軍事評論家=佐藤守のブログ日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

■軍事を語らずして、日本を語るなかれ!!■

2005-07-13 南京事件について(その5)

南京事件について(その5)

「南京における日本軍の衛生活動」大阪朝日新聞北支版(昭和13年4月16日)の林田特派員による南京便りを引用する。

「仕事は死体整理 悪疫の猖決獗期を控えて 防疫委員会も大活動」

「戦いの後の南京でまず整理しなければならないものは敵の遺棄死体であった。濠を埋め、小川に山と重なっている幾満とも知れない死体。これを捨て置くことは衛生的に言っても人身安定の上から言っても害悪が多い。

そこで紅卍会と自治委員会と日本山妙法寺に属するわが僧侶らが手を握って片付け始めた。腐敗したのをお題目と共にトラックに乗せ、一定の場所に埋葬するのであるが、相当の費用と人力が掛かる。人の忌む悪臭をついて日一日の作業は続き、最近までに城内で1、793体、場外で30、311体を片付けた。約11、000円の入費となっている。

苦力も延5,6万人は働いている。しかしなお城外の山のかげなどに相当数残っているので、更に8、000円ほど金を出して真夏に入るまでには何とか処置を終わる予定である。

防疫方面についてわが現地当局者間に防疫委員会が生まれ、十月には大掃除を市内全部にわたって行うが、支那側警察局でも苦心し、百人の清潔班の派遣をはじめ所々汚い地区では大掃除を行ったり、大小便すべからずの立て札を立てたり、ドブを埋めたり死体を収容したり、相当努力しており将来は『防疫病院』の設立、衛生事務所(衛生組合のようなもの)の設置、種痘施行その他を企画している。

町の半ば以上の廃墟の中には特に古鉄類が醜かったが、自治委員会が買い入れを発表したので、仕事のない自由労働者群が拾い屋になって集めまわり、何百トンとまとまりつつあり、わが日鉄が買い上げることになっている。これなどは民国らしい清掃の名案だ。

夏むきの悪疫流行期を控えて食物衛生は特に重要であるので、いよいよ近く市内四箇所に市場が新設されることになった。

鶏が払底しているはずだのにむし卵売りが市内に氾濫しているという珍現象にあらわれている通り、南京は食料には弾力性のある町であるが、今のように大道の砂埃の中で豚肉を売っていたり野菜を並べていたりする風景を一掃、全部市場へ集めると同時に、江北方面から豚や新鮮な野菜をウンと集められるわけである。

わが兵隊さんも野菜には不自由しないのだ。」

この特派員報告記事を読んで、奇異に感じる日本人も多いに違いない。南京城内に入った日本軍は、城内で約1、800の遺体、城外ではなんと30、000余の遺体を、現地人の苦力約5,6万人を使って賃金を支払って?片付けているのである。日本山妙法寺にはこの時の記録が残っているのではなかろうか?

衛生情況の改善にも真剣に取り組んでいて、日中一体となって努力している様が彷彿とする。その上、中国農民達は鶏や野菜などを確保していて、それを記者は「弾力性ある」と表現しているのである。30万人もの虐殺が行われたのであればこのような記事は書けまいし、第一中国側当局者の協力が得られるはずはない。その後で日本軍が計画的に南京市民を虐殺したとも考えにくい。この頃の各国のメディアにも殆ど報道されていないのはどうしたことであろうか?

勿論、占領下である以上、イラク・バグダッドほどではなかったかもしれないが、残存中國兵によるテロ行為は続いていたに違いない。

当時の米国副領事が、1938年1月に国務長官宛に次のような「南京における状況」報告をしているが、その抜粋を書いておこう。

南京米大使館・作成者  米副領事 ジェームス・エスビー

       確認者  3等書記官 ジョン・エム・アリソン

       作成日付  1月15〜24日

       郵送日付  1938年2月2日

1, 12月10日以降南京に発生したる事項の概略

シナ軍は市の城壁の外側の市に属する大なる部分を焼き居れり。これは軍事上の目的よりその土地の邪魔者を除去せるなり。然れども残留せる在留米国人は、退却中のシナ兵による城壁内にて行われたる財産の放火破壊および略奪は僅少なりと主張しおれり。故に日本軍は入城と共に南京が実際に荒らされおらざるを発見せり。市民の残りの大部分は南京国際委員会の計画設定せるいわゆる「安全地帯」に避難しおり、相当数のシナ兵を巧みに補足する筈なりしが比較的少数なりしなり。実際に残留せるシナ兵の数は不明なれども数千の者はその軍服を脱ぎ捨てて常民の服を着て常民に混ざり市内のどこか都合よき処に隠れたるに相違なきなり。

(中略)

