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3つの課題、どう反映

2008年02月22日

県の08年度一般会計当初予算案が、21日開会した2月県議会に提案された。厳しい財政状況の中、予算案にはこの1年間、県が取り組もうとする施策が盛り込まれている。「気になる」課題は、予算案にどう反映されているのか。県議会での論戦を前に、その三つを整理した。

(日比真)

 ●医師不足対策

 常駐の産婦人科医がいなくなったり、深夜帯に小児科の急患を受け入れる病院がなくなったりと、県内でも医師不足は深刻な課題だ。

 厚生労働省によると、医療機関で働く県内の医師数は、人口10万人あたり270・1人で、全国2位(06年12月末現在)。しかし、その3分の2が徳島市など県東部に集中しており、地域間格差の解消が急務になっている。

 このため、08年度から始める「とくしま医師バンク事業」に1300万円を計上した。その柱の一つは、臨床経験のある小児科や産科の医師を任期付きの県職員として採用し、医師が不足する公的医療機関に常勤医として派遣する仕組みだ。

 また、定年退職した医師や開業医に「バンク」に登録してもらい、代診医として派遣するほか、結婚や育児で医療現場から離れていた女性医師の再就職も支援する。Uターン、Iターンを希望する県外の医師には無料で病院を紹介する。

 飯泉知事は「より即効性のある施策の充実が急務」と提案理由を説明した。

 ●中小企業対策

 県内の大半を占める中小企業の支援にも力を入れる。2月議会には予算案と同時に「中小企業振興条例案」も提案。それに基づく支援策の一つとして、08年度に100億円規模の「とくしま経済飛躍ファンド」を創設させる。

 同ファンドの資金で国債や地方債を購入し、その運用益を中小企業への助成金に充てる。資金の8割は中小企業基盤整備機構から無利子で借り、県の今年度負担は9億7千万円。08年度の運用益は、1億円強を見込んでいる。

 07年度に40億円規模でスタートさせた「LEDバレイ推進ファンド」は、LED関連の事業に限られていたが、60億円を積み増し、名称を変更することで、その対象を中小企業全体に広げる。県産業振興課は「頑張る中小企業を応援し、経済の飛躍につなげたい」。

 ●国体最下位脱出

 国体の天皇杯(男女総合)が、2年連続最下位という「不名誉」な記録も気になるところ。最下位の脱出を目指して、07年度に続いて実施する「競技スポーツ重点強化対策事業」には7556万円を計上した。10年度までに総合成績を30位台にするのが目標だ。

 事業費の半分以上は、選手強化のための補助費。過去の国体の実績などから入賞が狙えそうなウエートリフティング、馬術などの競技に重点的に配分する。

 また、県外で活躍している県出身の「ふるさと選手」を即戦力ととらえ、合同練習や合宿に参加する費用を助成するほか、県教委が指定した「競技力向上スポーツ指定校」20校を中心に、「ジュニア選手」の強化策にも力を入れる。

 とはいえ、08年度に計上された予算は、前年度より約1千万円少ない。県教委スポーツ振興推進室は「厳しい財政状況だが、必要最低限は確保した。選手は一生懸命やっており、出来る限り応援していく」としている。

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