ、事故当時の乗組員を立ち会わせた検証を行う方針であることが分かった。午前4時ごろに、当時の航路や見張りの状況を再現し、詳しく調べる。
3管などによると、検証はあたごのほか、チャーターした漁船などを配置して実施する。あたごを当時と同じ約10ノットで航行させ、漁船の灯火の見え方などを確認する。見張りの乗組員らも同じ場所に配置し、午前4時前の当直交代時の引き継ぎの様子や、漁船群をレーダーで確認した後のやり取りを再現する。【佐々木洋、吉井理記、堀智行】
毎日新聞 2008年2月24日 20時32分 (最終更新時間 2月24日 20時49分)