しかしながら、ここに一言し置かざるべからざるは、支那兵自身は日本軍入城前に全然略奪をなさざりし訳にはあらず。少なくもある程度には行ないおれるなり。

最後の数日間は疑いなく彼らにより人及び財産に対する暴行犯されたるなり。支那兵が彼らの軍服を脱ぎ常民服に着替える大急ぎの処置の中には、種々の事件を生じその中には着物を剥ぎ取るための殺人をも行いしなるべし。彼らの無秩序の時のことなり。

退却する軍人および常民にても、時と場所とにては計画的ならず略奪を為せしことは明らかなり。全ての公の施設の機能停止による市役所の完全なる逼賽と、支那人政府と大部分の支那住民の退却とにより市に発生したる完全なる混乱と無秩序とは、市を如何なる不法行為をも行い得らるる場所となし了れるなり。

 これがために残留せる住民には日本人来たれば待望の秩序と統制との回復あるべしとの意味にて日本人を歓迎する気分さえもありたることは想像せらるる所なり」

口語体のしかも翻訳文なので、多少読みづらいところがあるが、米国人が当時の状況をどう捉えていたか、又「便衣兵」(修正・ご指摘感謝します!)がいたことを証言する貴重な記録であろう。

bluefox014bluefox014 2005/07/13 20:27 >エスピー報告

せっかくだから、現代語訳を紹介しましょうか。

「しかしながら、ここで触れておかなければならないのは、中国兵自身も略奪とは無縁ではなかったことである。彼らは少なくともある程度まで、略奪に責任を負っている。日本軍入城の最後の数日間には、疑いもなく彼ら自身の手によって、市民と財産に対する侵犯が行われたのであった。気も狂わんばかりになった中国兵が軍服を脱ぎ棄て市民の着物に着替えようとした際には、事件もたくさん起こし、市民の服欲しさに、殺人まで行った。この時期、退却中の兵士や市民までもが、散発的な略奪を働いたのは確かなようである。姿勢府の完全な瓦解は、公共施設やサービス機能をストップさせ、国民政府および大多数の市民の退却は、市を無法行為に委ねることになり、混乱を招いたようだ。このため、残った市民には、日本軍による秩序の回復を期待する気持ちを起こさせることになった。」

若干ニュアンスが異なるようですが、それは大きな問題ではないとみなします。
大きな問題は別のところにあります。この文の直後には、次のような文が続くのです。

「しかしながら、日本軍が南京に入城するや、秩序の回復や混乱の終息どころか、たちまち恐怖政治が開始されることになった。十二月十三日夜、十四日朝には、すでに暴行が行われていた。」

軍事評論家・岡崎研究所特別研究員の佐藤さんは上記の箇所を引用されませんでした。
そして、同報告書には以下のような記述も見られます。

「日本軍の分遣隊による便衣兵狩りや処刑の他に、日本兵は二,三人ないしはそれ以上に徒党を組み、市内を傍若無人に徘徊した。これらの兵士は極悪非道な殺害、強姦、略奪をして、市を恐怖のどん底に陥れた。」
「しかし、われわれの聞いたところによると、日本軍指揮官より、兵士を統制下におくよう少なくとも二回の命令が出され、また、入城前、いかなる財産にも放火しないよう、厳命が出されていた。
 それにもかかわらず、大勢の兵士が市内に群がり、筆舌に尽くしがたい凶行を犯したことは事実である。」
「日本兵は土地の女性を捜しだしては、暴行を加えたことが報告されている。このような事件に関する報告書をここに添付している。日本軍の占領当初、こうした事件は一晩に千件からが数えられ、あるアメリカ人が数えたところ、アメリカ人所有の建物で、一夜に三〇件の強姦があったことが認められた。」
まだありますが、ここまでとします。
南京アメリカ大使館通信 エスピー報告 「南京事件資料集・アメリカ関係資料編」 南京事件調査研究会・編訳 青木書店)

軍事評論家・岡崎研究所特別研究員の佐藤さんが引用されたエスピー報告書には、このような記述があることをお伝えします。

東亜連盟戦史研究所東亜連盟戦史研究所 2005/07/13 21:32
 当時南京では、支那軍の敗残兵が日本兵に化けて非行を重ね、また南京のアメリカ大使館がろくな検証もなしに支那人や米人から注進された日本軍の非行を本国に打電し、日本側に批判されていたことは有名な話です。

 南京攻防戦の日本軍の非行数が微々たるものであったことは、南京国際安全委員会の公式記録によって明らかにされていますしね。

 中華民国の軍事代表として満州をソ連から接収するために苦労した董道平中将は、ソ連軍の掠奪暴行を目の当たりにして大いに憤激し、回顧録に、

 「いやしくも社会主義を標榜するほどの国家が帝国主義に圧迫され続けて今ようやく解放の日を迎えたばかりの同盟国の人民に対し、残酷かつ非人道的な凌辱、掠奪をやってのける軍隊の行動を容認するということが凡そ想像されることだろうか。

 日本帝国主義は東北同胞を奴隷のごとくコキ使ったが、彼等の軍隊(註、日本軍)は掠奪をしたり、婦女を強姦したりするような事例は、そうざらにはなかった。」

と書き記しております。

 北清事変時の日本軍の遵法度を100点とすれば、南京攻防戦の日本軍は95点、日中戦争を通じては80点ぐらいが妥当でしょう。 

http://touarenmeilv.ld.infoseek.co.jp/

bluefox014bluefox014 2005/07/13 22:05 >南京のアメリカ大使館がろくな検証もなしに支那人や米人から注進された日本軍の非行を本国に打電し、日本側に批判されていたことは有名な話

ということは、軍事評論家・佐藤守さんはろくな「検証もなしに」本国に情報を打電するような南京アメリカ大使館、そこの報告書を、この「南京事件について(その5)」で論拠として出された、ということになり、それはそれで問題だと思うのですが、そういうことでよろしいのでしょうか。

bluefox014bluefox014 2005/07/13 22:22 それにしても、軍事評論家・岡崎研究所特別研究員でおられる佐藤さんは、なぜ
「しかしながら、日本軍が南京に入城するや、秩序の回復や混乱の終息どころか、たちまち恐怖政治が開始されることになった。十二月十三日夜、十四日朝には、すでに暴行が行われていた。」 という部分をカットしてエスピー報告書を紹介されたのでしょうか。

通行人通行人 2005/07/14 16:19 >>佐藤守さん
>又「便意兵」がいたことを証言する貴重な記録
いい年こいて、こんな書き間違いをするなよ。

通行人通行人 2005/07/14 16:23 >>佐藤さん
>又「便意兵」がいたことを証言する
いい年こいて、こんな書き違いをするなよ。お前等のOBが計画的に捕虜を違法に虐殺したと言っているんだぞ。

右翼野郎=佐藤守右翼野郎=佐藤守 2005/07/14 17:33 なんとか言ったらどうだ
おい 佐藤

都合の悪いことにはダンマリか?w

匿名匿名 2005/07/14 19:16 佐藤先生はこれまでにコメント欄への投稿なさっていません。都合の悪いことにダンマリしているわけでは無いのでは?
先生に用件があるならば、直接メイルを送られてはいかがですか?

guldeenguldeen 2005/07/14 20:49 戦場における日本兵の軍規の低下に関してですが、当時は日本領であった朝鮮半島から兵士が多数狩り出された事も、関係してはいないでしょうか?日本兵≠日本人である(正確に言えば日本人⊂日本兵という図式になる)事実も、忘れてはならないと思います。
http://nanyasore.jugem.jp/?eid=312

野良猫野良猫 2005/07/14 23:47 青狐さんは「都合の悪い記事をトリミングしたのでは?」と書くのではなく「転載しなかった部分の描写についてはどうお考えですか?」と尋ねる方が良かったと思います。もしくは、ご自分で「三〇件の強姦」に関する事実確認をして反論するという手もあった。関与したのが本当に日本兵かどうか、報告書に記載された経緯はどうだったか、怪しい「伝聞」によっての三〇件ではなく、きちんとした事件として調査されたのか……?
やり方はいくらでもあるので、書いている人の「イメージ・信用」が損なわれるような主張方法は、避けた方がいいんじゃないかな、と思います。
 そして、そうした細々とした検証も大事ですが、一般の人達はそこまで付き合いきれないので、どこかで見極めて結論を出していくものです。そういう時に「完全」な記事を望む必要はありません。こうしたコメント欄のやりとりも含め、来訪者が各自で判断すればいいと思います。

名無し名無し 2005/07/14 23:47 南京事件当時の南京に派遣された日本軍の部隊編成の中に朝鮮が編成地である部隊は無かったと思います。部隊編成は内地の各県にまたがっていたので朝鮮人(当時は日本人ですが)兵が混ざっていたかは定かではありませんが、いたとしても極少数でしょう。

山崎行太郎山崎行太郎 2005/07/15 00:10 ブログにおける誤字脱字を拡大解釈する「通行人」さんよ。もっと本質的な問題で、挑戦しろよ。レベルが低すぎるよ。(冷笑)

名無し名無し 2005/07/15 00:15 追記:
朝鮮半島の志願兵募集開始は昭和13年のようです。また、昭和12年当時で朝鮮人が徴兵されるためには内地で日本人と結婚するか縁組する方法しかなかったようです。

古の古の 2005/07/15 13:35 ># 野良猫 『青狐さんは「都合の悪い記事をトリミングしたのでは?」と書くのではなく

「bluefox014」さんのコメントには「都合の悪い記事」などという言葉はありません。だから「都合の悪い記事をトリミングしたのでは?」と書いている、という事実自体が存在しません。
「野良猫」さんは他人にあれこれ意見するよりも、まずご自分が相手のコメントをきちんと引用するという、最低限のことを守ることを優先したほうがいいと思います。

アボカドアボカド 2005/07/16 00:53 古の さん。野良猫さんは相手の文意を読み取って要約しているだけだと思いますが。それがbluefox014さんの意図に反した要約であるなら、ご本人が訂正すればいいだけです。
あなたのレベルで揚げ足取りをすると、「野良猫さんはどこぞの青狐さんに向けてメッセージを発しているのであってbluefox014さんにレスしているわけではありません」ぐらいのことは言えそうです。(苦笑)

所長所長 2005/07/16 04:54  ちょっと眠れないので深夜にネットをやっている東亜連盟戦史研究所所長です。

 bluefox014さんへ

 あなたが紹介されたエスビーの報告書の部分は、東京裁判において検察側によって提出され、佐藤守さんが紹介されたエスビーの報告書の部分は、弁護側が検察側に対する反論として提出したものです。

 あなたが紹介したエスビーの報告書に出てくる日本軍の非行は、エスビー自身の目撃証言ではなく、彼が14人の在留アメリカ人と在留ドイツ人から聞いた話と南京国際安全委員会の報告、つまり伝聞です。そのことはエスビーの報告書を読めば判ります。

 南京国際安全委員会は極めて反日的な組織であり、ろくな検証もなしに支那人から報告された日本軍の非行を記録し世界各国の大使館に報告していました。
 
 1939年には中華民国政府が南京国際安全委員会の記録を精査し、この中から信用するに足る日本軍の非行を拾い集め、南京安全地帯の記録として公刊しました。これによって南京攻防戦における日本軍の犯した非行は微々たるものであったことが証明されております。

 もちろん北清事変や満州事変よりは日本軍の軍紀が乱れていたことは疑いようもない事実ですが、それでも上海派遣軍と第十軍にはほとんど憲兵隊が配置されなかったことを考慮すると、日本軍の非行数の僅少は驚異的です。

 つまりエスビーの報告書に出てくる日本軍の非行とは伝聞の伝聞、端的に言って又聞きのうわさ、ほら話の類であって、エスビーは検証をせずにそれらを本国に送付していたことが今日では明白なのです。

 だから佐藤さんがあなたの紹介された部分を省略したことは、佐藤さんの意図は判りかねますが、間違いではありません。

 因みに、「日本軍の占領当初、こうした事件は一晩に千件からが数えられ、」という一節ですが、正しくは、「日本軍の占領の初期には、一夜にかかる事件が一千件以上発生したと、当市在留の外国人は信じている」です。

 この在留外国人、エスビーの報告書の冒頭に出てくる在留ドイツ人とは、いずれもラーべでありましょう。

 一夜に一千件以上の強姦という話は、国民党の宣伝工作員ティンパリーがラーべら南京国際安全委員会の連中の伝聞報告を基に執筆した反日プロパガンダ本や、ラーべの日記にも出てくるからです。

 もちろん、ほら話ですが。

野良猫野良猫 2005/07/16 06:27 余談ですが、実は青狐さんとは前から何度か議論をさせていただいています。最初の頃は「青狐」と名乗られていたので、そのままにしていました。「bluefox014」が現在のHNでしたら、今後はそう呼ばせていただきます。失礼しました。

bluefox014bluefox014 2005/07/16 06:50 あの、「最後の数日間は〜」以降の記述は、佐藤守さんが引用した箇所も含めて「伝聞」で、エスピーは「検証していない」のですけど。大使館スタッフが南京を離れたのは12月9日です。したがって、少なくとも「最後の数日間は〜」以降の記述は全て「伝聞」ですよ。

>だから佐藤さんがあなたの紹介された部分を省略したことは、佐藤さんの意図は判りかねますが、間違いではありません。

おっしゃる意味がよくわかりません。
「検証なき伝聞部分は引用に値しない」ということでしょうか。でもそれでは、同じく「検証なき伝聞」でありながら、「最後の数日間には〜期待する気持ち…」の箇所が引用されているという事実は説明がつかなくなりますね。

ここは佐藤守さんご自身の説明を待つしかないと思いますが。

チュシャ猫チュシャ猫 2005/07/26 11:01 しかしどうして南京幻説を取る怪しげな人は
いい加減な情報を鵜呑みにするんでしょうな

>>佐藤氏
貴方はいかにも知ったかぶりで情報量が足りていません

ここでもまれてきて下さい
http://t-t-japan.com/bbs2/c-board.cgi?id=sikousakugo

>>野良猫さんこんにちは
http://jujo.seesaa.net/
ここでのやり取りはもう済んだの?

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